第96回東京箱根間往復大学駅伝競走 復路1月3日(木)箱根町芦ノ湖駐車場入口~大手町読売新聞東京本社前総合10位 東洋大   10:59’11復路7位 東洋大   5:29’566区(20.8km) 今西駿介  …

第96回東京箱根間往復大学駅伝競走 復路

1月3日(木)箱根町芦ノ湖駐車場入口~大手町読売新聞東京本社前


総合10位 東洋大   10:59’11

復路7位 東洋大   5:29’56


6区(20.8km) 今西駿介   57’34(7位通過・区間2位)

7区(21.3km) 蝦夷森章太  1:03’32(7位通過・区間6位)

8区(21.4km) 前田義弘  1:06’08(7位通過・区間6位)

9区(23.1km) 大澤駿  1:10’02(7位通過・区間9位)

10区(23.0km) 及川瑠音 1:12’40(区間19位)



6区・今西

7区・蝦夷森

8区・前田

9区・大澤

10区・及川

酒井監督は新たなチーム作りをしていく


※掲載が遅くなってしまい申し訳ございません。


    往路を11位で終えまさかの展開となった第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根)。復路では、6区の今西(済4=小林)が区間新記録の激走を見せ7位まで押し上げるも、その後順位を上げることができず総合10位で大会を終えた。


    「宮下(工2=富士河口湖)の諦めない姿だったり、相澤(済4=学法石川)の使命感のある走りを見て自分もやらないといけない気持ちになった」と今西。その言葉通り、11位から驚異の追い上げを見せる。スタート直後に拓大をかわしシード権獲得内の10位に浮上。さらに3つ順位を上げ一気に7位まで躍り出る。ラスト3kmからの平地では酒井監督からのゲキを受け最後のラストスパートをかける。記録は57分34秒と館澤(東海大)に次ぐ区間2位で区間新記録をたたき出す。4年間の思いがつまった意地の走りを体現した。


    7区を任されたのは三大駅伝初出場となる蝦夷森(ラ2=愛知)だ。「非常に調子が良かった」と酒井監督は当日エントリー変更で抜てきした。今季の関東インカレではハーフマラソンで4位入賞と頭角を現した蝦夷森。三大駅伝での活躍が期待されたがけがの影響もあり出雲駅伝、全日本大学駅伝(以下、全日本)には出場できなかった。酒井監督からの「去年1年けがで苦しんだんだから今回頑張れよ」という言葉を胸に闘志を燃やす。今西からタスキを受け取ると22秒差で前を走る6位駒大を追う展開に。10kmまでは順調なペース運びをするも12km地点からペースダウン。7位という順位こそ死守したものの差を縮められず蝦夷森にとっては悔しいレースとなった。それでも区間6位と次につながる結果を残した。


  「全日本では自分が迷惑をかけたので、それを挽回するような走りをしようと思っていた」と8区の前田(済1=東洋大牛久)は意気込む。1年生ながら三大駅伝デビュー戦となった全日本ではチームの順位を下げてしまい悔しい思いを経験した前田。雪辱を果たすべく戦いに挑んだ。6位駒大を追う展開となったが早々に前田は駒大を捉え振り切る。6位に浮上するものの後続から追い上げてきた帝京大に交わされ再び7位に。区間6位の走りを見せ9区の大澤(済3=山形中央)にタスキリレー。


    定方(工4=川棚)の故障により、予定されていた10区から9区へと変更になった大澤。往路で思うような結果を残せなかった同学年西山(総3=東農大二)、吉川(ラ3=那須拓陽)の思いを胸にスタートした。ポイントに挙げた10kmから14kmを「14分40秒くらいで走ることができなかった」と大澤は振り返る。順位を押し上げることができず悔しい結果となったが、三大駅伝全てに出場した経験を糧に最終学年へと挑む。10区の及川(総1=一関学院)は「ずっと走る気でいた」と急きょのエントリーに対してモチベーションを上げる。フレッシュな走りで最終区へ挑んだ。7位から10位へと下がってしまったもののシード権獲得圏内に入り総合10位でフィニッシュ。1年生として経験した箱根を来季へとつなげていく。


    レース後、酒井監督は「結果を受け止め、前を向き新しいチーム作りをしていきたい」とチームの再建を誓った。大エース相澤が抜け、1つの区切りを迎える。「今までもエースが抜けて新しい選手たちが育ってきた」と酒井監督は新エースの台頭を期待する。総合10位という悔しい結果となったが、「新しく強い」東洋大を作る1年が始動する。




◼️コメント

・酒井監督

(復路のオーダー変更について)定方の調子が上がらなかった。蝦夷森は調子がよかったので7区に起用した。大澤にかんしては、10区の予定を9区にして起用した。(復路を振り返って)今西が非常にいいスタートを切ってくれた。区間新記録という勢いがつく走りをしてくれた。ラストも一生懸命、必死の激走だったと思う。蝦夷森にかんしては、区間6位だが力通りの走りをしてくれた。前田にかんしても区間6位で、ここで1年生を起用できたということは来年度につながる。大澤は前回10区で起用して、今回は9区で起用した。やはり3年生が往路を見ても今ひとつ結果を残しきれなかった。やはり来年度は主力としてしっかりやってほしいということで9区に起用した。10区の及川にかんしては、急遽のかね合いもあったので今回は経験として捉え次につなげてほしい。(今年度を振り返って)駅伝にかんしては、ベストメンバーやベストコンディションを整えきれなかったのは私の責任。本当に3冠を取るんだというチームまで行けなかった。エースがいながら歯車が回らなかった。(これからまた新しく強い東洋をつくっていくと思うが)これまでもエースが抜けて、新しい選手たちが育ってきた。ただ箱根駅伝全体が高速化してきている。東洋大学もこれまでやってきたことだけやるのではなくて、新しいチーム作りというものを進めていきたい。

・6区 今西駿介(済4=小林)

レースプランはあまりなくて頭は冷静にしつつ前を追うというイメージだったので、あまりタイムとかよりかは感覚で走った。(11位でのスタートとなったが)想定外の結果ではあったが宮下の諦めない姿だったり、相澤の使命感のある走りを見て自分もやらないといけないという気持ちになったので、そこは冷静に当日を迎えた感じがする。(区間新となったが)57分台が出たことにかんしてはうれしいが、区間賞を取り切れないところが自分の弱さでもあるしまだ物足りないところかなと思っている。(前回大会の小野田(当時青学大)の記録を超えたが)記録は超えているが全体の結果を見ても今年は記録が出ているので、あまり当てにならないと思うし小野田さんにはまだ自分は勝てないと思っている。(3年連続の6区となったが)2年前に走ったときは直前に言われての6区だったが、そこから6区に対して本気で向き合うようになってこうして結果がどんどん伸びてきて、この3年間は6区があったからこそ自分も成長できたしそこにかんしては感謝したい。(東洋大で走る最後の駅伝になったが)最後は優勝して終わりたかったと思うし後輩に何も残せなかったというところが、本当に悔しい。(6区は残り3kmで監督車が付くという形だったが、監督から何か声を掛けられたか)自分は1、2年は苦しんで辞めそうにもなったが監督が正しい方に進ませてくれてそれを監督が言ってくれて、「お前はいろいろあったけどここまで来られたんだ」と。なのでその思いをラスト3kmにぶつけられたと思う。(報告会では「4年生の責任」と言っていたが)全て結果が悪くても良くても4年生がチームを引っ張ってきている立場でもあるので、4年生には責任があるし優勝したいと思ってやってきたのに負けたら自分たちのせいだと思う。(後輩に向けて)後輩は苦しんでいるが耐えてしっかり次のステップに向けて飛躍できる1年にして欲しいなと思う。(監督に向けて)4年間自分がここまで成長できたのも監督の指導のおかげでもあるし、人間として成長できたのでそこは感謝したい。

・7区 蝦夷森章太(ラ2=愛知)

(プランは)ただ前に行くだけだと思っていた。少しでも前の順位で1年生の前田が楽に走れるようにと思っていた。(実際は)今西さんが前の見える位置で持ってきてくれたので駒澤大に追いつきたかったが、それができず秒差も詰められず悔しさが残った。12km過ぎの二宮の上りを過ぎた辺りで足にきてしまい、そこで全てを使ってしまった。そこからペースダウンしてしまった。(駒澤大を追うレース展開だったが)途中詰まったり離されたりがあった。ラスト1kmでも詰まってはいたが、そこで踏ん張りがきかずに結果広がってしまった。まだまだ詰めが甘いなと思った。(監督からは)途中何度も声をかけてくださった。「去年1年怪我で苦しんだんだから、今回頑張れよ」と言っていただいた。それにも関わらず今回は最低限の走りで終わってしまった。もう1年鍛え直してまた来年の箱根で恩返しがしたいなと思う。(今西選手からタスキを受け取ったときは)最後4年生からのタスキだったので、想いを背負って走ることができたことはよかったなと思う。(初めての3大駅伝となる箱根だったが)初の箱根ということで相当緊張してプレッシャーもあったが、自分らしい走りができたので来年につながるいい大会だったと思う。(4年生へ向けて)本当にお世話になった方々なので卒業するのは本当に寂しいですし、10位で終わってしまって申し訳ない気持ちでいっぱい。来年また成長した姿を見せられるように1年間努力していきます。

・8区 前田義弘(済1=東洋大牛久)

8区は後半に遊行寺の坂があるので、そこまで力を貯めて後半勝負でいこうと思った。(レース展開は)前に駒澤大学さんがいて、そこで詰めていこうと思ってたが、前の駒澤大学さんがそんなに速くないペースで、自分も普通のペースでいってそこで詰まってたのであんまりよくないんだなと。抜こうと切り替えて、抜いた後の切り替えがいまいちで帝京大学さんに抜かされてしまった。(タスキを受け取った時は)全日本で自分が迷惑をかけていて、それを挽回するような走りをしようと思ってた。(監督からの指示は)練習でやってきたことを出して、11年連続3位以内という記録があって、12年連続で続けようと言っていただいた。(8区を走ることが決まったのはいつか)クリスマスのあたりに決まった。(全日本から箱根へ向けてどのような練習をしてきたか)全日本ではスタミナ不足とフィジカルの弱さが目立ったので、そこを重点的に距離走をたくさんやったりした。(1年生で箱根を走れたことについて)来年からは相澤さん、今西さん、奏太さん、定方さんとかいなくなってしまうので、そこで戦力ダウンにならないように自分が頑張りたい。(川野選手からの給水は)川野さんは池田さんとともに世界で活躍する選手であり、東洋大陸上部の見本的な行動とかいつもしてくださっていて、東京オリンピックに内定されている方ですし、そういう方に力をもらえてそこから頑張れた。(箱根の経験を今後どのようにいかすか)来年は大きくジャンプアップして優勝狙っていきたいと思うので、ここから練習積んで関東インカレでも優勝を狙っていきたい。(4年生へ向けて)1年生全体としても個人としてもたくさん迷惑をかけたにも関わらず、さっきの報告会で4年生が不甲斐ないと言わせてしまったのは、申し訳ない気持ちになった。今後自分たちが総合優勝することで恩返ししたい。

・9区    大澤駿(済3=山形中央)

今日は8区と10区が初めてのレースなので、それを安心させていき詰めていくプランだったがそれができなくてすごく悔しい気持ち。思ったよりも周りが速くて自分の力不足を痛感した。監督からは10kmから14kmを14分40くらいでいかなければならなかった。そういう指示を出されたがそのタイムで押して行けなかったというのがタイムにつながったと思う。(前田選手からタスキをもらったときは)1年生ながら良く走ってくれたと思ったので僕もそれに続いて及川に良い位置で渡せれば良いと思った。(9区に決まったのは)前日の夜。元々定方さんの調子が良くなかったので9区になるかなという感じだった。(三大駅伝全て出走となったが)鉄紺のタスキを背負うというのがどれほど大変かと言うのが分かった。来年はその覚悟をもってもう一度チームを再起していけるような学年を僕らが作っていければ良いと思う。(4年生へ向けて)本当に心強い学年。相澤さん今西さんをはじめ、いなくなるのが本当に寂しい。見習っていかなければいけない部分も多くある。そういう姿を見てきたので来年僕らもがんばれると思う。今年は悔しい結果になってしまったが来年の箱根などは自分たちも結果を出してその後の競技や人生にも頑張ろうと思えるような結果を出していきたい。(来年度へ向けて)この結果を重く受け止めて、「その1秒をけずりだせ」「怯まず前へ」というスローガンをもう一度心に刻んで勝ちにこだわる執念を持ったチームをつくれれば良いと思う。

・10区 及川瑠音(総1=一関学院)

前の大学が1分くらい離れていたがいてギリギリ見える範囲でいたと思うのでひとつでも順位を上げようと思った。最初は落ち着いて入って追いつこうと思っていた。予定より最初の1kmが速く入ってしまった。そこから5kmはまぁまぁのタイムで行ったが5kmから10kmの5kmが余裕あるなと思ったが、余裕があった訳ではなくペースが落ちていた。そこから焦ってしまいきつくなって順位を落としてしまった。今まで走ったなかで、応援して下さる方がかなりいたので応援に応えたいと思って走ったがこういう結果になってしまった。次につなげられたら良いと思う。緊張は自分はあんまりしなかった。(監督からの指示は)23kmは長い。10区の1年生が自分だけだったので最初は突っ込みすぎなければいけると言われた。(大澤選手からタスキを受け取ったときは)順位は変わっていないが大澤さんが駒澤と離してタスキを渡してくれたので自分もその流れに乗って駒澤には負けたくなかった。離したかった。(10区に決まったのは)昨日の20時頃。ずっと走る気でいたし、走りたいと監督にアピールしていたのでやる気はバッチリだったが体が付いてこなかった。(初めての三大駅伝出走となったが)ここであまり良い走りができなかったので、次こそはリベンジしたい。(今年度のチームは)4年生が優しくて、時には厳しい時もあるが上級生が引っ張ってくれるというチーム。比較的1年生も先輩に付いて行きやすかった。下級生が結構強いというのもあるので来年度が楽しみ。(4年生へ向けて)4年生へは1年間通して感謝の気持ちでいっぱい。ここで本当なら恩返しの走りがしたかったができなかったので次に恩返しできるような走りができるようにしたい。(来年度へ向けて)今日から365日努力して来年こそは優勝を狙っていけるチームづくりをしていきたい。



TEXT=小島敦希

PHOTO=稲村真織、川口朋珠、岡村珠里、吉留奈津、加藤勇大、水越里奈