全日本学生選手権(インカレ)で3位入賞の岩澤侃(スポ4=秋田商)、内閣総理大臣杯全日本大学選手権2位入賞の米澤凌(スポ2=秋田商)、そして東日本学生秋季新人選手権優勝の島谷侃(スポ1=秋田商)による、秋田商業高校出身トリオの対談。直属の先…

 全日本学生選手権(インカレ)で3位入賞の岩澤侃(スポ4=秋田商)、内閣総理大臣杯全日本大学選手権2位入賞の米澤凌(スポ2=秋田商)、そして東日本学生秋季新人選手権優勝の島谷侃(スポ1=秋田商)による、秋田商業高校出身トリオの対談。直属の先輩後輩だからこその高校時代のお話や関係まで3人に伺った。

※この取材は12月10日に行われたものです。

「(岩澤は)まじで頼もしい」(米澤)


2年連続で天皇杯出場を決めた2年生の米澤

――今季を振り返って印象に残っている試合はありますか

岩澤 一番印象に残っているのはリーグ戦(東日本学生リーグ戦)です。チームではもちろん優勝を目指していたのですが、結局、優勝はできませんでした。体制がある程度変わって、「4年生が引っ張るぞ」という感じだったんですけど、出場した4年生、出場できなかった人も含めて4年生が引っ張りきれず、黒星続きになってしまいました。スコア的にも4年生が勝てばみたいなところがあったので、いい意味でも悪い意味でも一番印象に残っている大会です。

米澤 同じく、リーグ戦です。新体制になってから初めての団体戦で、そこに重点を置いてやってきていたので、3月くらいからみんなの意識はまとまってリーグ戦に向かってやっていました。惜しくも4位で、ベスト8の壁は超えたんですけど、4位に終わってしまって、リーグ戦には悔しい気持ちがあります。また、来年頑張りたいという気持ちです。

島谷 自分はこの前の新人戦(東日本学生秋季新人戦)です。けがをして、練習とかも端っこでトレーニングをしていて、みんなの練習を見ているだけという感じで、悔しい思いというか辛い思いをしていました。実質練習に戻れたのが9月で、練習に参加したのは2ヶ月くらいだったので、新人戦で自分の実力がどのくらい通用するか不安だったんですが、先輩に教わってきたことを出せて優勝できたのでうれしかったです。来年度、リーグ戦とかで使ってもらえるように頑張っていきたいと思います。

――3人は同じ秋田商業高校の出身ですが、高校時代から接点はありましたか

岩澤 (島谷とは)かぶってはないです。でも、俺の1個下に兄がいるし、俺の妹が今高3で(島谷と)1個違いで、兄弟の接点はあるので、つながっています。あと、お母さん同士も仲良さそうです。(島谷の母は)いいお母さんだっていつも言っている気がします。

島谷 中学校の時に秋田商業が参加している合宿に参加させてもらって、その時に(岩澤と)ちょっとだけやってもらいました。

岩澤 (米澤は)兄さんがいて、弟が入ってくると聞いていたので、また強い人が入ってくるんだろうなと思っていました。そうしたら、思ったように強くて、俺の同期の人が高校時代に負けていたし、頼もしい後輩という印象でした。

米澤 (岩澤は)まじで頼もしい。高校生になってオーラはありました。練習もやってもらっていたんですけど、めちゃめちゃ強くて、足を取っっても動かないというくらいでした。それでタックル入るの怖くなっちゃって。それくらい強かったし、オーラがありました。(島谷は)同じ寮でした。(島谷の)お兄さんを知っていたので、お兄さんよりは大人しいなと。

岩澤 あんまり似てないよね。

米澤 似てないすね。もうちょっと出してきていいのにと(笑)。

島谷 (米澤は)高校に入る前からすごく活躍していたので、憧れていました。高校のうちに先輩みたいな結果を出せるように頑張りたいなと思っていたんですが、厳しかったですね。印象は優しい感じでした。自分の1個上の先輩にすごく怖い先輩がいたんですけど、その先輩に比べたらすごく優しい先輩でした。

――高校時代は厳しかったのですか

島谷 入学したてはすごく厳しくて、やっていけるかなと思ったんですが、優しい先輩もいて。みんな優しかったので、なんとかやってこられました。

――次に、他己紹介をお願いします

島谷 (岩澤は)すごい妹思いで、溺愛している感じがします。

岩澤 そんなにしてる?優しい方かもしれないけど。

米澤 (岩澤は)本当に優しいし、人思いな先輩ですね。

岩澤 普通に生活していて、優しいとか思われているなら、良かったなとシンプルに思います。(米澤は)普段部屋が一緒なんですけど、ずっと動画を見ているんですよね。で、「一人でそんなに笑う!?」みたいな。友達と一緒にいて波長が合って笑うとかなら分かるんですけど、「そんなに面白い!?」ってくらい(一人で)バカ笑いしていて、その辺は人と違うなと思います(笑)。いいところだとは思います。楽しそうだなと。びっくりするけど、ここまでくると慣れますね。

米澤 面白いので笑っちゃいますね。あんまり意識していないんですけど、吹き出すような笑いはしちゃいますね。最近は暇なときはテレビを見るよりも、YouTubeを見ています。

島谷 今の話を聞いて思い出したんですけど、高校の時から一人で変な奇声を発したり、一人で変なリズムを刻んで歌っていたり、一人でも楽しそうにしているなという印象はあります。高校の時から「そこで声を上げる!?」みたいな(笑)。

米澤 怖い怖い。変な印象つくから(笑)。

岩澤 米澤兄弟のちょっとした共通点ですね。

米澤 やばい奇声じゃないです。楽しいような感じです。

岩澤 めちゃめちゃキー高いです。

――試合中はあまり感情を表に出すイメージはないですよね

岩澤 (米澤は)レスリングと日常が違うんですよ。

――島谷選手の他己紹介をお願いします

岩澤 (島谷は)仲いい人を見つけたらひたすらに絡むと思います。例えば4年生だったら、松本直毅(スポ4=神奈川・横浜清陵総合)とかはすごい好きなんですよね。だからすごい絡みにいってて。逆に同部屋の宇井(大和、スポ4=和歌山・新宮)とかは遠慮して何にも喋れないみたいになっていて。すごく人を選んでいます。

島谷 そういうわけではないんですけど、初日とかも全然喋らなかったので、こういう感じなんだと。一人の世界観みたいな、もの静かなオーラがあるので、あんまり話しかけられないですね。でも、最近は他の先輩が部屋に入ってきたりすると話題が生まれるので、話したりしますね。

米澤 人を選んでいるというのもあって、俺にはあんまり出していないなと。もうちょっときてほしいなと。

島谷 ちょっかい出してほしいみたいな感じですか?

米澤 いや、ちょっかいではない(笑)。いじってるな(笑)。

――松本選手に対してはいじったりするのですか

島谷 いじるという感じではなくて、あの人が結構絡んでくれるので、そのノリに合わせて自分もやるみたいな感じです。

――部内で小西拳選手(スポ2=岩手・盛岡工)のモノマネが流行っていると伺いました。山崎祥平(商1=茨城・土浦日大)が、「一番ひどいのは島谷だ」とおっしゃっていました

岩澤 裏でやっているんですよ。

島谷 祥平(山崎)はすぐ人を売って自分は逃れようとしているので、売られた感はありますね。

米澤 でも、(島谷は)彩天奈(小玉、社2=高知東)のマネもできるらしいです。

島谷 モノマネとは言えないくらい低いレパートリーです(笑)。自分はやってと言われてやるみたいな。でも、祥平(山崎)は常日頃の声がそうなっちゃうみたいな。それを考慮したら祥平の方がひどいかなと思います。

――試合前の験担ぎはありますか

岩澤 駒沢(体育館)だったら、駒沢の自動販売機でアイスココアを買って飲みます。計量が終わってからです。ポカリとかを飲んだ方がいいんだろうなとは思うんですが、なんか(ココアを)飲んでいます。験担ぎとは思っていないんですが、ルーティーンみたいな感じで自然とやっています。甘いものは好きです。ココア飲んで大福食べたりみたいな。

米澤 バナナ食うくらいです。音楽はあんまり聞かないですね。

岩澤 音楽とかは聞かないです、できるだけ試合直前までLINEとかするようにしています。3試合前くらいまでは普通に携帯でLINEとかするようにしています。

米澤 全然携帯はいじらないです。平常心を保つためかもしれないです。なんのためというよりそれが当たり前というか日常になっています。

島谷 薬局とかに売っているブドウ糖という角砂糖みたいなのを試合の前とか試合の合間に食べます。中学校くらいの時に親に「これ食べるといいよ」と言われて、効果はよく分からないんですけど、中学校から食べていて、今でも続いています。

――減量する際は、いつからどのようにして減量しますか

岩澤 10日くらい前から6キロくらいを10日間で落としています。はじめは脂質とかを控えるようにして、練習前とかにだけおにぎりを食べて、夜は炭水化物は食べないようにしています。それを徐々に減らしながらやっていって、3日前くらいになってから水分を減らしていって、最後に汗をかくっていうシンプルなのをやっています。格闘家はそんなもんだと思います。

米澤 自分は減量がないんで、前日の朝は食べないで、昼は普通で、夜はいっぱい食べるという感じです。次の日に何となく力が出るかなということで夜はいっぱい食べます。

島谷 自分はこの階級になってから減量するのが初めてで、こないだの試合は2キロオーバーで侃さん(岩澤)と一緒で食事で油物を抜く感じで、全体的に量を落とすという感じでした。今回は57キロに初めて落とすということでちょっと不安があるので、先輩に聞きながらやろうと思います。

――試合後のご褒美はありますか

米澤 俺はひたすら寝ます。次の日とかはひたすら寝ます。昼くらいまで寝て、ずっとダラダラみたいな。予定があれば行くんですけど、予定がなかったらずっとゴロゴロしています。

岩澤 次の日の夜とかはお酒を飲みます。その日に部で打ち上げがあればみんなで飲むけど、ないときは飲みに行きます。飲んで、次の日は昼くらいまで寝てみたいな感じです。量は中の上いかないくらい。普通くらいです。ジョッキ3杯で潰れます。基本は生ビールが好きです。最近は緑茶ハイが飲みやすくて好きです。

島谷 こないだの大会が終わってからここ2週間くらいですごいマックに行っちゃって5回くらい行きました。

岩澤 やばいな(笑)。

島谷これから減量なのにやばいなみたいな危機感があります。特別好きというわけではないんですけど、試合の前は食べられないので、解放されたら食べとかないともったいないなという感じがして行っちゃいました。

――お気に入りのメニューはありますか

米澤 スマイル(笑)?

一同 (笑)。

島谷 頼んだことないですよ(笑)。

岩澤 スマイルだけもらって帰る(笑)。それが5回だから(笑)。

島谷 お気に入りはアップルパイとか。こないだ朝マックに行ったらマフィンがおいしかったです。日曜日は寮のご飯が出ないので、コンビニとかに行くんですけど、祥平(山崎)と寮出て、「マック行っちゃう!?」みたいな。

岩澤 ヤバイでしょ。練習前にマック行ったら(笑)。

島谷 早慶戦の日であんまり練習もなかったので、いいかなみたいな。

――お酒はお好きですか

米澤 あんまりお酒は得意ではないんですけど、そういう場は好きですね。

――部内で一番飲む方はどなたですか

岩澤 弥十朗(山﨑、スポ4=埼玉栄)じゃないかな。飲む量もそうだけど頻度も。量でいったら直毅(松本)もすごい飲めるけど、頻度でいったら弥十朗がダントツだと思います。

――では反対にお酒に弱い方は

岩澤 凌(米澤)とかはすぐ真っ赤になりますね。

米澤 でも真っ赤になってからしぶといですよ。

岩澤 全然飲めるんですけど、すぐ顔に出るみたいな。

プライベートの過ごし方は?


普段の生活について話す1年生の島谷

――オフの日は外に出る派ですか?どのようにして過ごしていますか?

米澤 外に出る派です。俺は買い物だったり、映画だったり、散策みたいな感じです。映画は最近は『アナと雪の女王2』に行きました。半分以上は寝ていたので、面白かったかは分からないです。映画は月に1回行くか行かないかくらいです。『ジョーカー』も見ました。あれは面白かったです。

岩澤 外に出ます。はしごとかです。夕方くらいから。オフに毎回行っているわけではないけど、はしごは好きですね。3軒くらい。映画はコナンを見ますね。ヒーロー系が好きで『アベンジャーズ』見ました。エンドゲームはやばいです。あれは最高傑作ですね。

島谷 半々くらいです。映画は年に何回見るかくらいですね。最後に見たのは『ライオンキング』です。後は友達に勧められて『フォルトゥナの瞳』を見たんですが、微妙でした。映画は映画館だったら大丈夫なんですけど、テレビだったら寝ちゃいますね。(オフの日は)帰ったら寝て、夕食まで携帯いじるみたいな。でも、自分は授業が詰まっていて、オフがあんまりないです。日曜日の午後しかオフがないのであんまり出かけられないです。木曜は全休なんですけど、午後は練習あるので出かけるのもめんどくさいなという感じで。テレビは同部屋の大和さん(宇井)がつけていれば見るんですけど、先輩がつけていないとつけにくいじゃないですか。

岩澤 そこまで気にする(笑)?

島谷 後、消すタイミングも分からないので、自分からはあんまりつけないです。寝てるのか寝てないのか分からなくて、自分が消していいのかが分からない。携帯でYouTubeを見たりしています。東海オンエアとか見ます。レスリングを見たりもします。コーチからも見るようにと言われているので。後は漫画とか。

――岩澤選手と米澤選手はテレビは共同ですか

米澤 使わせていただいています。

岩澤 凌(米澤)はあんまテレビ見ないよね。

米澤 『水曜日のダウンタウン』くらいです。

岩澤 俺もテレビ見たいからというよりは、音が欲しくてつけている感じです。この番組を見るぞみたいなのはお互いにないので、チャンネルの取り合いはないです。

米澤 最近、夜中に松本さんが来て「ゲームやるぞ」って言って、「15分だけ」とか言って1時間半くらいやっていました(笑)。めちゃくちゃしつこいです。

岩澤 部屋からうわーみたいな声がめっちゃ聞こえてくる(笑)。

米澤 それ俺やん(笑)。

岩澤 俺はその日バイトで帰ってくるのが遅かったんですけど、帰ったら叫び声みたいな。小西と三人でスマブラやってすごい盛り上がっていましたね。どっちも負けたら終わらないので、全然終わらないみたいな。

米澤 特に松本さんがしつこいんです。

一同 (笑)。

――どちらが強いんですか

米澤 僕です。

岩澤 これめちゃくちゃ(笑)。

島谷 ムカつきますよね(笑)。

米澤 僕はマルスというキャラを使います。松本さんはピカチュウしか使わないです。あの感じでピカチュウしか使わない(笑)。

岩澤 ピカチュウって誰が使っても強い感じする。

米澤 ちょっと卑怯ですよね。

岩澤 めちゃくちゃ楽しそうですよね。

――他にやるメンバーはいらっしゃらないんですか

米澤 小西ぐらい(笑)。

岩澤 だから帰ってきたら体でかいやつが2人俺の布団の横に座ってて、すごいですよ密度が。2人いるだけで。まあ学生寮の醍醐味ですよね。

――好きな芸能人はいますか

米澤 千鳥ですね。『相席食堂』とか『テレビ千鳥』とかスマホでいつも見ています。

島谷 好きな女優は松岡茉優とか小松菜奈とかですね。

岩澤 最近は田中みな実がめちゃめちゃ好きです。

米澤 芸能人は原宿で山本舞香にあったことあります。あと、カズレーザーとか。

岩澤 僕はザブングルの加藤に会ったことあります。

米澤 こないだそこ(駒沢)に鈴木福くんいたらしいです。龍馬(安楽、スポ2=山梨・韮崎工)会ったらしいです。

――練習中はどんな曲が流れていますか

島谷 祥平(山崎)のときはアイドルかアニソンですね。自分たちは3人全員流したくなくて、毎日じゃんけんで決めています。負けたらその人がやるみたいな。2日連チャンとかになって、今日流したくないなというときは、龍馬さんに「すみません、今日音楽やりませんか?」ってお願いしています。そうするとヒップホップ系になります。自分はみんなが知っている明るい曲を入れています。知らない曲とか急に流れても何これってなるので、当たり障りのない曲を流しています。「練習」という名前のプレイリストで(笑)。

――普段はどんな音楽を聴きますか

岩澤 俺は普段あんまり聞かないですね。

米澤 自分はヒップホップです。Spotifyでテキトーに音楽を流してます。

島谷 自分は練習中に流しているような、洋楽からJ-POPからアイドルからいろいろですね。

――マイブームはありますか

岩澤 ずっと家計簿アプリをやっています。ブームじゃないですね。2年か3年前くらいからずっとやっています。社会人になったら絶対に金貯めようと思って、準備段階です。

島谷 マイブームというか、暇なときは祥平(山崎)の部屋に行ってダラダラしています。歩夢(鈴木、スポ1=埼玉栄)も来て三人で集まってだらだらしています。土日とかも昼ご飯が出ないので、毎週のように三人で食べに行きます。たまにどっか行こうってなるときがあるんですが、だいたいは馬場のどっかです。

米澤 ブームはないですね。特にこれといったものはないです。

――部内で流行っていることはありますか

岩澤 無いですね。全然思い浮かばない。一部で小西のモノマネはめちゃめちゃ盛り上がっています(笑)。

――重量級がいじられキャラなんですか

岩澤 そうなのかもしれないですね。優しいんですよねやっぱり。大らかというか。実際に話しても優しいので。直毅(松本)にしろ。小西は優しいと思うし、穏やかだし。

米澤 穏やかすぎだろ。

岩澤 祥平(山崎)は重量級だけど、あれはどうなんだ。

島谷 たまにスイッチが入ると自分でも怖いなと思うときがあります(笑)。こないだ桜井玲香さんの写真集のお渡し会があったんですけど、その人が(写真集に)素手で触っているので、「お前、これだけには絶対触るなよ」「触ったらぶち殺すからな」みたいな。すごい厳しいです。後、音楽決めるじゃんけんするときに、たまに授業とかで朝から使っていて充電がないときがあるんですけど、「今日充電ないからじゃんけんできない」っていうと「お前、前から充電器持って来いって言っているだろ」みたいな感じで。今日も15%くらいで、「できないかも」って言ったらキレられました(笑)。お渡し会の時は一人だけ秒で帰っていましたね。

「目標は表彰台」(岩澤)


早稲田最後の大会への意気込みを語る岩澤

――お互いのプレースタイルの印象を教えてください

島谷 (岩澤は)早いです。気がついたら足を取られているみたいな。早すぎて視界からいなくなるので見えないです。うまいです。高校時代から先輩の活躍を見ていて、大学入ってからも追い付きたいなと思っているので、結構(練習を)お願いすることが多いです。

米澤 『THE秋商』って感じです。堅実に組み手をやってタックルしてそこからアンクルみたいな。秋商スタイルだなって感じです。

岩澤 うれしいです。あんまり変わったプレーとかしないので、基本的なところが取り柄だと思っているので、そう思ってもらえていたらうれしいですね。(米澤は)組み手がうまいし、ぐにゃんみたいな予想外の動きも多くて、面白いレスリングをするなと。階級は違くても練習はします。すごい崩されて、一番疲れさせられるプレースタイルだなと思います。

島谷 組み手がうまいというのと、体も柔らかいので、防御もうまくて全体的にトップレベルだなというのがあります。一緒に組むとポイントも取れずにただやられるだけで、強いなという印象です。

米澤 めっちゃうれしいです、こんなに褒められることないので、バテてくれていてうれしかったです。

岩澤 (島谷は)秋商のスタイルは引き継がれているというか秋商のスタイルを元にレスリングをしているなと。復帰してそんなに経っていないけど、龍馬(安楽)とかとすごいやってるから、龍馬っぽい変則的なふにゃふにゃとした組み手も今、試してやっていて、秋商スタイルに加えて、変則的なのもあるから、すごくやりづらいなと思います。強いです。

米澤 まさにその通りで、秋商スタイルをやりつつ、組み手の中のカウンターみたいなのも備わってきていて、すごく持ち味だなと思います。

島谷 うれしいです。(安楽から)「やろうよ」と言ってもらって、組み手だけでもバテさせられてポイントも取れないんですけど、先輩の技を受けたりして、こうやってやるんだみたいな。アドバイスとかもたまにもらっていて、教えてくれるんで、高校までにあんまり習わなかったことも吸収できてすごく勉強になります。

――岩澤選手は早大での4年間を振り返って、悔しかった試合、自信になった試合はありますか

岩澤 4年間で一番悔しかったのはやっぱり今年のリーグ戦ですね。1年生の時のインカレ(全日本学生選手権)もたまたま3位に慣れて結構通用するのかなみたいな自信は付いたんですけど、そこからけがをして1年くらいやっていなかったので、復帰した後の内閣(総理大臣杯全日本大学選手権)で2番に慣れたときに、まだ戻れるなみたいな前より強くなれたかなと思えました。悔しかったのはリーグ戦で、自信になったのは3年の内閣です。

――米澤選手はいかがですか

米澤 今年のリーグ戦です。74キロ級で全部出て全部勝てたので自信になりました。

――島谷選手はリハビリ期間はどのような思いで過ごされましたか

島谷 同期とかが活躍しているのを見て、高校時代から二人は強くて自分はあんまり実績もなく入ったんですけど、二人が年上の選手にも物おじしない実力を発揮していたので、すごいなと思って、自分も負けてられないなというか、追い付きたいなという感じでずっと見て、筋トレをしていました。この前の新人戦は3回戦で、インターハイで1点も取れずに負けた相手に勝てたので、本当にたまたまだったんですけど、早稲田に入って少し実力が追い付いたのかなと思ってすごくうれしかったです。

――最後に、天皇杯全日本選手権への目標をお願いします

岩澤 天皇杯の目標は表彰台です。レスリング人生最後の試合になるので、体とかは本調子ではないところもあるけど、最後に悔いを残さないように調子を上げていって、今までやってきたことをやり切って、けがをしないように大会を終えたいと思います。

米澤 目標は優勝です。オリンピックの非階級なので、そのチャンスはないのでそこを生かして頑張ります。

島谷 ずっと憧れていた舞台で試合ができるので、まだ実力は全然ないんですけど、強い選手から1点でも取れるような試合ができたらなと。運が良ければ侃さん(岩澤)とも当たることができるので、当たったら勝つくらいの気持ちで頑張りたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材 北﨑麗 編集 望月清香 写真 町田華子)


秋田商業高校の強いつながりを感じる対談でした!

◆岩澤侃(いわさわ・すなお)(※写真右)

1997(平9)年5月18日生まれ。164センチ。秋田商高出身。スポーツ科学部4年。後輩2人に自ら質問するなど場を盛り上げてくださっていた印象だった岩澤選手。色紙には、『凡事徹底』という、当たり前のことを徹底的に行う意味を表す四字熟語を書いてくださり、真面目な岩澤選手らしさが溢れていると感じました!

◆米澤凌(よねざわ・りょう)(※写真中央)

1999(平11)年5月20日生まれ。173センチ。秋田商高出身。スポーツ科学部2年。東日本リーグ戦での全勝や全日本大学選手権2位入賞など今年も活躍を見せた米澤選手。部内では安楽選手とともに部の方をよくいじっているそうです。対談の際もたくさん笑わせてくださいました!

◆島谷侃(しまや・すなお)(※写真左)

2000(平12)年6月28日生まれ。167センチ。秋田商高出身。スポーツ科学部1年。早稲田入学のときから怪我を負い、実戦から離れていた島谷選手。しかし、先月末に行われた東日本学生秋季新人選手権で見事優勝を果たし全日本の切符をつかみました。憧れの舞台への『初陣』に臨みます!