戦いの幕が開けた。インカレ初戦は中京大との一戦。チームの大黒柱・佐藤亮主将を前日の練習中のアクシデントにより欠いた中、狩土名と佐藤凌が2トップで先発。まさにその二人でチームの全得点を生み出すと、守備面でも全員の体を張った守りで相手を寄せ付…

 戦いの幕が開けた。インカレ初戦は中京大との一戦。チームの大黒柱・佐藤亮主将を前日の練習中のアクシデントにより欠いた中、狩土名と佐藤凌が2トップで先発。まさにその二人でチームの全得点を生み出すと、守備面でも全員の体を張った守りで相手を寄せ付けず。ベスト8進出を決めた。

 2年連続初戦敗退の〝鬼門〟インカレ。明大の戦いが始まった。序盤は相手の厳しいマークに遭い、なかなか攻撃に持ち込めない。「相手が予想以上に前線から上げてきた」(栗田監督)。しかし、徐々にペースをつかみ始め相手陣地内でのプレーが増える。迎えた前半25分、試合が動く。PA(ペナルティエリア)内で流れてきた浮き球に狩土名が反応。左足を振り抜き、ゴール右隅に突き刺した。前半終了間際の44分には中村健からのクロスに反応した佐藤凌が頭で合わせ追加点を奪取。「『お前が決めろ』と主将から言われていた」(佐藤凌)。2トップが期待に応え前半を折り返した。

    後半も攻撃の手が緩むことはない。後半15分、狩土名が相手のクリアミスからボールを奪うと、最後は左足で冷静に流し込んだ。「運もあるが、重要なゴールになったと思う」(狩土名)。決定機をモノにし、流れを確たるものとした。3点をリードした終盤も集中力を維持し、90分で許したシュートは1本と安定した守備を披露。リーグ戦第16節の駒大戦以来、7戦ぶりとなる公式戦完封勝利を収めた。

 「インカレでは勝てない」ジンクスを打ち破った。今季の明大を象徴するプレイヤーである、佐藤亮を欠きながらの快勝。誰が出ても勝てるサッカーは完全に証明された。だが「今日の試合は忘れて次に切り替えたい」(常本)。3冠を目指すチームにとって、初戦は通過点。「戻ってくるまで亮の思いを背負って戦う」(加藤大)。自信を胸に次戦、筑波大に挑む。

[市瀬義高]

試合後のコメント

栗田監督

――試合前はどのようなお話をしましたか。

 「インカレに臨む姿勢や部としての共通認識をそろえました。明大は学年関係なく全員が全力で取り組めるということを全国の場でアピールしようと話しました」

加藤大

――今試合キャプテンとして臨みましたが、プレッシャーはありましたか?

 「亮の代わりにキャプテンマークをつけましたが、いつも引っ張ることは意識しているので、特にプレッシャーはなかったです」

安部

――ボランチとして、周りを生かすプレーは意識しましたか。

 「味方との連携は練習中からも意識してできていて、練習の成果をそのまま出すことができたと思います」

狩土名

――インカレにかける思いを教えてください。

 「自分が活躍したい気持ちもありますが、4年生に勝って終わってほしい気持ちの方が強いです。特に亮さんは苦しい時に毎回救ってくれました。そんな人が報われないのはすごく悔しいので、その意味でも3冠は取りたいです」

常本

――次戦への意気込みをお願いします。

 「今年はここまで2冠を取っていますが、Jリーグ内定者も多く、勝たなくてはいけないチームだと思います。今年は明治の年だと言われるようにいい準備をして、次に臨みます」