スポーツ庁が平成30年に行った報告(※1)によると、日本では特に20~40代の女性のスポーツ実施率が男性より低く、運動不足が将来の糖尿病や骨粗鬆症といった健康問題を生じる可能性があるとしています。理由として、仕事や育児での時間の制約、加齢…

 スポーツ庁が平成30年に行った報告(※1)によると、日本では特に20~40代の女性のスポーツ実施率が男性より低く、運動不足が将来の糖尿病や骨粗鬆症といった健康問題を生じる可能性があるとしています。理由として、仕事や育児での時間の制約、加齢にともなう健康不安が少ないことが考えられています。

今回はスポーツ庁が挙げている女性の健康課題(※2)をもとに、あすけん栄養士が運動の方法や効果を解説します。

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年代ごとの女性の健康課題

【思春期・若年期】
思春期・若年期の運動で予防できる健康課題として、

・過度な痩せによる骨量低下
・20歳前後の体力と40~50年後の予後・疾患
・筋力不足による低代謝

が挙げられています。
いずれも、思春期・若年期に運動を行い、骨を強くし、筋力や体力をつけることで将来的な疾病(骨粗鬆症、糖尿病など)やメタボリックシンドローム発症のリスクを下げることができるとされています。

【更年期・高齢期】
更年期・高齢期の運動で予防できる健康課題として、

・メタボリックシンドローム
・ロコモティブシンドローム
・フレイル
・サルコペニア

が挙げられています。
女性は閉経前後に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下し、内臓脂肪の蓄積、骨密度低下などカラダの変化が起こりやすくなるとされています。また、高齢期になると体力や筋力の低下が問題となり、運動による維持が重要と考えられています。

手軽にできる運動メニュー
仕事や育児で時間の制約があると、なかなか運動の時間をとるのは難しいという方も多いのではないでしょうか。
「歩くときに手を大きく振る」「階段を足裏全体を使って上る」「椅子の立ち座りをゆっくりと行う」など、何気ない動作を運動にすることや、「エレベーターでなく階段を使う」「一駅分歩く」「作業の休憩中などにカラダを伸ばしてストレッチする」など、忙しい中でも手軽に取り入れられるものを見つけてみましょう。こまめにカラダを動かす習慣をつけておくことが大切です。

また、夜などに時間が取れそうな方は、5分からでも筋トレやストレッチを行う時間を設けてみましょう。また、休日は歩いて出掛けたり、スポーツに取り組んだりと、日ごろできないような運動を行うのも良いでしょう。

運動がもたらすうれしい効果

運動は健康づくりやダイエットだけではなく、他にもうれしい効果があることがわかっています。

リラックス効果・ストレス解消効果
ストレッチには副交感神経を有意にし、リラクゼーション効果があることが明らかになってきました。特に就寝前にゆっくりと全身ストレッチを行うのがおすすめですよ。また、運動をすることでストレス解消効果があり、ストレス性疾患の改善効果も期待されています。休日は自宅でダラダラ…でなく、外へ出てカラダを動かすとリフレッシュできそうですね。

「幸せホルモン」のセロトニンが出る
リズムが一定以上の運動を5分以上行うことで、幸せホルモンであるセロトニンが分泌されることがわかっています。セロトニンは心の安定に関わる大切なホルモンです。太陽の光を浴びることでもセロトニンは分泌されますので、屋外の運動だとさらに効果的でしょう。

記憶力アップ
有酸素運動により記憶力が改善したという研究報告はいくつもあり、認知症予防としても注目されています。(※3)運動で心もカラダもすっきりとさせ、仕事や作業の集中力・パフォーマンスアップに繋げたいものですね。

健康問題には食事ももちろん大切ですが、運動を適度に取り入れることによってたくさんのメリットを得ることができます。楽しみながら行える、自分に合った運動法を見つけてみましょう。

【参考・参照】
(※1)平成30年度女性スポーツ推進事業(女性のスポーツ参加促進事業)報告書(最終閲覧日:2019/10/06)

(※2)スポーツ庁 手軽にできるスポーツのすすめ ~忙しい女性の方にむけて~(最終閲覧日:2019/10/06)

(※3)スポーツ庁委託調査 スポーツ医 科学等を利用した健康推進プロジェクト(最終閲覧日:2019/10/06)

スポーツ庁手軽にできる!ながらでできる!?スポーツメニュー(最終閲覧日:2019/10/06)

厚生労働省 eヘルスネット(最終閲覧日:2019/10/06)


[文:あすけん 管理栄養士 公開日:2019年11月7日]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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