2019全日本大学女子選抜駅伝競走12月30日(月)富士山本宮浅間大社前〜富士総合運動公園陸上競技場総合10位 東洋大 2:28'54(43.4km)1区(4.1km) 渡辺早紀 13'26(13位通過・区間13位)2区(6.8km) 白川…

2019全日本大学女子選抜駅伝競走

12月30日(月)富士山本宮浅間大社前〜富士総合運動公園陸上競技場


総合10位 東洋大 2:28'54(43.4km)

1区(4.1km) 渡辺早紀 13'26(13位通過・区間13位)

2区(6.8km) 白川恵理菜 22'57(21位通過・区間24位)

3区(3.3km) 後藤藍子 10’51(21位通過・区間18位)

4区(4.4km) 伊東明日香 14’56(20位通過・区間15位)

5区(10.5km) 和田美々里 36’38(19位通過・区間14位)

6区(6.0km) 山口いずみ 20’49(17位通過・区間10位)

7区(8.3km) 田浦英理歌 29'17(区間1位)


初めて1区を任された渡辺


第1中継所 1区・渡辺(左)→2区・白川


第2中継所 2区・白川(左)→3区・後藤


第3中継所 3区・後藤(左)→4区・伊東


第4中継所 4区・伊東(左)→5区・和田


第5中継所 5区・和田(左)→6区・山口


ラストレースに全力を出し切る山口


7人をかわし区間1位でフィニッシュした田浦


チーム一丸となってレースに挑んだ


7区区間賞を獲得した田浦


 雨雲が富士山を覆う空のもと、2019全日本大学女子選抜駅伝競走大会(以下、富士山女子)が開催された。現在のチームで挑む最後の駅伝となる今大会に、東洋大は8位入賞という目標を掲げ出場。前半は遅れを取るも、7区の田浦(食2=ルーテル学院)が7人抜きで区間賞を獲得するなど怒涛(どとう)の追い上げを見せチームは10位でフィニッシュした。このレースに永井監督は「どんな流れでも諦めず前を追う姿勢は、来年にもつなげていきたい」と振り返り、今後を見据えた。


 1区を任された渡辺(食2=新潟中央)は流れを作るべく集団に食らいつく。全日本学連選抜が集団をリードする展開のなか、渡辺は13位で2区の白川(食4=常総学院)へタスキをつなぐ。9月に行われた関東大学女子駅伝対校選手権以来の駅伝出場となった白川は東洋大のユニフォームを着る最後のレースとなったが、思うような走りができず順位を落とす。21位でタスキを受け取った3区の後藤(食1=須磨学園)はスピード区間で前を追う。富士山女子では力の差を感じ課題の残る走りとなったが、1年生でただ1人今年全ての駅伝で出走した後藤の来年に期待がかかる。


 4区の伊東(食2=順天)は1人をかわすと、続く5区の和田(食3=順天)がさらに1人を捕らえ19位に浮上。徐々に勢いをつけ始めた鉄紺のタスキは、6区の山口(食4=順天)のラストレースらしい攻めの走りによりさらに順位を2つ上げる。最終7区の田浦は1カ月前に5000mの自己ベストを更新。絶好調の勢いそのままに富士の坂を駆け上がると7人を抜き去る力強い走りを見せる。17位で受け取ったタスキを、区間賞の走りで10位へ押し上げフィニッシュした。


 4年生のラストレースとなり、現在のチームで最後の駅伝となった今大会。目標であった8位入賞には届かなかったものの、“最後まで諦めない”という全員の強い想いが大きく流れを変えたレースとなった。今後について永井監督は「4年生の分まで結果を残して来年また頑張りたい」と意気込む。学年の垣根を超えて団結した今年の鉄紺女子の力は、来年以降も受け継がれていく。


■コメント

・永井監督

ここにくるまでに怪我人や風邪がでて少し練習ができない選手が多く出てしまった。最後の1週間くらいはみんなで練習ができて、それなりになんとか戦える動きになってから今日を迎えた。(風邪に関しては)鼻風邪や喉風邪が寮の中で流行ってしまった。注意していたことではあったが、1人出てしまうと一緒に生活をしているため広まってしまった。そういうところが戦う前から負けていたところかなと思う。(4年生について)この4年生が1年生のときに全日本女子大学駅伝対校選手権大会(以下、全日本)でシード権を獲得した。そのときに、この代が4年生になったときにはベスト3や優勝が狙えるようなチームにしたいなと思っていた。しかしなかなかそのような強いチームに導いてたげられず申し訳ないなという思いがある。また原子キャプテンを中心に下級生にも声をかけて、いいチームを作ってくれてたことに本当に感謝している。(田浦選手の区間賞について)前半の流れが悪くてこの駅伝はどうなってしまうのだろうと私自身も思っていたところだったが、サポートにまわった選手も沿道でタイムを測定している選手も、もちろん田浦自身もみんなが諦めなかった。それが田浦の走りに繋がったと思う。その点は田浦のみではなく、他の選手も褒めてあげたい。(10位という結果について)悪い流れから6区7区でなんとかいい流れに取り戻せたというところは、どんな流れでも諦めずに前を追うという姿勢は来年につなげたい。そして今度は必ず入賞したい。4年生のぶんまで結果を残して来年また1年間頑張りたい。全日本と富士山女子の2冠を目指す。


・1区 渡辺早紀(食2=新潟中央)

1区は東洋メンバーとして初めてだった。良い流れを作れるようにひたすらついて行くことだけを考えていた。(1区に決まったのは)12月半ばくらい。正式に監督から言われたのは1週間前くらい。流れをつくる役割でもあるので大分緊張するよなと思っていた。自分の力を出し切ろうと思っていた。(雨のなかのレースとなったが)晴れのレースの方が全然好きだが雨でもアップのときは小雨だったので影響はなかった。普段通りにアップできたし防寒対策もしっかりできた。レース中は雨も気にならなくて良いレースはできたのかなと思う。(監督からは)まずは落ち着いてと。そんなにプレッシャーに感じるのではなくリラックスしてと言われた。(10位という結果について)自分がタスキを渡した順位が13位で、先頭とも36秒差くらいあったので、流れを作りきれなかったなというのはある。あとは田浦に全部巻き返してもらう形になった。チーム全体の順位は10位だが、個人的にはもう少し粘れればなと思った。(今年1年を振り返って)1年生のときはけがで全部出られず、メンバーにもかすりもしなかった。しかし今年は順調にこれて、3つの駅伝全て走らせて貰えたので貴重な経験になった。駅伝では全部が初めてのレースだったので緊張とかもあったが、来年以降も走らせて貰えれば今年の経験も踏まえて緊張も和らいで走れるのかなと思う。それも自信になると思う。(来年は上級生となるが)今の状態では4年生、3年生についていくような、任せきりになっているが、上級生になったら下の学年の人たちにリラックスして走ってもらえるような走りを自分もしていきたい。(来年の意気込みを)来年はシーズン入ってから順調に大会を積んで駅伝にもつないでいけるように、この冬場からしっかりと基礎をつくって来年良い状態でレースができるように頑張りたい。



・2区 白川恵理菜(食4=常総学院)

4年間のラストレースとして4年生として走らなければいけなかったのに、区間最下位ということでチームに迷惑をかけてしまった。最後こそはと思い走ったが全然走れなくて、すごく申し訳ないという気持ちしか今は残っていない。この1年間はすごくきつかったなと思っている。1年間故障続きで走れないことが多かったが、ようやく12月に入り日体大記録会が終わってから少し調子が戻ってきた。しかしまだまだ力がなく、すごく弱いなという風に感じた。自分に対して甘すぎたかなと思う。(チームとしては)目標を8位にしている中で田浦が区間賞を取ってくれた。自分は2区という流れを左右する区間で外してしまった。その後の区間の選手達はもっと前でタスキを貰っていればもっといい走りができたと思うので、自分が流れを崩したことでこのような結果になってしまった。本当に申し訳ない気持ち。(エースとしてチームを引っ張ってきたが)この1年間は自分はエースというよりみんなについて行くのが必死で、4年生としての走りができなかったのが本当に心残り。この大会が東洋のユニフォームを着て走る最後の試合だったので、最後こそはこの1年間の悔しさを晴らせたらいいなと思っていた。しかしそれが全くできず、むしろこの4年間の中で1番良くないレースになってしまったのが悔しい。(後輩の選手に向けて)英理歌が区間賞を取ったことで、周りもこれから彼女についていけば強くなると思う。英理歌について行くだけでなく、英理歌を抜かすくらいの勢いでチーム全体で強くなって欲しいと思う。


・3区 後藤藍子(食1=須磨学園)

お世話になった4年生が調子上がってきていたし、走れなかった選手の分まで自分が頑張らないといけないと思って走った。(タイムと区間順位について)全日本とは違って自分がどこまで走れるかという感じでスタートしたが、まだまだだと感じた。(チーム全体の順位は)自分がもっと走れていればという感じだったので、もっと自分が頑張らないといけないと思う結果だった。これからもっと走り込んで、来シーズンいい形で迎えたい。(今後の目標は)今年は全部の駅伝走らせていただけたが、ただ走るという感じだった。2年になったら自分がチームの主力になるつもりで頑張りたい。


・4区 伊東明日香(食2=順天)

全日本では、チームに迷惑をかけてしまったので今大会では1つでも上の順位を目指そうと思って前を追った。思ったよりも寒くて、アップをしてちゃんと体を温めたはずなのにそのときには結構冷えてしまっていた。全体的に走りづらかったという感じはあった。(10位というチームの結果について)やはり最後の田浦に頼ってしまったという面が強い。これから田浦だけに頼らずにもう少し上の順位へいけるようにしたい。(来年はどのようなチーム作りをしていきたいか)今よりも上の順位を目指して、また少しでもチームに貢献できるような選手になりたい。(4年生に向けて)今の4年生にはすごく助けてもらって、今回こういう結果で終わってしまいすごく申し訳ない。今まで本当にありがとうございましたと伝えたい。



・5区 和田美々里(食3=順天)

まったく走れなかった。雨の中だったのでアップはしっかりするようにして寒さ対策とかは大丈夫だった。調子を合わせられなくて思うように走ることができなかった。(10位という結果について)アンカーの田浦がすごく上げてくれた順位みたいな感じでチームとしてはいい結果ではなかった。自分のところでもっと順位を上げられるような、流れを変えられるような走りができなかったので悔しい。(来年は最上級生となるが)今年は目標の有言実行が全然できていなかった。みんなあまり駅伝に調子を合わせることができずに臨んでいるという感じになってしまった。来年こそは自分もラストの年なので、しっかり走りでチームを引っ張っていけるような存在になって、駅伝では絶対に入賞したい。(4年生に向けて)チームをいい方向に明るくこの1年変えてきてくれたのでいなくなってしまうのは大きい。すごくいい土台を作ってくれたと思うので、自分たちの代が引き継いでいきたいと思う。


・6区 山口いずみ(食4=順天)

ラストレースだったので本当に自分の力を出し切ることだけを目標に頑張った。思った以上に後ろの方でのタスキリレーだったので、そこで焦ってしまった部分があった。(10位というチームの結果について)前半から全然いい流れで来れずに、7区田浦の区間賞があったからこその10位だった。田浦に大きな負担をかけたかなと思う。(4年間を振り返って)満足いく結果は出せなかったが、東洋で走れてよかったと思う。永井監督のもとでやれてよかった。(4年間で学んだことは)チーム力という部分。今のチームはとても仲が良く団結力もある。そういうところで1人ではできないこともチーム内でできたりするのをすごく感じた。(後輩に向けて)まだ区間賞を取った田浦も2年生で、今回1年生も走っている。来年以降は1、2年生中心の若いチームになると思うのでまだまだ成長できると思う。自分は競技を引退するが全力で東洋を応援したい。



・7区 田浦英理歌(食2=ルーテル学院)

順位が結構良くなかったので、最初から飛ばして少しでも前でゴールしたいと思って走った。レース中は1秒でも前でゴールすることを考えていた。(区間賞だが)初めての区間賞なのでうれしい。まさか区間賞だとは思っていなかった。びっくり。自信になった。(10位という結果については)チームの目標は8位入賞だったのでそこは悔しい。(今年1年を振り返って)今年は1年間の目標として自己ベスト更新とチームの駅伝に貢献することだった。どちらも達成できてうれしい。長い距離を徐々に走れるようになってきた。そこが去年とは違うと思う。(来年は上級生となるが)新入生も入ってくるので、自分が出来ることは走りで引っ張って行くことだと思う。走りで引っ張っていきたい。(来年の意気込み)来年こそは駅伝で8位入賞できるように頑張りたい。



TEXT=水越里奈

PHOTO=小島敦希、稲村真織、長枝萌華、両角あずさ、水越里奈