大坂なおみ(日本/日清食品)の「全豪オープン」優勝や、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)、ココ・ガウフ(アメリカ)といったニュースターの誕生など、多くの話題があった2019年女子テニス。今年も多…

大坂なおみ(日本/日清食品)の「全豪オープン」優勝や、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)、ココ・ガウフ(アメリカ)といったニュースターの誕生など、多くの話題があった2019年女子テニス。

今年も多くの名プレーが生まれたツアーの中で、今回は9月のWTA(女子テニス協会)月間ベストショットに選ばれた、モニカ・プイグ(プエルトリコ)の目の覚めるようなロブを振り返って紹介する。

このプレーが生まれたのは、9月の「武漢オープン」初戦。当時世界12位だった格上相手、アンジェリック・ケルバー(ドイツ)との試合だ。

第1セットのタイブレークで生まれたこのシーン。サービスを放ったプイグは、鋭いバックハンドのクロスで相手ケルバーを攻め立てた。相手の返球が浅くなったところを、前に詰めながらさらに攻撃したプイグ。しかし、相手の厳しいカウンターに合い今度は自分がやや苦しい状態に。

相手のカウンターを、身体いっぱい伸ばし何とか返球したプイグ。それが緩めの球となると、相手ケルバーは前に走り込みながら、空いたスペースに決め球を狙ってくる。

すると、プイグは相手の次のコースを読んだか、空いた自分の斜め後方スペースに一気にダッシュ。最後は身体を精一杯のばしてバックハンドロブを上げると、それが絶妙な高さとなり、見事相手コートの最も深いところに決まった。

ポイントが決まった瞬間、会場からは驚きのような歓声があがり、プイグはガッツポーズをつくった。

現在世界79位(ランキングは12月23日付け)のプイグ。ダイナミックなフォームから繰り出すストロークを武器とし、正面からの打ち合いならトップクラスが相手でも互角に戦う力がある。今回紹介した相手、元世界1位ケルバーとは過去3勝3敗のイーブンだ。

また2016年、当時世界34位だったプイグは「リオデジャネイロオリンピック」女子シングルスで金メダルを獲得し、プエルトルコ人としては史上初の金メダリストとなった。そのリオ五輪決勝でも、当時世界2位だったケルバーをフルセットの末に破っての優勝だった。

なおプイグは、大坂と2013年の下部大会・2016年のツアー大会で過去2度対戦していて、その時はどちらもストレートで勝利した。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「武漢オープン」でのプイグ

(Photo by Wang He/Getty Images)