準々決勝は関東地区第6代表の筑波大との一戦。立ち上がりから主導権を握るが、相手守備を崩し切れず、0―0で前半を折り返した。迎えた後半9分にはPKを与えるが、GK加藤大のセーブで失点を許さず。そして39分に中村帆が頭で押し込みゴール。最後ま…

 準々決勝は関東地区第6代表の筑波大との一戦。立ち上がりから主導権を握るが、相手守備を崩し切れず、0―0で前半を折り返した。迎えた後半9分にはPKを与えるが、GK加藤大のセーブで失点を許さず。そして39分に中村帆が頭で押し込みゴール。最後まで1点を守り切り、準決勝へ駒を進めた。

 

 紫紺の守護神は歓喜の渦に包まれた。後半9分、自陣PA内で川上が気迫ある守備をするが、ファールの判定。「悔いしかなかった」(川上)。PK献上で絶体絶命の窮地を救ったのはGK加藤大だ。「大智(加藤)を信じるしかない」(瀬古)。相手の動きを読み取り、ゴール右隅へのシュートをはじき出した。「予測と駆け引きが完璧だった」(加藤大)。今季天皇杯2回戦川崎フロンターレ戦でも反応の早いプレーで、J1王者のシュートを封じ込めた加藤大。栗田大輔監督は「この1年でチームのために犠牲心が身に付いた選手。それがこのプレーを生んだ」と加藤大の成長ぶりに太鼓判を押した。その後は「(PKストップで)良い流れを呼び込んでくれた」(川上)。後半39分には中村健の正確無比なクロスを中村帆が頭で合わせゴールイン。試合開始から果敢に攻めるが「最後の質を高められなかった」(瀬古)と、なかなかゴールをこじ開けられない明大イレブン。そんな矢先の得点に「今までで一番のゴール」と紫紺の右SBは顔をほころばせた。

 準決勝の相手は関西地区第2代表の関西学大。西日本勢唯一の準決勝進出校と勢いある相手だが「これまでやってきたことを信頼して臨むのみ」(中村帆)。明大が培ってきたプレーを全面的に出し、必ず勝利を挙げて3冠へ王手を懸ける。

[佐々木崚太]

試合後のコメント

栗田監督

――今日の試合の振り返りをお願いします。

 「筑波大と我々のプライドがぶつかり合って、大学サッカーを象徴するような今年の1、2を争うゲームでした。一歩間違えたら我々が負けていたかもしれないで、勝負の際で今日はうちに転んだのかなと思います」

――クロスから得点が生まれました。

 「明治はサイド攻撃を徹底しています。サイド攻撃と中央が割れてきたら、そこに枚数をかけています。クロスに関しては本当に常日頃から上げるポイントを共有していて、あとは精度の問題だと思っています」

加藤大

――PKになった瞬間はどのような心境でしたか。

 「止められたらラッキーくらいでした。メンタル的にはそんな感じでしたが、止めたら流れが変わるのは分かっていたので、何とかして止めようという気持ちでした」

中村帆

――ゴールは冷静に決めました。

 「森下は左サイドを細かくつくれたりして、クロスまで上げてくれることは信じていました。後半は三苫が入ってきたので、自分はリスク管理で追われていましたが、そういう一発は、中村健が入ってからは自分も狙いは定めていました。中村健のクロスがほとんどだと思っていますが、慌てることなく決めることができました」

川上

――次戦に向けて意気込みをお願いします。

 「チーム全体として勝てたので各々の立場で明大らしくやって、全員で勝ちたいと思います」