永島優美インタビュー 前編MCの浜田雅功さんと各界で活躍するアスリートがトークを繰り広げ、競技や選手の魅力を伝えている『ジャンクSPORTS』(毎週日曜・夜7:00〜 フジテレビ系)。その中で浜田さんをサポートしつつ、番組を一緒に盛り上…

永島優美インタビュー 前編

MCの浜田雅功さんと各界で活躍するアスリートがトークを繰り広げ、競技や選手の魅力を伝えている『ジャンクSPORTS』(毎週日曜・夜7:00〜 フジテレビ系)。その中で浜田さんをサポートしつつ、番組を一緒に盛り上げているのが永島優美アナウンサーだ。今回、2月9日、16日の2週にわたって放送される『大相撲スペシャル』の収録後にインタビューを敢行。番組の見どころやアスリートへの思いなどを聞いた。



豊かな表情でインタビューに応えてくれた永島優美アナ

――永島さんが番組の担当をされるようになったのは、レギュラー放送が復活した2018年1月からですが、それ以前(2000年〜2010年までレギュラー放送)の番組を見たことはありましたか。

永島 学生時代の頃、よく見ていました。それこそ浜田さんがいて、内田恭子さんがいて、三宅(正治アナ)さんがいて。『ジャンクSPORTS』イコール、スポーツ選手の新たな一面を知ることのできる番組だと思っていました。

『ジャンク』を見れば、それまで知らなかったスポーツを知ることができたり、「この選手はこういうキャラクターだったんだ」と新たな発見があったり。

 その番組が復活するということ自体がイチ視聴者としてうれしかったんですけど、まさか自分が入社して、浜田さんと一緒に司会をさせていただくことになるとは思ってもいませんでした。

 テレビの世界に入ってからいろんな驚きの連続なんですけど、入社して上位3位以内に入るぐらいビックリしました。

――それからすでに2年経ちますが、番組を続けてこられた感想はいかがですか。

永島 楽しくて仕方がないですね。毎回大笑いして、「あ〜楽しかった」と言って帰っています(笑)。

 今、東京オリンピックに向けてスポーツへの熱がより高まっているこの日本で、アスリートの皆さんの思いや、あまり知られていない努力など、そういうシーンをなるべくたくさん視聴者の方にお届けしたいと思っています。

 この番組を通して、私自身、スポーツに対する気持ちが改めてグッと強くなりましたし、試合の見方が変わりました。

 番組に出演していただいた選手のバックグラウンド、「こういうことを話していた選手だ」とか、「この選手は家族のこういうサポートがあって闘えているんだな」とか。そういうことがわかると、より深くスポーツを楽しめるんじゃないかな、というふうに感じています。

――今回、収録された『大相撲スペシャル』では、貴景勝関がケガをした時の写真を初公開していました。『ジャンクが初』ということも多いですね。

永島 ケガの状態を見せるってなかなか勇気のいることだと思うんですけど、そうやって「『ジャンクSPORTS』で初告白です」と、初公開の場に選んでくださる選手がうれしいことにたくさんいらっしゃいます。

 それに、選手の皆さんが番組に来ていただいた時によく言われるのが、「『ジャンクSPORTS』に出られることがうれしい」とか、「浜田さんにツッコまれたい」とかなんです。実際に浜田さんにその思いを伝えていらっしゃる選手がたくさんいらして、そんな時、長く続けてきた番組の大きさや歴史を感じます。

――今回、松鳳山関の「奥さんからの手紙」とか、ホロリとさせられる企画もありました。永島さん自身もそういう時はジーンとくるんですか。

永島 もちろんジーンとします。そういう家族ものに弱いので。「奥さまからの手紙」や「お子さんからの手紙」を選手に秘密でよく読ませてもらうんですけど、多くの選手が涙されますし、実は私も涙を止めるのに必死です。そこはもう、ご本人が一番なので。

――これまでの2年間で、アスリートの印象深いエピソードはたくさんあったと思いますが、特に印象に残っていることがあったら教えてください。

永島 印象に残っていることは、とにかくたくさんあるんですが…。アスリートの皆さんって同じ競技の場合、ライバル同士なので、試合当日の会場では目も合わせなかったり、本当はバチバチしたりするものじゃないですか。普段笑顔がトレードマークの選手でも、試合に向けて自分の気持ちを作り込んでいる時には、表情が全然違ったりもしますよね。

 昨年、世界柔道が開催される前に、男子柔道の選手に集まっていただいた放送回があったんですけど、柔道って、東京オリンピックでは各階級1人ずつ、7階級で男女合わせて14人しか出場できない中で、同じ階級の選手は当然ライバルですし、意識し合うと思うんです。その皆さんが番組で一堂に会するとどういう感じになるのかなと、ドキドキしながら迎えたんですけど…皆さん本当に仲がいいんですよ。

 ボケとツッコミの関係性ができていてとにかく面白かったんです。みんなで一緒に柔道界を盛り上げていくんだという一体感と、お互いのことをすごく尊敬しあっていることが感じられるエピソードばかりで、とても印象的でした。

  あと、『ジャンク』では次世代アスリートの紹介をさせていただくことも多く、ゴルフの天才少女で須藤弥勒(みろく)ちゃんという、今年9歳になる女の子がいまして。そのプレーも圧巻なんですが、タレント性もすばらしいんです。浜田さんも大好きなんですけど、弥勒ちゃんも浜田さんが大好きで。ふたりのやり取りが毎回すごく面白いんです。

  中でも特に印象に残っているのは、プロサッカー選手を目指す工藤渚斗くん(小6)という男の子がいまして。FCバルセロナのキャンプに呼ばれるぐらいの選手なんですが、2年前に渚斗くんのことをすごく応援されていたお父様が他界されてしまって。バルセロナのキャンプに行くのには40万円以上のお金が必要で、家計的にも苦しくあきらめかけていたそうなんです。ですが、同じチームのお父さん、お母さんがSNSで情報を拡散して協力を呼びかけたことで、日本全国から寄付金と、「絶対夢をかなえてほしい」というメッセージが集まって、渚斗くんはキャンプに行くことができたようで。

 スタジオでは、お父さんとの夢を叶えたいし、自分の夢も叶えたいという思いを涙ながらに話してくれました。その姿にすごく決意を感じましたし、協力してくださった皆さんに恩返しをしたいからプロ選手になるんだという強い気持ちと感謝の気持ちにあふれている渚斗くんを見て、必ずその夢を叶えてほしいと思いました。

――これまでいろんなアスリートの方が出演されていますが、今後この人に来てもらいたいという選手はいますか。

永島 育ってきた環境(父親が元サッカー日本代表の永島昭浩さん)的に人生でサッカーに触れている時間が長いので、やっぱりサッカーが好きなんですよね。

 過去に『MONDAY FOOTBALL R』という番組で、クリスティアーノ・ロナウド選手とネイマール選手という2大スターにインタビューをさせていただく機会があったので、次はリオネル・メッシ選手にお会いできると…(笑)。

 何と言っても、あの神がかっているプレー。才能もそうですけど、相当な練習量で、かなりの努力もされていると聞くので、世界中のメディアが取り上げていますけど、ぜひ『ジャンク』のスタジオにも来ていただき、いろいろお話を聞いてみたいですね。

――サッカーが好きだという話がありましたが、好きだった選手はいますか。

永島 実は私、父親がサッカーをしていた頃は、サッカーが苦手でして…しかも、極度の人見知りだったんですよ。

 だから、父親と歩いていると、どこへ行っても「あっ、永島の娘だ」って言われるのが怖くて。それでサッカーがイヤになっちゃった時期もあったんです。学校の体育の授業でサッカーをやると、「絶対うまいんだろ」って言われるのも本当にイヤで(笑)。

 父親の現役時代も積極的に応援するというよりは、スタジアムには行っても、「永島の娘」だって気づかれないようにウロウロしていました。それがある日、家で代表戦を見ていると、玉田圭司選手が甘いマスクでフォワードとしてガンガン攻めて切り込んでいて…。

「サッカーってなんて面白くてすばらしい競技なんだ」って、父ではなく玉田選手のプレーで気づかされました(笑)。

――お父さんじゃなかったんですね。

永島 面白さに気づく年になった時には、残念ながら父はもう引退していたんですよ。それからは、Jリーグの試合にも友だちと見に行くようになって、代表戦も行くようにもなりました。

 そこで、父親に対しても、初めて「サッカー選手として第一線でやっていたのって本当にすごいことだったんだね」みたいな言葉をかけるという(笑)。

――玉田選手とお会いしたことはないんですか。

永島 ないんです。ただ、柏レイソル対セレッソ大阪の試合だったかな。観戦しに行って前のほうの席で見ていた時に、選手入場の際に玉田選手と目が合ったような気がしたんです。……これ、みんな、言うやつですね(笑)。

――もし玉田選手が番組に出演されたら、どうされますか。

永島 本当に来ていただけたら、感謝の気持ちを伝えたいです。今ももちろん応援していますし、サッカーを好きになるきっかけ、さらには父親を尊敬するきっかけにもなったので(笑)。

(後編につづく)

Profile
永島優美(ながしま・ゆうみ)
91年11月23日生まれ。2014年フジテレビ入社。
兵庫県出身。血液型:A型。
担当番組:『めざましテレビ』(月~金)、
『ジャンクSPORTS』(日)。