実に11年ぶりの栄冠だ。ダートトライアル、ジムカーナ、運転競技(フィギュア)の3種目の総合点で順位を競う全日本学生自動車連盟年間総合杯(全日本総合杯)で、早大男子団体は悲願の優勝を果たし、『大学日本一』の栄冠をつかみ取った。さらに、鷹尾一…

 実に11年ぶりの栄冠だ。ダートトライアル、ジムカーナ、運転競技(フィギュア)の3種目の総合点で順位を競う全日本学生自動車連盟年間総合杯(全日本総合杯)で、早大男子団体は悲願の優勝を果たし、『大学日本一』の栄冠をつかみ取った。さらに、鷹尾一成(先理3=神奈川・桐蔭学園中教校)が男子個人の部で、城越明日香(商4=福井・藤島) が女子個人の部でそれぞれ優勝を果たし、個人の部で早大はアベック優勝を達成。女子団体の部以外の3部門で優勝を果たす大快挙を成し遂げた。

 全日本総合杯を争う最後の大会となったのが、この日行われた全日本学生運転競技選手権(全日本フィギュア)。乗用Aに出場した慎大慶(法2=東京・早稲田)は3月の全関東学生運転競技選手権(全関東フィギュア)の新人戦ぶりの公式戦出場となったが、安定した走りで団体成績に貢献した。全関東フィギュアで個人優勝の綠川壹丸(基幹3=東京・早実)は乗用Bに出場。ミスなく走行を終えたが、他大学の選手にタイムで差をつけられ6位に終わった。貨物Aには渡邉道理(基理3=富山・片山学園)が出場。渡邉もミスこそなかったが、タイムで上位に及ばず8位となった。そして、全日本フィギュア連覇が懸かるエース鷹尾は貨物Bに出場。しかし、1位の慶大選手には46秒のタイム差を付けられ、悔しさ残る3位に。早大は個人タイムこそ上位陣に及ばなかったが、4選手全員が少ないミスで走行をまとめ上げ、男子団体は3位を獲得。ダートトライアル、ジムカーナ、フィギュアの総合点でわずかに慶大を上回り、男子団体は全日本総合杯優勝の座を勝ち取った。一方、女子貨物に出場した城越はダートトライアル、ジムカーナに続く3種目の完全優勝を目指したが、タイムが伸びず3位に終わった。


貨物Bに出場した鷹尾。個人順位は3位となった

 男子個人では鷹尾が、女子個人では城越が個人優勝を果たし、全日本総合杯男女アベック個人優勝も成し遂げた。鷹尾は得意のダートで全日本2位を獲得し得点を稼ぐと、以降2大会も安定した順位でまとめ上げ、3年生ながら大学男子の頂点の座をつかんだ。城越は全日本完全制覇を達成すべく、ダート、ジムカーナに続きフィギュアでも優勝を飾りたいところだったが、トップに約1分差を付けられ3位に終わる。「周囲からの期待もあった上、自分もこれまでの練習に自信があったので、ただただ悔しい」と、城越にとって苦い公式戦最終戦となった。しかし、ダートとジムカーナで優勝を収めていた城越はなお圧倒的な成績で他大学の選手を突き放しており、全日本女王の座が揺らぐことはなかった。緑川も全日本総合杯男子個人3位入賞を果たし、早大からは3選手が個人の部の表彰台に上った。

 『負けない』戦略が早大男子団体を日本一に導いた。3種目の合計点で争う全日本総合杯を獲得するためには、必ずしも各種目で優勝することは必須ではない。早大男子団体は8月の全日本学生ダートトライアル選手権(全日本ダート)で団体4位、9月の全日本学生ジムカーナ選手権(全日本ジムカーナ)では団体3位、そしてこの全日本フィギュアで3位と安定した順位を残してきた。「私たちは『負けない』ことを意識して、部員にはよくそのことを言っていました」と川上優主将(商4=徳島市立)。個人タイムで圧倒するのではなく、ミスコースやペナルティーを最小限に抑えることで団体順位に貢献すること、それが今年の早大の持ち味だった。各大会の男子個人で個人優勝する選手こそいなかったが、全員が大崩れしないことを意識した。川上主将が語ったその戦略こそが、早大男子団体が日本一を勝ち取ることができた要因だ。


全日本総合杯表彰式で表彰を受ける自動車部員。左から女子個人優勝の城越、川上主将、男子個人優勝の鷹尾

 公式戦最終戦で見事、有終の美を飾ってみせた早大。自動車競技ではドライバーの技術とともに、車両作りやセッティングが重要なウエイトを占める。それを担う車両委員を務めたのが杉本勇斗(商4=神奈川・金井)だ。「これまでの早稲田は、車のせいで勝てないことが多かった」(杉本)というが、今年はチーム全体で車両整備に取り組んできた。全関東ダートの際は大会前日にミッションブローを起こしたが、一晩でミッションを載せ替え個人団体アベック優勝の快挙を成し遂げた。また、主務として改革の最前線を担ってきた荒巻利樹(文構4=東京・芝)は「ジムカーナでの新規車両の導入や各種競技での練習の大幅な拡大、そしてそれに伴う支出の増大、そのための部の運営システムの改良と乗り越えなければならない多くの課題がありました」とその苦労を語ったが、その難題を乗り越えることなしに大学日本一の結果はなかっただろう。城越は「この代で11年ぶりの総合杯が獲れたこと、一生の誇りになると思います」と添えて、同期の3人への感謝の気持ちを語った。そして主将の川上は「一番美味しいところを最後の最後にいただけて幸せ」と、苦悩を経て得た喜びを感慨深くかみしめた。2008年以来11年ぶりに全日本総合杯を獲得し、部の歴史に名を刻んだ今年度の早大自動車部。エース鷹尾は「ことしを黄金時代の始まりとしたい」と、来年の連覇に向けて既に気合十分。2019を原点に、名実ともに『常勝早稲田』へ――。これは、歴史の始まりに過ぎないのかもしれない。

(記事、写真 細井万里男)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません


全日本フィギュアでの賞状や盾を掲げる早大自動車部

結果

全日本学生運転競技選手権

▽男子団体の部

3位 早大

▽男子個人の部

乗用A 6位 慎
乗用B 6位 綠川
貨物A 8位 渡邉
貨物B 3位 鷹尾

▽女子個人の部

貨物 3位 城越

 

全日本学生自動車連盟年間総合杯

▽男子団体の部

優勝 早大

▽男子個人の部

優勝 鷹尾
3位 綠川

▽女子個人の部

優勝 城越




コメント

川上優主将(商4=徳島市立)

――11年ぶりの男子団体の総合杯獲得となりました。 今の気持ちをお願いします

正直実感が湧かないというのが、本当に正直なところです。逆に11年勝ってなかったというのが衝撃的なくらいです。以前に色々とトラブルがあって活動ができなかったというものあって、私たちの代はゼロからスタートした世代になってくるんですね。ですが、ゼロからのスタートとはいえ、指導してくれるOBの方が私たちの代が始まったころくらいから(部活に)積極的に来てくれるようになりました。OBの方たちの支えが、11年ぶりに勝てた要因じゃないかと思います。

――男子は鷹尾選手が、女子は城越選手が個人総合杯を獲得しました。2人の活躍をどう見ていましたか

城越に関しては1年生からの付き合いなので、「勝つだろう」と思っていたのが正直なところです。実際、余裕で勝ちましたね(笑)。さすがだなと思いました。鷹尾は(部活に)入ってきた時からやっぱり、速そうでした(笑)。速くなるためだけに部活に来て、速くなるためには手段を選ばないみたいな、そういうところがあるので、「勝って当然」という言い方も良くないかもしれませんが、あれだけ練習していたら勝つと思うし、めちゃくちゃ練習していたと思います。その結果が結んでよかったと思います。

――ダート、ジムカーナ、フィギュアの3種目の総合力が結実した結果だと思います。全日本へ向けチームで意識してきたことはありますか

『負けないこと』ですね。「負ける」という言葉を使うのはネガティブに捉えがちなのですが、やっぱり大きく負けるということが非常に、総合杯を獲得する上で障害になってきます。(自動車競技では)なかなか勝てないんですよ。なので私たちは『負けないこと』を意識して、部員にはよくそのことを言っていました。

――今回のフィギュアが、公式戦最後の大会となりました。引退となりますが、自動車部で過ごした4年間を振り返っていかがですか

正直、辛いことが9割5分で、楽しいことが5分でした。その5分が一番美味しいところですからね。そこを最後の最後にいただけて幸せだなと。それが1年間を振り返っての気持ちですね。良かったです。

――最後に、自動車部の主将として同期、また後輩へ伝えたい言葉や思いはありますか

仮に10年間勝ち続けようという目標を立てたとすると、それを達成するのは難しいことなのですが、いま勝ったということをばねにステップを踏んでやっていけば、(今後)まず負けることはないと思います。負けることのないようにきっちりやることはやって、この伝統を伝えてほしいと思います。僕ら4年生が作った伝統じゃ絶対にないですからね。今まで85年の伝統が詰まっていると思うので、しっかりと学んで勝ち続けてくださいと伝えたいです。同期に関しては、良くやめなかったなというのが一番ですね。何人も辞めましたからね、うちの代は。トラブルがあったというのは部活が活動していなかったことなのですが、トラブルがあって下級生として教えられることが(上級生から)何も教えられてないとなると、上級生になった時に下級生に示しが付かないわけです。それを補うためには努力をしなければいけないわけで、そこを頑張って上級生としてやっていくために勉強して、(部を)運営する側としてやることをやってきました。このことだけでもしんどいのに、ちゃんと辞めずにやってきた同期には感謝ですね。主将をやってきたのですが主将らしいことは何もしていなくて。主将という立場にいながら車両としては杉本、練習のやり方としては城越、お金を管理する主務として荒巻といて。主将は具体的な仕事はないのでね。役職ごとにちゃんとスペシャリストがいるので、助かったなというのが正直なところですね。

城越明日香(商4=福井・藤島)

――女子個人の部の総合杯獲得となりました。いまの気持ちはいかがですか

入部当初からの目標を初志貫徹することができて、何よりほっとしています。でも正直なところ、全日本3戦を完全制覇して総合杯を獲りたかったので、悔しさが残る結果となってしまいました。未だ実感が湧かないというのもあり、素直に喜び切れませんね。

――きょうのフィギュアでは、個人順位は3位となりました。きょうの走行を振り返って

慢心はしないと自分に言い聞かせていましたが、練習通りに走れば誰にも負けるわけないと思っていたので、まさか3位になるとは考えてもいませんでした。優勝タイムの4分40秒台はここ2週間の練習で安定して出せていたので、本番もこれくらいで走れるだろうと思っていました。しかし松代練習場で練習していたトラックがスタッドレスだったのに対し、本番はサマータイヤだったからか、ハンドルが異様に重く感じられました。もっと攻めの姿勢で行っていればタイムを縮められたかもしれませんが、本番だとミスが怖く、修正を入れてでも確実にこなすことを優先した結果、1位とは1分差、2位とはわずか1秒差で敗北を喫することとなりました。周囲からの期待もあった上、自分もこれまでの練習に自信があったので、ただただ悔しいです。上位2名ともノーマークである関西勢で、男子の部でも今年は予想以上に関西勢が伸びてきていました。これまでの全日本は関東勢の争いであっただけに、全体的に油断が出てきていたのかなと思います。今回の早大のフィギュアの結果は、男女ともに素直に受け入れるべきものなのかなと思います。

――きょうのフィギュアは公式戦最後の競技となりましたが、どのような気持ちで臨みましたが

今大会も勝って完全優勝を果たすぞ、という意気込みで臨みました。

――4年間一緒に活動してきた同期と、後輩へ向けてのメッセージをそれぞれ伺ってもよろしいでしょうか

まず同期へ。激動の4年間を一緒に過ごしてくれてありがとうございました。けんかの絶えない代でしたが、それだけ部のことを真剣に考え抜いた結果、この代で11年ぶりの総合杯が獲れたこと、一生の誇りになると思います。
そして後輩へ。不完全な私たち4年を支えてくれて、ありがとう。特に下級生はとっても頼りになりました。今年のチーム力を絶やさず、来年以降も総合杯を獲得し続けて、『常勝早稲田』の名を是非取り戻してください。

――今後も自動車レースはやり続けるのでしょうか

技術が落ちないうちに何らかの形で続けたいと思いますが、どの競技かはまだ決めていません。来年就職するので、仕事とモータースポーツの両立が次の目標です。

荒巻利樹(文構4=東京・芝)

――男子団体は11年ぶりの総合杯獲得となりました。いまの気持ちはいかがですか

月並みですが、本当に嬉しいですね。私たちの代は以前トラブルが発生して半年ほど活動ができなかった時期に1年生だったのですが、ある意味そこでどん底を経験した我々の最後の年に、ついに総合杯を獲得できたということをすごく感慨深く思います。また、4年間様々な形でお世話になった、尊敬する優秀な先輩方が成し遂げられなかったことを成し遂げられたということで、先輩方にも我々から少しは恩返しができたのかなと思います。私たちの活動を支えていただいた全ての先輩、OB、スポンサー、大学関係者他様々な方々に本当に感謝しています。

――4年生では主務を務めることになりました。ことし1年間を振り返っていかがでしたか

この1年は主務の私としても本当に激動の一年でした。ジムカーナでの新規車両の導入や各種競技での練習の大幅な拡大、そしてそれに伴う支出の増大、そのための部の運営システムの改良と乗り越えなければならない多くの課題がありました。当然ながら同期達とも時に激しい議論を交わすこともありましたが、壁にぶつかる度にどうすれば良いのか皆で考え、良いところを残しながらも様々な変革を起こすことができたのが勝利につながったのかと思います。また大きな変化にちゃんとやる気を持ってついてきてくれた後輩達の存在も大きかったですね。特に主務の仕事という面で見れば副務の渡邉の意見はかなり参考にしていましたし、彼の情報処理能力には非常に助けられました。また他の後輩達にも部の運営について非常に良い刺激をもらえました。

――荒巻選手にとって、自動車部で過ごした4年間はどのようなものでしたか

本当に色々なことがありましたが、総合的に見て、非常に実りがありそして刺激的な4年間でした。何よりも最高の仲間を得られたことが大きかったですね。もちろん活動が辛いこともありましたが、先輩方や同期、後輩達と話したり色々なことをするのが本当にいつも楽しくて、そのおかげで乗り切ることができました。また、運転の腕も整備の腕もそこまでではない私に主務という立場で活躍する機会をいただけたことには非常に感謝しています。私のしたことが早稲田大学自動車部80余年の歴史に少しでも何かを刻めていたとしたら、それは本当に光栄なことだと思います。

――最後に、4年間を共にした同期へかけたい言葉や思いはありますか

とりあえずありがとう、4年間一緒にやれて良かったと伝えたいですね。良いことも悪いことも本当に色々なことがあったけど、ここまでこられたのはこのメンバーだったからだと思います。皆の得意分野を生かした上で、真剣にぶつかり合ってきたからこそ、最後に素晴らしい結果を残せたのではないかと。本当に良い仲間と出会えたと思います。これからも仲良くしていきたいですね。

杉本勇斗(商4=神奈川・金井)

――男子団体は11年ぶりの総合杯獲得となりました。いまの気持ちはいかがですか

長年取れていなかった総合杯を取ることができて本当に嬉しく思います。最後の最後まで、取れるのかどうか分からず、不安でしたが、総合杯が決定した瞬間、とても感動したとともに、今までみんなでやってきたことが報われた気がしました。

――4年生では車両委員を務めることになりました。ことし1年間を振り返っていかがでしたか

今年1年はチーム力が試された年だったと思います。特にチーム全体で、車を作ることにこだわりました。これまでの早稲田は、車のせいで勝てないことが多かったと思います。それは、一人だけで頑張るからなんです。車両制作に関して言えば、早稲田の、一人だけで車を作るという体制は、いざとなった時に何もできずに終わってしまうんです。おととしの鈴鹿サーキットのように。しかし、今年は、大会前に車が横転したり、ミッションが壊れたり、車のボディがちぎれてエンジンを交換しなければならなかったり、いろいろな車両トラブルに見舞われましたが、だいたい翌日には直っていましたね。それは、チーム全員の車の走らせたい思いがそうさせたのだと思いますし、チームで強い連携ができたことの賜物だと思っています。来年はもっともっと強いチームになって勝ってくれることを期待してます。

――杉本選手にとって、自動車部で過ごした4年間はどのようなものでしたか

この4年間は私にとって、激動の4年間だったと思います。辛いことも、辞めたくなるようなことも、楽しかったことも、たくさんありました。一生かけても話尽くせないくらい、いろんなことがありました。充実した4年間のおかげで、いろいろなことが学べ、自分も大きく成長できたと思っています。

――最後に、4年間を共にした同期へかけたい言葉や思いはありますか

一緒に部活できて本当に楽しかったです。僕らの代は全員の考え方が全く違っていたりして、上級生になってからは部活の運営について毎日のように口喧嘩してた気がします。
ですが、今思い出すと、それもいい思い出です。同期にはいろいろ強く言って迷惑かけたけど、同期4人がいなければ、ここまでは来ることはできなかったと思います。今は、感謝の気持ちでいっぱいです。

鷹尾一成(先理3=神奈川・桐蔭学園中教校)

――11年ぶりの男子総合杯獲得となりました。いまの気持ちはいかがですか

素直に嬉しいです。エースとして今年1年間やってきて、自分の役目もちゃんと果たせたかなって感じました。全日本総合杯はチームとしてもずっと目指してきたところだし、3年生主体のまだまだ伸び代のあるチームでこのレベルまで到達できたのは、今の早稲田のレベルの高さを証明できたのではないかと思います。ことしを黄金時代の始まりとしたいですね。

――個人の部でも鷹尾選手は総合杯を獲得しました。この結果についてはいかがですか

個人に関しては嬉しいという感情より、やっと安心できるといった感情の方が大きいですね。個人総合杯は団体と異なって自分のミスが直接結果を左右するので、1年間ずっと神経を擦り減らされてきました。でも自分の速さを証明するという点では、全日本個人総合杯以上に相応しいものはないと思うし、今年一番目標にしてきたところなのでとても嬉しいです。来年は入部して以来の夢である、小野梓賞の獲得を総合杯2連覇で達成したいと思います。

――きょうのフィギュア、ミスがあったと思いますが、貨物Bで3位という結果にまとめました。きょうの走行を振り返っていかがですか

結果から振り返ると、タイムは今まで練習で走ってきた中でも最も遅いタイムだったし、そもそもペナルティーしてしまっていたというのはもはや計算外の出来事でした。他大学の選手達と相対的に3位だったというだけで、昨年優勝争いをした由利直輝(慶大)とは大きく差を付けられてしまいました。表面的には3位入賞は良かったかもしれませんが、内容的には「現状はまずいぞ」と痛感させられる一戦になったと感じます。

――4年生にとって最後の公式戦となりました。4年生へ伝えたい言葉や思いはありますか

とりあえず、4年間お疲れ様でした。やっぱり今の4年生は自分たちの1つ上の代であることもあり、1番お世話になった代ですね。3年生と4年生がお互いの代をリスペクトしあった、とてもいい信頼関係の気づけた代同士だったからこそ、チームとしてもこの結果がついてきたのだと思います。これから卒部されて、僕らの代が最高学年になってしみじみと色んなことを実感するんだろうなぁと思いますね。4年生の皆さん、今までありがとうございました。来年連覇を果たして、4年生を小野梓賞のメンバーの一員とできるよう頑張ります。

――来年、鷹尾選手は主将を務めることになると思います。最後に来年への抱負をお願いします

来年のシーズンはもう始まっていて、このオフシーズンが来年の結果を決めると言っても過言ではありません。今年の優勝は外的要因がいくつかあったことや大会当日に車両トラブルが起こらなかったなど、運が味方した場面も見受けられました。運も実力の内とも言いますが、まだまだ力不足な点は露呈しなかっただけで多いと思います。主将になってまもなくシーズンは幕開けを迎えますが、「勝って兜の緒を締めよ」とあるように、謙虚な気持ちを持って連覇に向けて0からチームを引っ張っていければと思います。