先日21歳になったばかりのデニス・シャポバロフ(カナダ)が一気にテニスファンの注目を集めたのは、まだ18歳だった時。2017年「ATP1000 モントリオール」でラファエル・ナダル(スペイン)…

先日21歳になったばかりのデニス・シャポバロフ(カナダ)が一気にテニスファンの注目を集めたのは、まだ18歳だった時。2017年「ATP1000 モントリオール」でラファエル・ナダル(スペイン)を破り、準決勝に進出した時だ。しかし左利きのシャポバロフはその準決勝で敗れ、その後ツアーレベルの準決勝で6回続けて敗退することになった。だが2年以上を経た2019年10月の「ATP250 ストックホルム」で、シャポバロフはようやく準決勝の壁を乗り越え、ツアー初優勝を遂げた。それ以降、彼は後ろを振り向いていない。

シャポバロフは、「昨シーズンの終わりには本当に大きな一歩を踏み出したと感じた。それは、ストックホルムより前から始まっていたと思う。“ウィンブルドン”の後で少し休みを取って、復帰したのはモントリオールだった。2017年に今の“僕”がスタートした場所。だからモントリオールではすごくモチベーションが高かったし、試合に、テニスに、すごく情熱を感じたんだ」と語った。4

その後、シャポバロフは「ATP1000 上海」2回戦で世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れてストックホルムに向かったが、彼の自信は揺らいではいなかった。

「僕のプレーは良くなっている、ストックホルムではいいところまで行けると、本当に感じてたんだ。そして実際に優勝した。それで、肩の荷が下りた。何度も何度も準決勝で負け続けていたから、やっとその壁を乗り越えて優勝できたことが、本当に僕にとって大きかった」

その勢いは「ATP1000 パリ」でも続き、シャポバロフは初めてマスターズ1000大会で決勝に進出。決勝ではジョコビッチに敗れたが、そこまでにトップ15選手を4人と、元世界6位のジル・シモン(フランス)を倒した。

「去年の最後の方の大会では、僕はただ自由にプレーしていた。目標はもう達成できたから、あとは残りのテニスを楽しもうという気持ちだったんだ。パリでは体調も良かったから、いい結果を残すことができた。1週間ずっと、集中が切れなかった。本当にハイレベルな選手にも勝てた。あの大会で、すごく自信がついたと思う」とシャポバロフ。

その間ずっと彼に付き添っていたのは、最近引退したばかりのミカエル・ユーズニー(ロシア)だった。ユーズニーは8月の「ATP250 ウィンストンセーラム」からコーチとして帯同していた。

ユーズニーについてシャポバロフは「彼はメンタル面で、コートを離れている時もすごく助けてくれた。またテニスを楽しむようになれて、大切なことをいくつも見つけた。本当に助けてくれていると思う」と語った。2018年の「ATP250 サンクトペテルブルク」で引退した元世界8位のユーズニーにとって、シャポバロフは最初の教え子だ。

ユーズニーは、「僕にとっては最初のトップレベルの教え子で、お互いにゆっくり協力関係を築いてる。彼はどんなプレーも上手くできる。問題は、安定性だ。だけど彼は素晴らしいプレーヤーだよ。試合も上手いし、観客を惹きつける」と語った。

「彼はちょっと他の選手たちと違うんだ。本当に美しいショットを決めたかと思うと、クレージーなショットを打ったり、でも着実なプレーをすることもあるんだ」

2020年に入っても、シャポバロフの勢いは衰えなかった。年初の「ATPカップ」では2人のトップ10選手から勝利を挙げ、ジョコビッチを最終セットタイブレークまで追い詰めた。

「すべてのことがうまくかみ合って、モチベーションを高く保って努力し続けられた。今年の初めも良いスタートを切って、トップ選手たちを倒すことができた。好調を保つことができているのは素晴らしいよ。ミカエル(ユーズニー)のおかげだ。彼のおかげで、安定したプレーを続けていられていると思う。彼とのチームワークは本当にうまくいっているよ」

同じように十代からその才能を開花させて注目されている、シャポバロフの親友でもあるフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)は次のように語っている。

「彼は1つ年上で、ランキングでもずっと、僕の前をいっている。彼はいつも目標を信じて、自信を持って進めば何ができるかという、いいお手本だった。でも僕にとって一番重要なのは、彼はいつも素晴らしい友人だってこと」

※写真は2020年「全豪オープン」でのシャポバロフ

(Photo by Andy Cheung/Getty Images)

翻訳ニュース/ATPTour.com