ロジャー・フェデラー(スイス)には、老若男女実に幅広い層のファンがいる。初めてラケットを握ったような6歳の子供から白髪の老人まで、みんなが自分を’FedFans’(フェデラーのファン)の一員と考えている。フェデラーは中南米ツアー中に、応援し…

ロジャー・フェデラー(スイス)には、老若男女実に幅広い層のファンがいる。初めてラケットを握ったような6歳の子供から白髪の老人まで、みんなが自分を’FedFans’(フェデラーのファン)の一員と考えている。

フェデラーは中南米ツアー中に、応援してくれている(多分)最年長の女性ファンに会い、彼女の長年の夢を叶えた。彼女の名はドロテアさん。アルゼンチンに住む107歳の女性で、フェデラーがプロツアーで初めてテニスボールを打った頃から、ずっと彼に注目してきた。ウェブメディアEssentially Sportsが報じている。

フェデラーがプロテニス選手になった時にはドロテアさんは86歳だった(1998年のことである)。「あなたがプレーする時、他に見る番組なんてないわ。どの番組を見逃してでもあなたを見るんだから」と、超ド級のファンである彼女はフェデラーに言った。

ドロテアさんはフェデラーと直接会ったことを振り返り、「彼は写真とは少し違って見えたわ。もっと若く見えたの。みんながフェデラーはもう年だからそろそろテニスをやめた方がいいと言う。馬鹿馬鹿しい、彼は全く老いてなんかいないわ。それは、何が老いているのか、何が若いのかが全く分かっていない人の言うことよ」と、フェデラーへの愛を語った。

10年前にフェデラーの「全米オープン」での連勝が41で途絶えてしまった時、批評家たちはフェデラーの引退について話し始めたが、ドロテアさんの方が正しいのかもしれない。それらのすべての“専門家”たちの意見を無視し、彼らの予想を裏切って、フェデラーは記録を更新し続けることができたのだ。批評家や大物たちがなんと言おうと、彼はこれからもテニスの歴史上、最も偉大なプレーヤーであり続けるだろう。

彼は究極の模範的な品格を備えており、スポーツの歴史上でも実に愛されている芸術家だ。もし長年のライバルであるラファエル・ナダル(スペイン)やノバク・ジョコビッチ(セルビア)に、フェデラーのグランドスラム最多優勝記録を破ることができたとしても、テニスのそれ以外の側面においてフェデラーを超えることはできないだろう。

フェデラーとドロテアさんの感動的な対面はESPNのドキュメンタリーとして南北アメリカ大陸で放映された。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年レーバーカップでファンとの交流をするフェデラー

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images for Laver Cup)