全日本学生室内選手権(インカレインドア)の本戦が11月27日に開幕した。早大からはシングルス1回戦に11人、ダブルス1回戦には5組が出場。予選から勝ち上がった松本妃那(スポ2=福岡・柳川)や強敵を下した藤井颯大(スポ3=京都・同志社国際)…

 全日本学生室内選手権(インカレインドア)の本戦が11月27日に開幕した。早大からはシングルス1回戦に11人、ダブルス1回戦には5組が出場。予選から勝ち上がった松本妃那(スポ2=福岡・柳川)や強敵を下した藤井颯大(スポ3=京都・同志社国際)らがシングルス1回戦を突破。ダブルスでも全日本学生選手権(インカレ)王者の木元風哉主将(社3=埼玉・早大本庄)・田中優之介(スポ3=埼玉・秀明英光)組、関東学生選手権(夏関)女王の下地奈緒(社3=沖縄尚学)・吉岡希紗(スポ1=三重・四日市商)組などが2回戦へと駒を進めた。

★男子シングルスは全選手が1回戦を突破(男子シングルス)


法大のエース岡垣に対し逆転勝利を収めた藤井

 男子シングルスは出場した5人全員が1回戦を突破した。白石光(スポ1=千葉・秀明八千代)、田中優之介副将(スポ3=埼玉・秀明英光)はその実力を発揮。柚木武(法大)と対戦した白石は、相手の強烈なサーブも丁寧にリターンを返し常に優勢を保ち、6−4、6–2のストレートで快勝した。田中優も中川舜祐(亜大)に対し6−2、6−2のストレート勝ち。粘られるゲームもあったが、持ち前のストロークで要所を締めた。

 千頭昇平(スポ3=愛知・誉)は1回戦で工藤颯人(亜大)と対戦。ファーストセットはブレークを奪えない苦しい時間帯が続いたが、タイブレークの末にこのセット先取する。セカンドセットに入るとフォアハンドの精度も増し、タイブレークを制した勢いそのままに6−1と圧倒した。木元風哉主将(社3=埼玉・早大本庄)も試合序盤はストロークのミスが目立ち、星木昇(中大)に対しファーストセットを献上。それでも徐々に調子を上げセカンドセットを奪い返すと、ファイナルセットは1ゲームも奪わせず逆転で2回戦へと駒を進めた。

 藤井は法大のエース岡垣光祐との対戦となった。ファーストセットは互角のストローク戦を繰り広げたが、ワンブレークダウンでこのセットを献上。だが、セカンドセット以降は「自分がやりたいテニスを捨てて、ひたすらコートの中に返すテニスに変えました」と自身が本来持ち味とするスタイルを徹底。するとここから藤井がペースをにぎる。セカンドセットを6−1で奪い返すと、続くファイナルセットも流れを渡さぬまま6−2で逆転勝利を収めた。

★清水、松本が2回戦へ進出(女子シングルス)


倉持との早大対決を制した清水

 前年度優勝を果たしている第1シードの清水映里主将(スポ3=埼玉・山村学園)と倉持美穂副将(商3=東京・早実)の早大対決が1回戦で実現した。試合は開始から3ゲームを連取した清水が主導権をにぎる。倉持もここから2ブレークを奪うなど追い上げを見せたが、4つのブレークを奪った清水がファーストセットを先取した。セカンドセットに入ると清水は力強いストロークで倉持を寄せ付けず、このセットを6−1としストレートで勝利を収めた。

 早大で唯一予選を勝ち上がり本戦への切符をつかんだ松本。試合は第1ゲームから立て続けに3ゲームを連取する上々の立ち上がり。その後相手に追い上げを許す場面もあったが、試合を通じてペースをにぎり続けストレート勝ちで1回戦を突破した。下地は第4シードの今村凪沙(鹿屋体大)にストレートで敗戦。吉岡も平田歩(慶大)に対しフルセットの接戦の末に敗れている。

★要所を締めた安上・丹下組が2回戦へ(男子ダブルス)


要所を締めストレートで勝利した安上・丹下組

 白石・千頭組は慶大の二枚看板である今村昌倫・羽澤慎治組との対戦となった。ファーストセットはワンブレークダウンで落としたものの、セカンドセットは積極的に前に出てのネットプレーやコンビプレーも冴え、6−2で取り返す。しかし、迎えたタイブレークでは序盤に6ポイントを立て続けに落とすなど大差を付けられ、万事休すとなった。木元・田中組は学生王者の貫禄を見せつけた。木元、田中の強烈なストロークを軸にポイントを重ね6−2、6–2と大野翼・大植駿組(関大)圧倒。大会連覇へ向けて上々の滑り出しとなった。

 成耀韓・田中隆輔組(慶大)と対戦した安上昂志(スポ4=福岡・柳川)・丹下将太(教1=東京・早実)組は「要所でしっかりブレークもできた。理想的な試合だった」(安上)と振り返ったようにファーストセット、セカンドセットともに接戦を取りきりストレートで勝利。「練習で2、3回しか実践形式の練習はしていないんですけど」(安上)という安上・丹下組だが、安上は「出来もいい感じで、コンディションも悪くないと思う」と続け、手応えものぞかせた。

★下地・吉岡組が大逆転で2回戦へ(女子ダブルス)


下地・吉岡組はスーパータイブレークの末、逆転で初戦を突破した

 ペアとしては初の個人戦となった清水・石川琴実(社1=神奈川・白鵬女子)組は1回戦を6−2、6−2のストレートで突破。今季の団体戦で早大のダブルス1を担ったその実力を見せつけた。

 第1シードの下地・吉岡組は思わぬ展開を強いられた。「やることは決めていたが、相手がそれを超えてきた。対応できなかった」と下地が話したように、小池颯紀・東谷和組(園田女子大)に対し1ゲームも奪えぬまま、為すすべなくファーストセットを落とす。セカンドセットも第1ゲームを取られる苦しい立ち上がり。それでも続くゲームを奪うと、「相手のいいプレーに対しても余裕を持って、いろいろ考えながら対応することできるようになった」(下地)と巻き返しを見せ始める。ここから4ゲームを連取するなど息を吹き返し、6−2でセカンドセットを取り返した。10ポイントマッチのスーパータイブレークも一進一退の展開となったが、カウント7−8から3ゲームを連取し、大逆転で初戦を突破した。

(記事、写真 林大貴)


結果


男子シングルス
▽1回戦
◯白石光 [6-4、6-2] 柚木武(法大)
◯千頭昇平 [7-6(1)、6-2] 工藤颯人(亜大)
◯藤井颯大 [3-6、6-1、6-2] 岡垣光祐(法大)
◯田中優之介 [6-2、6-1] 中川舜祐(法大)
◯木元風哉 [3-6、6-4、6-0] 星木昇(中大)


女子シングルス
▽1回戦
●田中李佳 [0-4、RET] 中島美夢(亜大)
●吉岡希紗 [2-6、6-3、4-6] 平田歩(慶大)
●下地奈緒 [6-2、6-1] 今村凪沙(鹿屋体大)
◯清水映里 [6-3、6-1] ●倉持美穂
◯松本妃那 [6-4、6-3] 浦上喜帆(大教大)


男子ダブルス
▽1回戦
●千頭昇平・白石光 [4-6、6-2、4-10] 今村昌倫・羽澤慎治(慶大)
◯安上昂志・丹下将太 [6-4、7-5] 成耀韓・田中隆輔(慶大)
◯木元風哉・田中優之介 [6-2、6-2] 大野翼・大植駿(関大)


女子ダブルス
▽1回戦
◯清水映里・石川琴実 [6-2、6-2] 堺愛結・田中冴美(姫路大)
◯下地奈緒・吉岡希紗 [0-6、6-2、10-8] 小池颯紀・東谷和(園田女子大)

コメント

藤井颯大(スポ3=京都・同志社国際)

――試合を振り返っていかがですか

自分的にはファーストセットはいいテニスをしていると思っていたんですけど、取られてしまって。ここから何ができるかを考えたときに、自分がやりたいテニスを捨てて、ひたすらコートの中に返すように変えました。そうしたら相手も落ち込み始めて、「これがやっぱり効くんだ」と思って最後までプレーしましたね。

――ファーストセットは今までのテニスと変えた部分があったということですか

今までは体力の尽きる限り相手よりも一球でも多く返すというテニスなんですけど、ファーストセットは積極的に、テンポを上げるところは上げてという、千頭とか、島袋さんのようなテニスを目指していたんですけど。まだそこまでの実力が付いていなかったなと思います。

――岡垣選手に対しての印象や対戦するにあたっての意識は

シングルス1で強い選手なんですけど、僕の中では苦手意識はなくて。光とか、祥次さんも勝っていたので、しつこく返していけば相手もミスもすると思ってプレーしていました。

――今大会で目指している位置というのは

ベスト4ですね。表彰台に乗りたいです。昨日取材されていたら1個目勝つことですって言っていたと思うんですけど(笑)。一戦一戦、上を目指して頑張りたいと思います。

――今年1年、調子がいい時期もあれば悪い時期もあったと思いますが、今のコンディションとしては

去年に比べると団体戦の成績は悪かったんですけど、今は気楽にやれています。できるだけ頑張ろうと。インカレも気負い過ぎてしまった部分もあったんですけど、最後の1年は思いっきりやろうと思います。

――今後の戦いへ向けて

ここは関西で、僕は京都出身で地元も近いので、できる限り長生きをしたいと思います(笑)。

安上昂志(スポ4=福岡・柳川)

――ここまで丹下選手とのペアリングはいかがですか

練習で2、3回しか実践形式の練習はしていないんですけど、きょうの初戦を終えてみて、出来もいい感じで。コンディションも悪くないと思います。

――試合はストレート勝ちでした。振り返っていかがですか

ブレークポイントを握られる場面もあったんですけど、しっかりキープできていて、要所でしっかりブレークもできて。セカンドセットは先にブレークされてしまったんですけど、すぐにブレークバックできたので、理想を言えばもうちょっとブレークしたかったですけど、理想的なかたちだったと思います。

――今大会ペアとして目指していることはありますか

丹下がまだ全国大会での実績が少ないので、そこで少しでも力になれるようにということは心掛けています。ダブルスはチャンスがあると思うので、ベスト4入賞を目指してやっていきたいと思います。

――最後の学生大会になりますが、その点についてはいかがですか

学生最後の大会で色々な方にサポートしていただいているので、全力を出して。学生大会初優勝を目指して頑張りたいと思います!

下地奈緒副将(社3=沖縄尚学)・吉岡希紗(スポ1=三重・四日市商)

――ファーストセットは0−6というスコアでした

吉岡 相手が良すぎたというのが一番ですね。全部向こうの思うがままにやられてしまった感じです。

下地 やることは決めていたんですけど、それを超えてきた印象で。序盤でゲームが取れていればファーストセットのうちに変わったと思うんですけど対応ができたのが遅かったかなと思います。

――自分たちに対する対策が練られているとは感じていた

下地 確立されていたなと思います。自分たちが向こうの得意なテニスだったと思います。

――セカンドセットで立て直せた要因は

下地 ゲームが取れたということが大きかったです。ポイントは取れていたけど、ゲームは取れていたので1ゲーム取れればなんとかなると思っていました。相手のいいプレーに対しても余裕を持って、いろいろ考えながら対応することできるようになったかなと思います。

――スーパータイブレークはどういった意識でプレーしていましたか

吉岡 リターンから思い切っていくことだとか、引かずに自分たちから攻めていこうということは常に意識していました。

下地 一進一退の展開で最後連取できたことが勝因ですね。大事なところでポイントを取りきれたこと、その一点だと思います。

――第一シードという中で、相手はチャレンジャーとして向かってくると思います。その点に対するやりづらさのようなものはあるのでしょうか

下地 自分たちが向かってこられるという自覚はないんですよね。

吉岡 ないですよね。なのでプレッシャーとかは感じていないんですけど。

下地 けど向かってこられるので(笑)、そこの意識の差みたいなものが最初出てしまったと思います。それに対して向かっていくということはあした以降の課題かなと思います。優勝したいというのはあるんですけど、目の前の1試合に勝たなければ優勝もないので、目の前の試合を大切にしたいと思います。

――次戦は清水・石川組との同校対決となりますが印象と、試合に向けての意気込みをお願いします

吉岡 リーグ期間中は毎日のようにゲーム練習をしていたんですけど、どっちが勝つかわからない状況でしたし、どういうテニスをするかもお互いわかっているので。そういうことを考慮しつつも自分たちのテニスを崩さないようにプレーしたいと思います。

下地 手の内はわかり尽くしている相手だと思います。ただ自分たちの方が経験も自信もあると思うので、相手を認めつつ、自分たちのテニスをしたいと思います。