「学びが日々、良い刺激になっている」 今年、全日本学生選手権の個人戦で2連覇を果たした筑波大学バドミントン部の香山美帆(3年)は大学のトレーニングから強さのヒントを得ている。 岡山県出身、高校1年の時に初めて筑波大学バドミントン部の練習に…

「学びが日々、良い刺激になっている」
今年、全日本学生選手権の個人戦で2連覇を果たした筑波大学バドミントン部の香山美帆(3年)は大学のトレーニングから強さのヒントを得ている。

岡山県出身、高校1年の時に初めて筑波大学バドミントン部の練習に参加した時に衝撃を受けた。「トレーニングメニューが科学的根拠に基づいていてこのメニューはこういう理由があるからやるんだよって先生が学生に伝えていた。その時は何も理解できなかったけれど一つ一つのトレーニングに根拠を持ってやっている大学ってすごいなと思った」。高校を卒業し大学進学を希望していた中で、筑波大学の取り組みに惹かれていった。

練習では心拍数を測るなどデータで可視化しトレーニングに生かしている

その根底にはバドミントンをする上で常に“なぜ”と思う気持ちを大切にする姿勢がある。中学まではできないことを周りに言われても「あぁ、直さなきゃ」で終わっていたことを高校では“なぜできないのか” を考え常に自問自答を繰り返すようになっていった。

その“なぜ”をより深く勉強し、自分の理論の裏付けを学ぶ意味でも筑波大学のバドミントン部は最高の環境だった。

怪我に対しても理論立てて考えられるようになった。「元々足首の怪我が多かった。それはなぜだろうと考えた時に前脛骨筋が弱いんだなとか足首が弱いのは仕方がないから他の筋肉でカバーしないとなとか、そういうヒントを常にもらえる環境が大学にはある」。原因を突き詰めて考え解決することで同じ失敗を繰り返さないことにも繋がっていった。

授業の空き時間にガット張りを行う香山選手

物事をしっかりと考える習慣をつける。これは将来自分自身がなりたい“アスリート像”にも直結している。
「“アスリートが語れない競技は廃る”という話を聞いたことがある。しっかりと喋ることができる選手がいる競技は人気が出る。バドミントンを色々な人に知ってもらうためにも競技を語れる選手になりたい」。競技と真摯に向き合い、強くなるためには何が必要か道筋を立てて考える。理論に裏打ちされた強さを得るために、バドミントンについて語る香山の目は眩しいほどに輝いていた。

※大学アスリート1日密着動画「THE STARS」にて、香山選手を特集します。
 →過去の「THE STARS」はこちら。
香山未帆(かやま・みほ)
岡山県出身。倉敷中央高等学校を経て現在は筑波大学体育専門学群3年。全日本学生バドミントン選手権、個人戦で現在2連覇中。筑波大学バドミントン部は女子団体戦で2013年から史上初の5連覇(今年は台風のため中止)を果たしている。運動生理学的に基づいたフィジカルトレーニングを練習に取り入れ、理論を実践に組み込んでいる。