大学選手権前に組まれた法大との練習試合。両チームとも下級生主体のチーム構成となった。試合開始3分に相手ゴール前のFW戦からトライを挙げると、BK陣も個人技を駆使し次第に点差を広げていく。最終的に2トライを喫したものの、明大は15トライを奪…

 大学選手権前に組まれた法大との練習試合。両チームとも下級生主体のチーム構成となった。試合開始3分に相手ゴール前のFW戦からトライを挙げると、BK陣も個人技を駆使し次第に点差を広げていく。最終的に2トライを喫したものの、明大は15トライを奪い完勝。紀伊遼平(営1=桐蔭学園)や武内慎(商1=石見智翠館)といった下級生も活躍し、来季に向けて十分の選手層を印象付けた。

◆12・14 練習試合(八幡山グラウンド)

▼対法大C戦

 ○明大93{46―5、47―7}12法大

 試合開始直後の猛攻が実を結んだ。前半3分、相手ボールをターンオーバーし敵陣に攻め込む。ゴール前での展開からナンバーエイト大石康太(営2=国学院久我山)が抜け出し、サポートしていた右プロップ辻龍哉(政経3=流経大柏)にボールが渡りそのまま中央にトライ。スタンドオフ高岩裕一(営2=明大中野八王子)がコンバージョンを沈め、7―0とする。14分には右ウイング加藤樹大(商2=茗溪学園)がタッチライン際を駆け抜け一気に敵陣深くまで攻め込む。最後は高岩からパスを受けた武内が決め19―0と点差を広げていった。46―5として折り返した後半は大幅にメンバーをチェンジ。葛西拓斗(営1=流経大柏)や永友利玖(情コミ1=国学院久我山)といった若い選手たちもピッチで躍動し後半だけで7トライ6ゴール。最終的に93―12と大勝し、大学選手権を控えたチームを勢いづかせる結果となった。

 今回の試合では紀伊と武内、2人のルーキーが先発出場した。高校日本代表の実績を引っ提げ鳴り物入りで明大の門をたたいた2人だったが、武井日向主将(商4=国学院栃木)、箸本龍雅(商3=東福岡)という大きな存在の前に対抗戦出場はかなわず。しかし、着実に来季を見据え、自身の課題を分析している。「マイナスの評価だったスローイングを改善して安定したプレーをしようと試合に臨んだ」と話す紀伊は来シーズン、三好優作(文3=松山聖稜)とのスタメン争いへ向け褌を締め直す。「とにかく上に上に。どれだけ三好さんを越えられるかだと思うのでアピールを続けていきたい」(紀伊)。一方の武内も「ブレークダウンの反応の速さを上げることやスタミナを付けること、総合的にいろいろできる選手になりたい」と意気込む。

大学選手権連覇へ向け、対抗戦でその強さをこれでもかと見せつけた明大。その裏で期待の逸材も、花開くその日まで淡々と自身と向き合い続けている。「次の年への成長へと矢印を向けている」(紀伊)。ルーキーたちの不断の努力からもますます目が離せない。

[清水康佑]

試合後のコメント

大石ゲームキャプテン

――本日の試合はどういった位置づけの試合でしたか。

「下級生がメインの試合で、試合のテーマは『コミュニケーション』と試合に出るメンバーで決めました。試合を通じて80分間話し続けるということ、アタックでもディフェンスでも横の人と何をするのかコミュニケーションを取り続けるというのをテーマにしていました」

――プレーで意識したことはありますか

「コンタクトの部分が課題だったので体をぶつけることにフォーカスしていました。体を当てられた部分もあったんですけど、FWがゴール前で2本トライ取られてしまったので、もう一回これ以上のところをイメージして、フォーカスしてやっていきたいです」

辻龍

――試合の振り返りをお願いします。

「今までの練習が、そのまま試合に出せたことは良かったです。個人的にもチーム的にもそれは達成できたと思います。フォワードが押されてトライを許してしまった部分もありました。そういうところは自分もプロップですし、修正して、どんどん体当てていこうと思います」

――ご自身の課題は上がりましたか。

「体当てていくところですね。重量ある相手でも、そうでなくてもひたすら体当てに行って、前で止めるそうすればゲインはされないので、そこを重視していきたいです。ポジション的に、スクラムも見せていきたいので、そこでグッと安定感高められるように頑張りたいです」

紀伊

――試合で意識したことは何ですか。

「僕は上のチームや下を行ったり来たりしているのですが、あまり試合をできるチャンスがありませんでした。今日は自分の良さをアピールするというより、今までマイナスの評価であったスローイングとかを改善して安定したプレーをしようと試合に臨みました」

――入学時から現在にかけて成長した部分はありますか。

「フッカーとして何が必要か、スクラムもスローも少しずつは成長できているのかなと思います。(スローイングの点では)高校の時はマイボールを取れればいいみたいな感じでした。でも今は毎回同じ良いポイントに投げることだとか、味方が展開しやすいようにどの位置に投げたほうがいいのかとかも考えるようになりました」

――来年度はフッカー争いもし烈になってきます。

「すごい4年生が2人抜けてしまうので、あと三好(優作・文3=松山聖陵)さんと僕と福田陸人(法2=国学院栃木)さん、田森(海音・政経2=長崎北陽台)さんがいる中で、僕は長い期間上のチームで経験させてもらっています。三好さんと僕で何が違うって言ったら三好さんはスクラムにすごいこだわっているし、僕よりも上にいる時間が大分長いので、そういう部分で落ちるとかどうこう気にするよりは、とにかく上に上にいくことです。どれほど三好さんを超えられるかだと思うので、アピールは続けていきたいと思います」

武内

――試合の振り返りをお願いします。

「今日はコミュニュケーションを主軸に戦い抜きました。若いプレーヤーが多い中でうまく試合を動かしていくためにも、コミュニュケーション、トークを多くしてボールキャリーする、ディフェンスするそういうのが大事だと話し合って試合に臨みました」

――今後、見せたいプレーはどういったプレーですか。

「アタックのブレイクダウンの反応の速さ、スタミナ、総合的にいろいろできるそんな選手になりたいです。中でもボールキャリーの所では、(ボールを)もらう回数増やして、経験積むというところが大事だと思います。龍雅(箸本・商3=東福岡)さんとか坂(和樹・政経4=明大中野八王子)さんとかみたいにガツガツ前に行ける、そんな選手になりたいです」