10月に入り、各大学野球リーグ戦も佳境に入ってきた。老舗の東京六大学野球や二部も含めて注目選手が目白押しの東都大学野球は…
10月に入り、各大学野球リーグ戦も佳境に入ってきた。老舗の東京六大学野球や二部も含めて注目選手が目白押しの東都大学野球はもちろんのこと、その他のリーグも秋の覇者を目指して激しい争いが展開されている。
■混戦の首都大学野球リーグ
半世紀以上の歴史を有する首都大学野球リーグは、会場の都合や大学の授業を優先するという方針もあって、一昨年に大きく編成とリーグの仕組みを変えた。従来の大学野球6校による2勝で勝ち点制というリーグ方式ではなく、一部8校が2試合ずつ行う総当たりでの勝率制とした。ところが、もうひとつ運営がなじんでいかなかったようだ。結局、今春からは再び一部リーグは6校による勝ち点制となった。
しかし、1勝1敗となった後の3回戦は土日の翌日の月曜日というわけにはいかず、予備週を設けてそこで処理する方針になった。従って1勝1敗が多くなると、どちらも勝ち点がないまま預かり状態で、どんどん日程が進んでいくことになる。
そのため第4週に入っていく時点では、東海大と桜美林大が5勝1敗の勝ち点2、預かり1で首位を争っているという状態。また、6戦全敗となっていた城西大が6位ということは分かった。
東海大vs筑波大
ところが第4週で東海大が筑波大と1勝1敗で預かりとなり、またややこしくなった。しかし、桜美林大が帝京大に連敗したことで勝ち点を失い、5勝3敗勝ち点2の預かり1。帝京大も5勝4敗勝ち点1で預かり2となった。また、筑波大も4勝4敗勝ち点1で預かり2。春の覇者の日体大も城西大に初勝利を献上して1勝1敗となり、4勝5敗勝ち点1の預かり2となった。
状況によっては優勝の可能性もあれば、最下位の危険性もあり、観ている側からすれば面白いものとなっている。とはいえ、当事者としてはたまったものではないだろう。
「1勝1敗になっても次の試合がだいぶ先になってしまいます。正直、そこまでの流れというのは関係なくなります」と話す日体大の古城隆利監督は、困惑を隠せない様子だ。もっとも春はそうした展開の中から、結果的には筑波大と9勝4敗勝ち点4で並んで、プレーオフの末に勝利して6季ぶりの優勝を果たしている。
【見ごたえたっぷりの首都大学野球リーグ 続く】
桜美林大が連敗したことによって、首位に立った形になった東海大の横井人輝監督は、「この形になったら、とにかく連敗は絶対してはいけないね。ただ1勝1敗になって、土日で二日続けて違う相手との試合というのも、それはキツいですよ。投手の使い方も考えなくちゃいけないしね」と、現場の指揮官としては何とも頭の痛いことでもある。
それでも、ある意味ではトーナメントの戦いのような覚悟になっていき、「負けられない試合になりますから、精神的には鍛えられますよ」と受け止めている。
大学野球は東京六大学野球に代表されるように、対抗戦というスタイルを原点として歴史が積み重ねられてきた。そこに、高校野球のトーナメント大会とは異なる面白味や味わいも見出してきたのだ。
学校の名誉も背負った対抗戦として戦うことで、意識も向上してレベルも上がってきたのも確かである。また、一般学生も対抗戦という意識の中で、母校を応援していく喜びを味わっていった。
東海大・下石君(3年・広陵)
もちろん首都大学野球も盟主とも言うべき東海大を中心として、日体大や筑波大などに城西大や帝京大が絡み、2014年春から一部リーグに昇格してきた桜美林大も躍進が著しく、新たな対抗戦構図を作り出している。
連盟の仕事を担当している学生に「最終的にどこに優勝の可能性があるのでしょうか?というクイズみたいだね」と話したら、「そうですね。毎週、(順位表を)整理するが大変です」と苦笑。現状では首都大学連盟ならではの独自な日程運営となっているシステムに対応している。
盛り上がる筑波大応援席
東京タイムス時代から首都大学野球の事務局運営にも関わり、取材をし続けているジャーナリスト平田明夫氏は見解としてこう言っている。
「結局は、球場が定まり切らないということが大きいのだと思います。今の時代は昔のように『野球だけやっていていいよ』という時代でもありません。大学野球でも授業を優先していくので、現場の監督さんや選手は大変ですが、現状ではこのような形でしかやっていけないのは仕方がないのでしょう」
とはいえ首都大学リーグも好投手が多く出てきており、ロースコアの競り合いが多くなっている。見ごたえは十分である。混戦と混迷の中から抜け出すのは東海大なのだろうか、それとも大逆転があるのだろうか。興味は尽きない。

【THE INSIDE】見ごたえたっぷりの首都大学野球リーグ…混戦で日程は混迷

制球力のいい帝京大・小倉君(3年・岡山学芸館)

城西大vs日体大

城西大・竹脇君(4年・世田谷学園)

城西大・荒川君(2年・黒羽)

帝京大ベンチ

帝京大・塚畝君(1年・履正社)

帝京大・小山君(4年・習志野)

帝京大応援スタンド

日体大・吉田大喜君(1年・大冠)

日体大・坂本君(3年・松阪)

本塁打して、三塁ベースを回ってホームへ向かう東海大・森下君(4年・東海大相模)

東海大・下石君(3年・広陵)

東海大・天久君(4年・光星学院)

東海大・横川君(2年・日南学園)

東海大・竹内司君(4年・健大高崎)

東海大vs筑波大

桜美林大の応援スタンド

桜美林大・沼田君(4年・平塚学園)

桜美林大・邑楽君(4年・日大高)

盛り上がる筑波大応援席

筑波大・木部拓実君(4年・帝京)

筑波大・種子島君(3年・膳所)