最終回はチームに明るい雰囲気をもたらす4人の対談だ。持ち前の明るさでチームを活気付け、試合では堅実なディフェンスを見せる安藤友里恵(スポ4=愛知・西春)。長期のけがから復帰し、関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)の最終戦ではスリーポイントも決…

 最終回はチームに明るい雰囲気をもたらす4人の対談だ。持ち前の明るさでチームを活気付け、試合では堅実なディフェンスを見せる安藤友里恵(スポ4=愛知・西春)。長期のけがから復帰し、関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)の最終戦ではスリーポイントも決めチームに勢いをもたらした岩田千夏子(社4=岡山・明誠学院)。関東大学女子選手権(トーナメント)で活躍を見せ、今季のリーグ戦からスタートに定着した船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)。リーグ戦では試合途中から登場し、フレッシュな力でチームの流れを変える神山夢来(スポ2=埼玉栄)。それぞれの役割を全うし、早稲田の勝利に貢献する4人に話を伺った

※この取材は12月4日に行われたものです。


安藤(左)と岩田

『やっとみんなの心が一つになった』(安藤)

――まず初登場の選手もいらっしゃるので、他己紹介からお願いします

船生 じゃあまず夢来から。早稲田大学スポーツ科学部の2年生です。ガードです。ちょっとアホっぽいけど、ちゃんとしてる子です(笑)。そのギャップがとてもあります。

岩田 確かに。とにかく明るいよね。

安藤 笑顔が一番似合う。元気ですね(笑)。

神山 うれしい(笑)。

岩田 だけど、真面目な部分もどこかにはある(笑)。

一同 (笑)

神山 じゃあ私がグリさん(岩田)を。社会科学部4年の岩田千夏子さんです。ガードです。私のグリさんに対する第一印象はちょっと怖かったです。

安藤 おぉー。そうなの!?

神山 怖いというかちょっと話しづらいなと思っていました。でも話してみると、とんでもなく優しかったです。話しやすいですね。あとは…。嵐への愛がすごい(笑)。

船生 うちも第一印象は話しかけづらそうだなと思ってました。どんな人か読めなかったです。喋ってたけど、ちゃんと仲良くなれたのは1年生の後半ぐらいでした。でもとてもいい人です(笑)。

岩田 次に早稲田大学スポーツ科学部4年、安藤友里恵です。ゴリゴリのフォワードです。友里恵と初めてあったのは高校3年生の春合宿の時で、まだ入学する前だったのですが、ちょっとやばい奴いるなと思ってました。私たちはお互い一人暮らしだったので、一緒に過ごす時間が長かったです。その中でアツい部分もあるし、真面目で努力家だけど、ふざけるところはふざけられるので、マルチになんでもこなせる方だなと思います。

船生 ナルさん(安藤)は果てしなく優しい方ですね。本当にお世話になってます。

神山 ナルさんもグリさんも本当に優しい。いろいろ助けてもらってます。

安藤 次に船生友香(順天堂大、4年)。じゃなくて船生晴香ですね(笑)。スポーツ科学部3年のガードです。船生はオンとオフがハッキリしてますね。バスケに関しては、真剣に真摯に向き合ってると思います。でも練習が終わると、魂が抜けたような顔をしてます(笑)。基本ぼーっとしてるか寝てるかどっちかですね。あとは抜けてる。言い間違いがすごい多いです。

船生 本当に直さなきゃいけないなと思います。

岩田 あと嘘をつかれてもすぐ信じちゃう(笑)。将来絶対騙されますよ。

船生 それは嘘のつき方が上手いんですよ(笑)。

――では、2ヶ月間続いたリーグ戦を振り返っていかがですか

安藤 インカレ優勝を目標としている自分たちにとってリーグ戦は通過点だと思っていたのですが、チームとして結果が出ないことが悔しかったです。個人としてはそんなに試合に絡む時間は多くなかったのですが、チームを客観的に見て練習をしていく中で自分たちのやりたいディフェンスやリバウンドが全然できなかったことに関しては4年生として責任を感じています。インカレ優勝にむけてすごく危機感を感じた大会でした。

岩田 トーナメントも自分たちが思っていた結果ではなく、リーグ戦はそれ以上にステップしたいと思って臨んだ大会でした。最初の2、3試合はいいスタートが切れましたが、中盤から後半にかけてもがき苦しんだ期間が長かったと思います。チーム全体的に苦しんだリーグ戦だったという印象ですね。個人としては最後の方に結構試合に出してもらったのですが、もう少しチームを活気付けたり、勝利に貢献したりするプレーができたら良かったなという反省があります。でもここまで苦しんだからインカレは楽しんでプレーしたいなという気持ちになりました。

神山 リーグ戦から結構プレータイムをもらえて試合に出られるようになりました。途中からコートに入った時に自分はどういう役割をしなきゃいけないのかなとずっと考えていました。最初の方は緊張してなかなか思うようなプレーができなかったのですが、中盤から自分がやるべきことをしっかり表現できるようになりました。そこは良かったのですが、チームとして勝てなかったのは後半だったから、技術面やメンタル面でもっと強くならないといけないと思いました。あとは同期の咲織(大原咲織、スポ2=東京成徳大)がけがをしてから、咲織の分まで頑張ろうと思ってプレーしていました。自分の中で二人分やってやろうと思えたので、その面では自分を大きくしてくれたかなと思います。リーグ戦では悔しい思いをしたから、インカレでは絶対いい思いをしたいです!

船生 リーグ戦を通じてチームとしても個人としても、苦しんだ時間帯がすごい多かったと感じました。でも逆にリーグ戦ではできたこととできなかったことがはっきりしたので、インカレ優勝という目標にいい経験ができたのかなとも思いました。個人としてはリーグ戦からスタートして出してもらったんですけど、「自分で良いのかな」とか「チームを勝たせなきゃ」と思い詰めてしまったことが多かったです。ガードとしてゲームをコントロールしなきゃいけないという気持ちが強すぎて、自分のプレーや自分がやりたいことを見失っていました。自分のプレーやチームの代表として試合に出るという責任感がまだまだ足りてなかったと思います。ガードとして自分がチームを引っ張るんだという気持ちでインカレはやっていかなきゃいけないですね。リーグ戦で本当にたくさん経験させてもらったから、絶対それを次につなげたいです。

――リーグ戦の中で印象に残っている試合はありますか

船生 チーム一丸となって勝てたのは筑波大との2戦目で、すごくうれしかったです。1戦目は延長の末敗れて結構ダメージが大きかったです。次の日は「チームで絶対勝とう」と思って臨みました。自分は足つっちゃってふがいない試合だったのですが、コートとベンチの熱を両方感じました。逆に東京医療保健大との試合は力の差を思い知らされました。東京医療保健大はガードが上手くて、ディフェンスでは手も足も出ませんでした。すごく悔しかったですけど、勉強になりました。

神山 私も筑波大との2戦目です。1戦目で咲織がけがをしてしまってチームとしては雰囲気や状況は落ちてる感じでしたが、2戦目は切り替えていい方向に捉えられていたと思います。せってる場面でライさん(船生)が足つっちゃって、自分が出てプレスのディフェンスで来られて本当に嫌だったんですけど、「ここでボールを取られたら終わりだ」と思っていました。頭の中は真っ白だったんですけど、楽しいなと感じていました。

岩田 松蔭大との1戦目ですね。試合が終わった後に大原が私のところにきて「グリさん、初めて一緒に公式戦出ましたね」と言ってくれたんです。私は全然意識していなかったのですが、去年から一緒にリハビリしてきた仲間にそう言われたことがすごくうれしかったです。

安藤 悪い方の印象で言うと、東京医療保健大との2戦目です。チームとして手も足も出なかったです。プレーだけでなく、チームもばらばらになってしまったように感じました。あの試合があったから、4年生同士で腹割って話せました。そのおかげでいい意味で吹っ切れました。良かった試合は白鴎大との最終戦です。負けてしまいましたが、やっとみんなの心が一つになったように感じました。試合に出てるメンバーもベンチのメンバーもスタッフさんたちも含めて全員で戦えた試合でした。まだ自分たちはやれるんだぞという兆しが見えた試合でした。

――短いスパンでたくさんの試合があったと思いますが、体力面はキツかったですか

船生 全然大丈夫です。

岩田 ライはチタンカプセルという武器があるから大丈夫だよね?(笑)

船生 私本当に他人に影響されやすくて、誰かが「効くよ!」と言って勧めてくれたやつ絶対効くんですよね(笑)。

岩田 チタンカプセルに入ると、体が軽くなってすぐ体力が回復するらしいです(笑)。

船生 結構通いました(笑)。足つっちゃったのも体力面ではなく脱水だと思うので、大丈夫です!

――去年のチームと今年のチームの違いはありますか

岩田 指導者が毎日来てくれる環境ではなくなったので、今年はいろんな人が発言できているのではないかなと思います。4年生が引っ張っていくんですけど、下級生たちも一緒になってチームを作ってくれているように感じます。

安藤 去年はスキル面で指導者に見てもらうことが多かったのですが、今年はコート外のところも目を向けようと思って新チームを作りました。「自分たちのチームは日本一になって何がしたいんだろう」とヴィジョンをみんなで考えたり、「なんで私たちはバスケットしてるんだろう」と考えました。そして少しずつ発信できるようになりました。また後輩から私たちに提案をしてくれることも増えて、練習やチーム作りを一緒にしているように感じます。

船生 いい意味でも悪い意味でも自分たちで練習できます。前の試合でダメだったところをグループで話し合って、選手が主体的に練習を考えられるところがすごくいいなと思います。指導者がいないというのは他のチームとちがっていると思うのですが、それで成長できているのではないかなと思います。

神山 今年に入ってミーティングの仕方が変わりました。3人1組や4人1組になって話し合った後に、全体に共有するようになりました。自分は去年1年生だった時に全体では「試合出ていないのに意見言いづらいな」と感じていたのですが、今年は細かいグループに分けることで思っていることを言えるようになりました。

――今年1年間の試合を通して見つかった収穫と課題を教えてください

船生 一番はチーム力ですね。試合に出ている人が限られているんですよね。連戦を戦っていく中で試合に出られる人が多い方がいいし、試合に出ている人たちもチームで戦っている意識をもたなきゃいけないなと思いました。リーグ戦でもナルさんが言っていたように、チームがバラバラになったことを肌で感じました。逆にチーム一丸になっている時の早稲田は本当に強いなと思うので、自分も試合に出た時には個々にならないように喋り続けたいです。コートとベンチが離れないようにコミュニケーションを取ることが大事だなと思います。

神山 収穫は「走れば勝てる」ことです。早稲田は走って速いバスケットが一番強いと思います。全員が走れる選手なので、そこは自信にして常に速い展開でプレーしたいです。課題はライさんと同じでチーム力だと思います。一人一人が日によって調子の良し悪しがあると思うのですが、その時にどんどん視野が狭まっていくように感じます。そういう時に一人にならないし、一人にさせない声かけやつながりを大事にしていけば強いと思います。

岩田 課題はたくさん出たと思うのですが、その一つ一つが収穫だなと思います。自分たちの悪いところを自分たちで知ることはできました。「こういう場面では一人一人になっちゃう」とか「ここで結束しなきゃいけない」というシチュエーションが分かったと思います。これからインカレで試合をしていく中で一人一人が気づいて、行動していけたらなと思います。試合に出ている人の一人一人のスキルはとても高いと思うので、それがつながりあった時に大きなパワーが生まれるんだと感じました。そのパワーを最高にまでもっていけるように頑張りたいです。

安藤 トーナメントからもがき苦しんできたことが大きな収穫かなと思います。チームとしてどうしたらいいんだろうと常に考えてきました。あとはつながりですね。どうしても流れが悪いと個々でなんとかしようとしてバラバラになってしまうので、そういう時に全員が同じ方向を向けるコミュニケーションを取り続けたいです。インカレでは誰一人離れることがなく、強い力と結束力で相手に立ち向かっていきたいです。


神山

『同期には本当に助けられている』(神山)

――次にプライベートな話題に移ります。それぞれの学年の特徴はありますか

船生 まず3年生からいきますか。3年生は3人しかいないんですけど、深いところまで話せる仲だなと思います。私を抜いた2人はしっかりしていて、自分の意見をしっかり言える子です。それでいて優しくて、リーグ期間はずっと2人に支えられていました。1人はマネージャーで、1人は選手なんですけど、その選手が今試合に出られなくて悔しい思いをしてるはずなのに、私の話をたくさん聞いてくれて「いい奴だな」と思いました。マネージャーの人もすごく聞いてくれて一緒に泣いてくれたりして、「バカいい奴ら」って感じですね(笑)。

岩田 3人とも自分よりも仲間を優先させることができるのが3年生ですね。

船生 本当に2人はすばらしい方です。

――2年生はいかがですか

神山 2年生は動物園ですかね〜。

一同 (笑)

安藤 一番いい例えだね(笑)。

神山 いつもうるさいです。黙っている時間がないくらいいつも誰かしらがしゃべっています。でもそれをみんな聞いてるわけでもなく…。一人がしゃべってて、皆そんな聞いてないけど、笑っててなんか楽しい雰囲気があります。うるさいけど、誰かが悩んでたら全員で助け合うことができる人たちだから、同期には助けられています。

岩田 本当に仲いいんですよ。いつもみんなで一緒に帰ったりしてるよね。

――4年生はいかがですか

岩田 2年生の仲いいとはちょっと違うよね(笑)。動物園感は全くないね。

安藤 まあ何人かいるけどね(笑)。2名くらい。

岩田 割と真面目な人は多いよね。

安藤 キャラとしてはみんな濃いし、それぞれキャラ被りしてないですね。でも根本は真面目だし、意外と臆病なところもありますね。

岩田 クセもの揃いですね(笑)。

一同 (笑)

神山 みんな自分を持ってるんじゃない?(笑)

岩田 そうですね。それがたまに衝突することもありますが…。

――他の学年で可愛がっている、お世話になっている選手はいますか

安藤 ミッシー(境美潮、スポ1=神奈川・座間)かな。ずっと入学してからペアだったし、同じ一般入学なので、個人的に思っていたこともちょくちょく伝えていて…。一番頑張ってほしい後輩かなと思います。

岩田 しもわださん?(下和田ゆい主務、スポ4=神奈川・フェリス女学院)(笑)。最近可愛がっています(笑)。今まで彼女の可愛さに気づいてあげられなかったのですが、最近になってどういういじり方をすればいいか分かってきました。あとはクロちゃん(黒井優衣学生トレーナー、スポ2=新潟明訓)ですかね。去年のリハビリの時からお世話になっていたのですが、私の中のオアシスです。なので、少し癒されたい時はクロちゃんのところに行きます(笑)。

神山 美香さん(鈴木美香、社3=東京・早実)かな。最初はそんなに話してなかったんですけど、今年に入ってから話すようになりました。自分が悩んでいる時に相談したら、急に「松岡修造の『君は太陽だ』を聞きなよ」とアドバイスしてくれました(笑)。

船生 どんなアドバイス(笑)。

神山 「できる、できる、君ならできる」という歌詞があって…。「メル(神山)はできるんだよ!」とトイレの前で歌ってくれて、動画も流してくれました。そういう面ですごくお世話になっているし、いつも気にかけてくれる先輩です。

船生 後輩だとお世話になっているのはレンレン(今井美沙樹、商2=山梨・富士学苑)ですね。すごくレンを見てると、すぐ目が合うんですよ(笑)。周りに気を使ってくれる子だから、「なんか話したいな〜」と思った時にレンを見たら、すぐ駆けつけてくれます。なので、とてもお世話になってます。

――オフの日の過ごし方はどのように過ごしていますか

岩田 私は映画を見に行ったり、展覧会に行ったり、舞台を見に行ったり、文化系のものに触れたいと思っています。なので、芸術作品を見に行きますね。

安藤 インキャ。(笑)

岩田 そういうのが好きなので。バスケばっかりやっていると疲れちゃうので、たまにそういうのでリフレッシュします。あとは嵐。

一同 (笑)

船生 嵐が第一ですから。

岩田 あんまり言い過ぎると、またやばいファンみたいになっちゃうからこのくらいで(笑)。

安藤 私はあんまりずっと家にいるのが好きではないので…。

岩田 誰と過ごしてるんだっけ?(笑)

安藤 まぁ友達とかと(笑)。ご飯行ったり遊びに行ったりしてます。

岩田 前はよくオフの日は遊びに行ってたんですけど、最近は誘いづらくなっちゃいました…。

安藤 全然私はウェルカムなんですけど(笑)。今度私が誘って遊びに行きたいと思います。

船生 リーグ期間のオフは家で過ごすことが多かったです。家で寝てました。私実家が田舎で緑豊かなところが好きなので、時間に余裕がある時はマイナスイオンを感じに行きます。インスタできれいなところを探して、友達と行ったり双子のもう片方と行ったりしてます。あとはカラオケでストレス発散します。

安藤 歌めっちゃ上手いんですよ。

船生 大学に入ってから行くようになりました。

――十八番はありますか

船生 十八番はないですね。でもHYとかをよく歌います。

神山 自分も家にいることはほとんどないですね。オフの日は甘いものを食べます。

岩田 言っていいの?(笑)制限されてない?

神山 まぁギリギリぐらい(笑)。みんなと同じように食べてると太っちゃうので、食べていい日を決めてます。前までは食べるのはオフの日と決めてたんですけど、最近それもちょっと止めてます。

船生 甘いものって何食べるの?

神山 アイス!ケーキはあまり好きじゃないので、アイスとかスタバとか。

船生 あ、いるもんね。スタバの神様。同学年の咲織(大原)がめちゃくちゃスタバ好きで、毎回新作を飲んでます。

神山 咲織はいくら飲んでも太らないからどれだけ飲んでもいいんですよ。でも自分は飲んだ分だけ身になるから、同じペースで飲まないようにしてます。オフの過ごし方はこんな感じで、遊びに行ったり甘いもの食べたり…。あと最近はお台場行きました。

岩田 デートですね。

船生 めっちゃ言うやん(笑)。

――今年はラグビーW杯で日本中が盛り上がりましたが、バスケ部でも盛り上がりましたか

安藤 結構盛り上がったよね。

船生 フィンさん(大西真由ヘッドコーチ、平20卒)にも言われましたね。チームとして自分を犠牲に戦うあの姿勢が良いんだよと言われた記憶があります。

――4年生のお二人は大学生活残りわずかになってきました。大学生活での一番の思い出は何ですか

岩田 部活の話になるんですけど、1年生の時は練習が本当につらかったです。1年間ずっと練習についていくのがやっとでした。一人暮らしなので、練習が終わって帰るとご飯作って洗濯して、次の日また1限に行くという生活がめちゃくちゃつらかったです。それを私たちは2人で共有していました。今でもたまに2人で1年生の時のつらかった話をしますね(笑)。

安藤 めちゃくちゃ長かったね。

岩田 4年生なんて来ないんじゃないかと当時は思ってました。

――そのつらい環境の中でここまで続けてこれた理由は何ですか

岩田 私の場合は友里恵がいたからですね。身近に同じように頑張る友里恵がいて、高校の同級生も大学でバスケを何人かいたので、自分と同じように頑張る人がいたのが励みになっていました。

安藤 私も愛知から何も知らずに出てきて…。決して強い高校ではなかったのですが、高校の最後に自分の思うような結果が出なかったことが悔しくて、大学でもバスケをしようと決めました。一番は「このままバスケットを終わらせて良いのか」という不完全燃焼な気持ちから続けてこれたと思います。あとは両親や恩師などのずっと自分を応援してくれた方たちから背中を押されてたことと、このバスケ部のメンバーとの出会いですね。このチームのために自分が何かをしたいという思いにさせてくれるメンバーと巡り会えたことが、4年間続けていた理由です。

岩田 あと後輩に言っておきたいことが1つあります。「能力の差じゃない、知ってるかの差だよ」という言葉を私たちが2年生の時まで指導してくれたシキさんにもらいました。それに私は勇気付けられて、魔法の言葉だなと思っていました。今は4年生が中心となって試合に出ていて、3年生以下は試合に出たいけど出られない人も多いと思います。でもこれからたくさん経験していく中で、その差は埋められるんだよと伝えたいです。

神山 ふかい〜。

安藤 あとバスケ以外のことで言ったら、「よく遊び、よく学べ」ということですかね。学生の本業である勉学も頑張ってほしいし、大学はいろんなバックグラウンドをもった人たちと出会える場所なので、そういうところを大切にしてほしいです。私はゼミの仲間、スポ科の他の部活の仲間、サークル生などたくさんの人たちと交友関係を持たせてもらった中で、いろんな気づきがありました。いろんなところから刺激をもらって最後にバスケットに還元できたら、すごく強くなれるんじゃないかなと思います。

――もう一度インカレに話を戻します。今重点的に練習しているところはありますか

岩田 チームとしてはリバウンドのところのボックスアウトと、

安藤 ディフェンスのポジション移動と、シュート確率のところでフィールドゴール50%を目標にしてやっています。


船生

『色々苦しんだ分、4年生に最後は笑ってほしい』(船生)

――最後にインカレでのチームの目標と個人の目標を教えてください

安藤 チームの目標はもちろんインカレ優勝です。あとトーナメントとリーグはそれぞれがやりたいバスケットをできずに負けてしまう試合が多かったです。ディフェンスからブレイクを出して走る速いバスケットを表現したいですね。それを出すことが勝つための条件だと思っています。また、今シーズンは日本一になって日本中の人に笑顔と感動を与える存在になるというミッションを掲げてきました。プレーや立ち振る舞いを通して、「早稲田のバスケって見てて勇気もらえるよね」と思ってもらえるように、一人一人が意識していきたいです。個人としては12年間続けてきたバスケットの最後なので、とにかくチームのために自分の役割を全うしたいです。あとは楽しんでバスケットをしたいし、隣にいる一人一人と目を合わせてつながりたいです。最後は勝ってみんなが笑っているところを見たいので、しっかり自分が引っ張っていきたいと思います。

岩田 チームの目標は優勝です。今年一年間は納得できる試合ができていなかったので、インカレではみんながやりきったと納得できる試合にしたいです。個人としては人生最後の試合になります。今までバスケットを通してたくさんのことを教えてもらったので、その積み重ねを発揮できたらいいなと思います。あとはコートにいてもベンチにいても絶対に最後まであきらめない心で戦っていきたいと思います。

神山 チームとしての目標は優勝です。今まで悔しい結果で終わっているけど、最後は全員がいい顔をしてバスケを楽しんでやりきれたらいいなと思います。個人としての目標はしっかりコートに入った時にプレーをつなぐこととベンチで見ていた時には流れがわかると思うので、いい流れをもってくることです。自分が流れを変えるんだという気持ちをもって臨んでいきます。このインカレで自分が一回り大きくなれればいいなと思います。

船生 自分はチームとして優勝を狙っています。4年生には本当にお世話になりました。色々苦しんだ分最後は笑ってほしいです。感謝の気持ちを全部コートに置いてこれるような後悔しない試合をチームとしてやっていきたいです。早稲田のバスケをしていれば勝てると思うので、そこはブレないで貫き通します。個人としてはトーナメントとリーグでいろんな経験をさせてもらったので、責任や自覚をもって戦います。コート上の人が思いっきりプレーしないとダメだと思うし、試合自体をみんなが楽しめるようにしたいです。自分が率先してずっと笑顔でいたり、一つ一つのプレーを楽しんだりします。最後は4年生を胴上げしたり、スタッフさんを胴上げしたりしたいなと思いまーす!

――ありがとうございました!

(取材・編集 瀧上恵利)


色々な気持ちがこもった色紙になりました!

◆安藤友里恵(あんどう・ゆりえ)(※写真中央右)

1997(平9)年10月20日生まれ。164センチ。愛知・西春高出身。スポーツ科学部4年。コートネームはナル。マイブームはInstagramの『everyday _debudori(毎日でぶどり)』の4コマ漫画を見ることだそうです。安藤選手の元気は日常を明るくしてくれるでぶどりから来ているのかもしれません。インカレでもチームに元気を与えてほしいですね1

◆岩田千夏子(いわた・ちかこ)(※写真中央左)

1997(平9)年7月21日生まれ。159センチ。岡山・明誠学院高出身。社会科学部4年。コートネームはグリ。けがから復帰して臨んだラストシーズンは色んな気持ちが詰まっていたという岩田選手。1年生の時から安藤選手と二人三脚でやってきたそうです。チームメイト、家族、恩師などお世話になったすべての人に感謝を込めて、インカレに臨みます!

◆船生晴香(ふにゅう・はるか)(※写真右)

1998(平10)年10月26日生まれ。170センチ。新潟・開志国際高出身。スポーツ科学部3年。コートネームはライ。対談中ずっと笑顔が絶えなかった船生選手。普段からいじられキャラのようです。そんな船生選手ですが、バスケになると一気にスイッチが入り真面目な表情に変わります。チームの司令塔として、勝利へ導いていってほしいですね!

◆神山夢来(こうやま・むく)(※写真左)

1999(平11)年6月9日生まれ。166センチ。埼玉栄高出身。スポーツ科学部2年。コートネームはメル。甘いものが大好きで、いつもニコニコしている神山選手。ガードとしてプレーをつなぐという思いと仲間一人一人のつながりを大切にしたいという思いを色紙に書いてくださいました。試合中も神山選手の笑顔に注目です!