様々なレベルの学生スケーターが集うバレンタインカップ。4級女子には安藤美裕主将(教4=東京・早実)が登場した。後輩たちが見守る中、最後の舞台へ。緊張からジャンプにミスは出たものの、見る人を楽しませる演技で現役生活に幕を下ろした。得点は33…

様々なレベルの学生スケーターが集うバレンタインカップ。4級女子には安藤美裕主将(教4=東京・早実)が登場した。後輩たちが見守る中、最後の舞台へ。緊張からジャンプにミスは出たものの、見る人を楽しませる演技で現役生活に幕を下ろした。得点は33.70点で全体の7位となった。


笑顔で現役最後の舞台に立った安藤

 ラストシーズンに「楽しく見えればいいな」と選んだ『メリーポピンズ』のプログラム。映画から飛び出してきたような赤い衣装に身を包んだ安藤はスタート位置についた。冒頭のシングルアクセルは6分間練習で何度も調整を重ねていたが、本番では緊張からか転倒となった。続くダブルサルコーは「ここで1本決めないと流れが持っていけない」と気持ちを切り替え、落ち着いて成功させた。キックアウト(技が規定を満たさず、無効となること)にならないよう特に意識したというコンビネーションスピンではしっかり得点を獲得した。次のジャンプはダブルトーループを予定していたが、回転の途中で降りてきてしまうかたちに。しかし、後半にはシングルフリップ―シングルループ―シングルトーループなどの連続ジャンプを着氷。最後はスパイラルとレイバックスピンで美しく演技を締めくくった。演技後、安藤は「練習では一応ノーミスはしていたので、自分の万全の体勢で、緊張に負けました」と苦笑い。ミスはあったものの、表現面では「自分らしく」「笑顔で滑るというのを意識した」という言葉通り、楽しげな笑顔が印象的な安藤らしい明るい演技であった。

 この四年間を振り返り、「やりたいことはやれた」と語った安藤。今年度はスケート部フィギュア部門の主将として部員たちをまとめ、「楽しい部活にできた」という。信頼する後輩たちへとタスキを繋ぎ、銀盤を後にする。

(記事 小出萌々香、写真 岡田理佳子)

結果

▽4級女子


安藤美裕 7位 33.70点


安藤美裕主将(教4=東京・早実)

――きょうの演技を振り返っていかがでしたか

満足できるようにと思って、一応これで引退なので、最後と思ったらものすごく緊張してしまって私的には満足はいってないというか、結果が不安でしかないんですけど……やることはやったなというか。練習では一応ノーミスはしていたので、自分の万全の体勢で、緊張に負けました(笑)

――冒頭のアクセルで転倒した後、どうやって気持ちを立て直しましたか

リンクに立った時に最初からふわついていて、アクセルを跳んだ時もふわついているなという感じで、とりあえずここで1本決めないと流れが持っていけないなと思ったので。ダブルサルコーは落ち着いていて、調子も悪くなかったはずなので、「できる」と思って平常心を保ちながら跳びました。

――特に意識した点というのはありますか

私は元々スピンのキックアウトがものすごく多いので、スピンのキックアウトがなるべくないようにと思いながら。フライングキャメルはキックアウトしたんですけど(笑)コンビネーションスピンがおとといかきのうの練習からちょっと調子がよくなかったので、とにかくコンビネーションスピンでキックアウトされないようにというのを、自分で回転数を数えながら意識しながら滑ったというところはありますね。

――表現面についてはいかがでしたか

表現面についてはもうこのプログラムを何回もやっているので、とにかく自分らしくなるべく笑顔で……笑顔になってたのかな?(笑)笑顔で滑るというのを意識して滑っていました。このプログラムを作った時、楽しく見えればいいなと思っていたので、楽しく見えるようにというのを意識しながら滑っていました。

――今大会に向けてはどのように練習に取り組んできましたか

いつもの大会と変わらないのですが、緊張しても落ち着いてできるように、平常心でできるようにというのを意識しながら、滑るかたちにはしていたので。結果飲まれたんですけど(笑)特に特別なことはしていなくてとにかく曲をかけるというのと、体に染み込ませるというか、無意識でもできるようにというのを意識して練習しました。

――最後にこの四年間を振り返っての総括をお願いします

やっぱり調子がいい時も悪い時もあったし、思うように点数が出ないというのも多々あったので、そこについてはなかなか解消できなかった四年間だと思うのですが、取りたい時に成績を出せたこともあったし、この間の早慶戦(アイスホッケー早慶戦定期戦でのエキシビション)で自分の中でひとつの目標みたいなものを達成できていて。色々な人に「すごく良かったよ」「楽しかったよ」と言ってもらえてすごく嬉しかったので、その部分で人を楽しませる演技がやっとできたのかなと思いますね。あとは後輩がたくさん増えて、代々で色が変わると思うのですが、私の代で楽しい部活ができあがったのかなというか、後輩たちとの関係がわりと近い部活を作ることができたのかなというのは思いますね。みんな後輩を信頼しているので、今後も楽しみです。