ATPの理事の1人ヘルウィグ・ストラカ氏が、ウェブメディアNZZのインタビューで、現在のATPツアーの賞金システムについて答えている。ストラカ氏はドミニク・ティーム(オーストリア)のエージェン…

ATPの理事の1人ヘルウィグ・ストラカ氏が、ウェブメディアNZZのインタビューで、現在のATPツアーの賞金システムについて答えている。ストラカ氏はドミニク・ティーム(オーストリア)のエージェントでもあり、「ATP500 ウィーン」のディレクターも務めている人物だ。そんな彼が「選手たちの不満は、彼らが得る賞金額が少な過ぎるということよりも、協会への不信感が大きい」と語ったと、Tennis World USAが伝えている。

「我々は責任を持ってお金を扱っていると言えないと思う。選手たちは、協会が彼らに隠れて利益を上げていると考えているが、それは事実ではない。そして、賞金額が5割しかアップしていないというのも正しくない。実際は約8割アップしている。選手たちは、もっと稼がないとやっていけないとよく訴えていた」とストラカ氏は述べた。

また彼は「“ATP500 ウィーン”は、日程的にはいい週にあると思うが、唯一の問題点はシーズンの終盤なので選手たちが疲れているということだ。今年は5人の選手が直前に出場を取りやめた。ツアーの年間スケジュールは満杯だが、大会が利益を上げている限り変更はないだろう」とも言っている。

「出場する試合数が多過ぎるというのも、事実と違う。以前、選手たちは年に30回トーナメントに出場していたが、現在はそれよりも少ない。最初に犠牲になるのはATP250の大会だが、我々はATP250大会をもっと魅力あるものにするため努力している。それらは我々のシステムの重要な部分だから。でもトップ10の選手たちはコンスタントにこの規模の大会に出場することはない」

彼のクライアントであるティームは、今年華々しい活躍をした。2年連続で「全仏オープン」決勝に進出、決勝では激しい接戦の末ラファエル・ナダル(スペイン)に4セットで敗れた。 「ATP1000 インディアンウェルズ」ではロジャー・フェデラー(スイス)に勝利し、ATP1000大会で初優勝。11月にはロンドンで開催された「Nitto ATPファイナルズ」で初の決勝進出を果たした。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATPウィーン」でのティーム(左)とストラカ氏(右)

(Photo by Martin Juen/SEPA.Media /Getty Images)