第5回の日本学生氷上競技選手権(インカレ)直前特集は、上級生対談!今季は主力セットでの起用が目立ったFW前田悠佑(社3=東京・早実)、DF吉野泰平(社3=東京・早実)。そして今シーズンがラストイヤーとなったFW小澤田匠副将(スポ4=東京・…

 第5回の日本学生氷上競技選手権(インカレ)直前特集は、上級生対談!今季は主力セットでの起用が目立ったFW前田悠佑(社3=東京・早実)、DF吉野泰平(社3=東京・早実)。そして今シーズンがラストイヤーとなったFW小澤田匠副将(スポ4=東京・早実)、FWマッテオ・チェース(国教4=Camden Hills Regional High School)にリーグ戦の振り返り、そしてインカレへ懸ける思いを伺った。

※この取材は12月14日に行われたものです。

「インカレ(日本学生選手権)に向けて自分たちの目標が明確になった大会だった」(小澤田)


小澤田

――関東大学リーグ戦(リーグ戦)の振り返りから伺います。3位という成績でしたが、その点についてはいかがですか

小澤田 去年と同じでもっと上の順位を狙えただけに、みんな悔しい気持ちの方が大きかったのかなと思います。今回の3位という順位で満足した選手は誰一人いないと思いますし、それと同時にインカレ(日本学生選手権)に向けて自分たちの目標が明確になった大会だったかなと思います。

前田 去年と同じく最後は明治との一騎打ちでした。僕は去年最後の試合に出られなくてすごく悔しかったですが、今回は自分がしっかりと試合に出て負けたので、チームを勝利に導けるようなプレーができていれば結果が変わって優勝できていたと思うとまたすごく悔しかったです。最後のインカレは今回の悔しい気持ちを前面にぶつけて、優勝を取りにいきたいと強く思いました。

吉野 最後の試合だけでも勝てば優勝できるという状況だったので、そこを負けて3位というのはみんな悔しい結果だったと思います。インカレは一発勝負なので今回の結果は取りあえず忘れて、明治には(リーグ戦で)一回も勝っていませんが、全部勝って優勝できればなと思います。

チェース もちろん優勝したかったし、3位になって全日本(全日本選手権)も出ることができなかったです。俺とタクたちにとってインカレは最後の大会になりますが、優勝はできると思っています。

――明大をはじめ中大や東洋大といった他の上位校と、早大の差はどういうところにあると感じていますか

小澤田 いい点でいえばみんな一生懸命やるべきことを考えながらやるプレーが多いです。スタイルが4校それぞれ違うので違いはあると思いますが、差は全くないと自分は考えています。真面目な選手が多いとは思います。

前田 他の3校に比べると早稲田は僕たち早実出身が半分を占めていて、他校はスポーツ推薦で北海道(の高校から選手を)ばんばん取っている分技術的には相対評価として少し見劣りしてしまう部分はありますが、その一方で早稲田はそこをどう詰めたら勝てるかをすごく考えるチームだと思うので、一人一人の責任感がすごく大きいのではないかなと思います。

吉野 自分もタクさんと同じで、今年は上位4校の違いはあれど差はなくて、明治に勝つチームも勝てないチームもありました。早稲田の良さは団結力だと思うので、そういうところをどのチームが相手でも出していけたらいいのではないかと思います。

――今回のリーグ戦を通して、チームとしての収穫と課題は何だと考えられますか

小澤田 いろいろな選手が出場して、どの選手がどういうところで使える選手なのかや各個人の課題が分かったと思うので、去年と違っていろいろな選手を試して使えたことでチームとしての収穫は多かったかと思います。一方ころころと選手を入れ替えていた部分もあったので、チーム内で競争が生まれるのはいいことですが、ポジションを確立できていない選手が多く、チームのかたちが決め切れていないのかなとも思います。そういう課題を直してインカレを迎えられればと思います。

前田 去年はキルプレーを少なくしようと言っており、反則が少なかったと感じている反面、今年は1、2Pで反則がすごく多く、そこでキルになり疲れて足が動かなくなり、自分たちのペースが取り戻せなくなる試合がすごく多く感じました。この人数であれば反則をなくさないと上には上がれないと思うので、インカレでは極力反則を少なくして、いかに早く自分たちのかたちに持っていけるかが重要なのかなと思います。

吉野 下位チームに対して勝ち点を落とさず、自信になったのは収穫です。課題は先ほど悠佑が言ったように序盤が良くない試合が多かったので、序盤の立ち上がりだと思います。

チェース 悠佑と同じで1Pの反則が多い試合も結構あったと思います。インカレでは反則がないようにプレーしたらいい状況になると思います。

「課題を多く見つけたシーズンだった」(吉野)


吉野

――個人としてリーグ戦のプレーを振り返っていかがですか

チェース 俺は(リーグ戦には)出ていないので、インカレに出る機会があれば勝つためにプレーをしますし、多分出られないとは思いますが声を出して頑張っていきたいです。

前田 僕は秋リーグの最初の方は3つ目でアイスタイムもそんなになく、それでも自分のできることをやろうと思っていて、日大戦で得点を入れられたのは自分の中で「意外と点に絡めるんだ」と思えたのはすごく自信になりました。そして途中から1つ目に起用させてもらいましたが、青木さん(孝史朗主将、スポ4=埼玉栄)や泰平や務台(慎太郎、スポ1=北海道・駒大苫小牧)の足を引っ張っていると自分でもすごく感じていました。一選手として頼られるようにならないと1セット目の仕事はできていないと思うので、1セット目に使ってもらっている以上は点を取るなどチームが楽に勝てるよう試合を運べるようなプレーをしていけるようにならないといけないと思います。なので、インカレまでの練習でそこらへんを突き詰めていかないといけないと思いました。

吉野 自分も悠佑と同じく最初は3つ目でやっていて、悠佑と同じタイミングで1つ目に変わり最後までやっていましたが、3つ目と要求されるプレーが違うので、足らなさは本当に感じ、課題を多く見つけたシーズンだったと思います。

小澤田 自分は去年とプレーを変えているわけではありませんが、去年は自分のプレーで精いっぱいだった一方、今年はセット内で周りを見るようにしようと考えながらプレーしていたので、自分が今置かれているセットで求められるものは何かというのを去年よりも理解してプレーできているのかなと思います。

――個人的に一番印象に残った試合は何ですか

前田 僕は上位リーグの東洋戦()です。(リーグ戦)最初の2試合は負けていて苦手意識があって、東洋の速いプレッシャーや体の強さで当たり負けしており、最後まで相手のペースで流れていましたが、3試合目では自分たちのかたちで早く得点できて、そこから自分たちの足が動くようになり、得点を重ねて東洋が諦めるというかたちになったので、一番理想のホッケーで終われたと思っています。今まで勝てなかった相手でも早稲田のホッケーは通用するということを実感として得ることができたので、僕の中では印象に残っています。

小澤田 強いていうなら一次リーグの法政戦()です。その試合はベンチでずっと見ていて出ていませんでしたが、久しぶりに早稲田をチームとして客観視しました。その前の2試合も出ていなくて、そこの3試合を見た時に早稲田が一生懸命やっていること、自分の中での早稲田のプレーを再認識できて印象に残っています。

吉野 悠佑と同じで東洋戦()ですね。2試合負けていて自信はなくなっていましたが、試合に勝った後に悠佑とごはんに行き「勝ったね」と話しました(笑)。2試合負けていたゆえに勝ちが一層うれしかったのを覚えています。

――では一度競技から離れて他己紹介をお願いします。小澤田さん、前田さんと、吉野さん、チェースさんのペアでお願いします

小澤田 悠佑はホッケーで言ったら、シュートがうまくて、自分にないものを持っているかっこいい選手だなと思います。日常で言ったらどんな人にも分け隔てなく絡みにしていって関西人ぽいです。コミュニケーション能力が高いなと思うし、友だちもいるからすごいなと思います。自分は人間関係そこまで得意でないから、そういうところは尊敬しています。

前田 たくさんは高校から同じチームだったんですけど、小中からずっと知っていて足が速くてすごいガッツを持ってプレーするなと思っていました。今もコーナーバトルとかで感じるんですけど、パックの寄りが速くて相手に体を詰めるのがうまいなと思っていて、僕はコーチに「体入れろ」って怒られるんですけど、自分が怒られるプレーをたくさんはうまいイメージがあります。私生活だと華やかそうな生活を送っている感じなんですけど、意外と寮で寝てたり人間なんだなって思います。めちゃ後はめちゃめちゃ話が面白いので、チームのみんなの話の中心に常にいるという感覚で面白いことを話しているところにたくさんがいるなって思います。

吉野 チェースさんは体が大きくて、ゴール前バトルとかスクリーンに入る時の力強さはディフェンスしていても全然動かせなかったりとかして、本当に強くてすごいと思います。コーナーとかも、力強くパワーを感じるのでそういう部分がすごいと思っています。私生活は、あんまり部屋から出ないですよね?(笑)たくさんと同じで部屋にいるタイプです。この間部屋の前を通った時に英語で電話している声がしたので、彼女でもできたのかなと思っているところです(笑)。

チェース 泰平は、僕からすると基本的なところがすごくいいと思う、パスとか。シュートはちょっと弱いかもしれないけど(笑)。いつもシンプルにプレーをしているから、特に今年本当にうまくなったと思う。いつも笑っていて、いつもアイスホッケーを楽しんでいる方だと思います。

――では、マイブームは何でしょうか

小澤田 最近、華唯(杉本、スポ2=北海道・駒大苫小牧)と純希(篠田、スポ3=北海道・苫小牧東)がスポ根漫画にハマっていて、僕が結構そういうのが好きでいろいろ集めていて貸したりするんですよ。そういうことをしていると自分でも読みたくなって読むじゃないですか。それをすごく今読み返していて、それにハマっています。

――何がおススメですか

小澤田 『アオアシ』、『あひるの空』もそうですね。ここ最近で『スラムダンク』と『アオアシ』と『あひるの空』を読み返して、卒論がちょっと…(笑)。

吉野 自分は結構漫画もずっと好きで、よく読むんですけど、ラジオが好きかな。チームでラジオを聞くのが、たくさんと自分と大石さん(浩之、教4=東京・早実)で、たくさんはバナナマンの『バナナムーン』が好きで、おぎやはぎの『メガネびいき』が好きで、大石さんはオードリーとそれぞれ聞いているラジオを違うんですけど、風呂とかでラジオの話になるとちょっと3人で、お互いの推しているコンビの良さを話したりはします。それがブームですかね。

前田 社会ブームに乗ってみたいになるんですけど、昔から『STAR WARS』 が好きで、ロフトとかがスターウォーズコラボをすると何かと物を買っちゃったりしまう。今年の12月20日から、エピソード9があるので、

小澤田 告知?

前田 当日観に行く予定なんですけど、今年はスターウォーズが熱い年で、自分の中で小物とかキャラクターのおもちゃをちょくちょく買ってしまっている部分が僕のブームなんじゃないかと。

チェース ブームではないけど、俺も昔からスターウォーズが好き。釧路に行く前に新作を観に行きたいと思う。

――理想のクリスマスは

前田 送ったことない(笑)。

吉野 ずっと合宿(笑)。

小澤田 たしかにな。俺、来年からクリスマス暇なんだよ。

前田 じゃあちゃんと彼女を作んないと。

小澤田 そうなんだよ。クリスマスは彼女と過ごしたいですね。

前田 今クリスマスって言われて、さっきの質問すごいミスったなと思って、僕、アップルミュージックに最近入ったんですよ。元々クリスマスソングが好きで。最近は朝練で3時起きした時にクリスマスソングを聴いています。それも含めて理想のクリスマスはクリスマスソングが流れているアンティークなレストランで、彼女と食事をして音楽を楽しみたいです。

吉野 自分はたくさんと違って彼女がいるので、とりあえず彼女と過ごしたいですね。でも自分はプランとか考えたくないので、任せます(笑)。任せてどこかに連れていってもらいたいです。

チェース アメリカ人にとってクリスマスは家族のための日だから、今年は4年目の家族のいないクリスマスだから、来年は僕の家族と一緒に。僕は実は、アメリカとイタリアの二重国籍があるので来年家族と一緒にイタリアに行くと思う。楽しみにしています。

――インカレの話に移ります。インカレのヤマ場は、準々決勝の東洋大戦になると思いますが、そこで勝つためには何が必要だと思いますか

小澤田 東洋が上がってくるとも限らないんですけど、やっぱりインカレは一発勝負なのでさっき言ったみたいな相性みたいな話をしている場合でもなくて、一試合にどれだけ全力でどれだけ自分たちの今までを懸けられるかだと思うので。強い気持ちが大事です。

前田 僕は完璧なゲームプランかなと思います。反則しない。そして、早稲田らしく足を動かしてやったら絶対に東洋も嫌がると思うので、そこでしっかり着実に決めてやれば相手も気持ち切らして適当なホッケーになると思うので、まずは反則をせずに、いつも通りひたすらにパックに食らいついて体を張って、ゴールを目指すホッケーをすることだと思います。

吉野 一発勝負という場面なので、お互いに緊張するだろうし、勝ちたいっていう強い気持ちです。スポ根漫画から学んだんで(笑)。強い気持ちを最後に出した方が勝てると思います。

チェイス 優勝するために、全部の試合を大事にしないと思って、決勝戦に出る前に東洋戦、中央戦があるから、それも大事にしなければいけないと思う。

「(インカレでは)貪欲にシュートを狙ってネットを揺らせるように」(前田)

――インカレにご自身が出場された際のアピールポイントはありますか

小澤田 がむしゃらにやります。

前田 僕はリーグ戦で、第1セットであまり自分の持ち味であるシュートを生かせずに終わってしまったと後悔があるので、インカレは最後の機会なので出し惜しみせず、貪欲にシュートを狙ってネットを揺らせるように、最初から全力で点を取りにいきたいです!

吉野 インカレは一発勝負でミスが許されない試合になってくるので、安定したプレーを心掛けて、自分は結構緊張しいで不安ですけど、頑張ります。

チェース 注目してほしいのは声かな。

「(インカレに)出たら後悔のないようにしたい」(チェース)


チェース

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

小澤田 自分としては最後の大会で、ホッケー人生としてもこれほど本気でホッケーをやることは最後なので、大学4年間と自分のアイスホッケー人生18年間を全て懸けて戦いたいと思います。いい結果を残して、後輩にいいものを残して卒業したいと思っているので、頑張りたいと思います。

前田 僕は早稲田で優勝したいという思いがあって入ってきて、大舞台で優勝するにふさわしい大会だと思うので、そこでしっかり優勝して、リンクの真ん中で紺碧と校歌を歌えるよう、頑張りたいと思います。

吉野 自分たち3年生は、3年間お世話になった先輩が負けたら最後の大会なので、絶対に恩返しできるように一番先頭に立ってがむしゃらに体張るようなプレーをして、なんとしても4年生に恩返しできるような大会にしたいと思います。

チェイス 僕はホッケー人生最後の大会となって、試合に出るかどうかわからないけど、出たら後悔のないようにしたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 宇根加菜葉、小林理沙子)


ONE FOR BEER ALL FOR BEER

◆前田悠佑(まえだ・ゆうすけ)(※写真左)

1998(平10)年5月18日生まれ。177センチ。77キロ。早稲田実業高出身。社会科学部4年。今季はリーグ後半、第1セットに起用された前田選手。得意としているシュートはリーグ戦では影を潜めましたが、インカレではきっとネットを揺らしてくれることでしょう!クリスマスにほしいもの「手編みのニット」だそうです!

◆小澤田匠(こさわだ・たくみ)(※写真中央右)

1997(平9)年5月17日生まれ。165センチ。61キロ。早稲田実業高出身。スポーツ科学部4年。泥臭く足を動かし、パックに速く寄るという早稲田ホッケーを象徴するプレーの小澤田選手。「クリスマスにほしいものは「彼女」と言っていただきましたが、前の対談で行われた河田選手と被ったと聞いて取り消していました。

◆吉野泰平(よしの・たいへい)(※写真右)

1998(平9)年7月9日生まれ。169センチ。65キロ。早稲田実業高出身。社会科学部3年。今季、大きく成長を見せた吉野選手。シーズンを通して、層の薄いディフェンス陣の大事な戦力となりました。色紙のビールの絵を時間をかけ、こだわりぬいて描いてくださいました。クリスマスにほしいものは、「万馬券」だそうです!

◆Matteo Chase(マッテオ・チェース)(※写真中央左)

1998(平10)年3月8日生まれ。183センチ。82キロ。Camden Hills Regional High School出身。国際教養学部4年。リーグ戦は出場機会がなかったですが、インカレに出場することがあれば、「勝つためにプレーします!」と意気込みを語ってくださいました。ホッケー人生最後の大会で全てを出し切ってほしいです!