熱戦の続く全日本大学選手権(全日本インカレ)。早大はきょう、岐阜協立大と対戦した。第1、第2セットともに10点以上の差をつけて連取し、昨年の全日本インカレ王者としての貫禄を見せた。しかし、勝利まであと1セットとしたとき、度重なるミスから相…

 熱戦の続く全日本大学選手権(全日本インカレ)。早大はきょう、岐阜協立大と対戦した。第1、第2セットともに10点以上の差をつけて連取し、昨年の全日本インカレ王者としての貫禄を見せた。しかし、勝利まであと1セットとしたとき、度重なるミスから相手を勢いに乗せてしまい、4点差を一気にひっくり返され21-25とまさかの失セット。第4セットを取り返してセットカウント3-1(25-15、25-13、21-25、25-19)で勝利したものの、悪い流れを断ち切れなかったセットに課題の残る内容となった。

 組織力の差を見せつけ、早稲田らしいバレーボールで第1、第2セットを連取して迎えた第3セット。試練はここからだった。第3セットでのスタメンに起用された重藤トビアス赳(スポ1=神奈川・荏田)が2本のサービスエースを放って幸先の良いスタートを切ったものの、直後に武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)がアクシデントによりコートを後に。メンバー交代などでバタバタする中、宮浦のサービスエースや村山豪(スポ3=東京・駿台学園)のスパイクでなんとか立て直しを図っていく。しかし、攻撃がうまく決まらない早大と裏腹に、力強いクイックや意表を突いた軟打で連続得点を重ねる岐阜協立大。焦りからかサーブレシーブもなかなか上手く返らず、じりじりと差を縮められてしまう。ボールのお見合いやブロックで弾かれる場面も見られ、嫌な雰囲気が漂った。村山のクイックが立て続けにブロックに阻まれ、ついに19-20と逆転を許してしまった。「3セット目は技術ではなく自分たちが劣勢のときにどうしていくかというところで落としてしまった」(堀江友裕主将、スポ4=和歌山・開智)。最後まで岐阜協立大の勢いを止められず、21-25でセットを落としてしまった。


丁寧なトスを上げる中村

 第4セットは再び大塚がコートへ。ファーストポイントは失ったものの、村山の真下へ叩き付けるようなクイックや大塚のバックアタックが決まり、点数が拮抗したまま試合中盤へ。少しでも甘いボールを返せば、思い切りのいい攻撃をしかけてくる岐阜協立大。第3セットの逆転負けの記憶がある以上、安心できる点差ではなかった。しかし、ベンチメンバーがスタメンを鼓舞し続ける大きな声が響き、それに呼応するようにアタッカーが活躍を見せた。吉田悠眞(スポ2=京都・洛南)のスパイクや途中出場の上條レイモンド(スポ2=千葉・習志野)のブロックなど一挙に5連続得点。25-19でこのセットを取り、3回戦進出を決めた。


スパイクを打つ重藤

 劣勢に立たされたとき、チームを立て直せるかどうか。トーナメント方式で進む全日本インカレにとって非常に重要なポイントとなる。「相手は関係なく、自分たちのバレーを」と口を揃える早大の選手たち。あすの相手は学芸大を下した龍谷大。勢いに乗る相手をしっかり抑えていきたい。

(記事、写真 松谷果林)

セットカウント
早大25-15
25-13
21-25
25-19
岐阜経済大
スタメン
レフト 吉田悠眞(スポ2=京都・洛南)
レフト 大塚達宣(スポ1=京都・洛南)
センター 武藤鉄也(スポ4=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ3=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ3=大阪・大塚)
リベロ 堀江友裕(スポ4=和歌山・開智)
コメント

堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)

――きょうの試合を振り返って

序盤、入りは良かったと思いますが、やっぱり3セット目はメンバーが変わっただけであそこまで自分たちのバレーボールができなくなってしまったので、反省のほうが大きい試合となってしまいました。

―――第3セットについて振り返っていただけますか

3セット目の悪さは技術ではなく劣勢なときに自分たちでどうしていくか、というところでした。1年間ずっと課題にしてきたこの部分は、これまでの試合では点差で追いつかれることが少なく、あまりそういう場面が無くて。全カレ(全日本大学選手権)ではもちろんこういう場面も想定されますし、自分がキャプテンとして何もできていなかったなというところで反省しました。実際、相手は(勢いに)乗せたら怖いチームだということは見てて思ったので、結果として勢いに乗せてしまったところもよくなかったです。1,2セット目は上手く抑えられていたのですが……。4セット目に関してはまた0から始まるということで、気持ちをリセットしながら切り替えて、自分たちのやることをやっていこうという声をかけながらやっていきました。

――ベンチメンバーにアイコンタクトを取ったり、積極的に声をかけたりしている姿が印象的でした

全員で戦っていますし、気配りは主将としてもしていかないといけないなと思っています。6試合続くので、大塚(達宣、スポ1=京都・洛南)や宮浦(健人、スポ3=熊本・鎮西)も上手く休ませながらにしないといけない中で、リザーブにも良い準備をしてもらいたいと思っていますし、その場でできることを自分の中ではしたつもりです

――ご自身の調子は

めちゃめちゃ悪いというわけではないですね。ですが、チームが勝つために自分ができること、例えばレセプションの範囲を広げることや、駿介(中村、スポ3=大阪・大塚)が返しやすいパスを返すことなどはまだまだだなと感じています。「チームが上手く回るように」という部分では課題が残っています。

――コートから4年生がいなくなる場面もありました

そこは変に意識するのもよくないと思いましたし、3年生がプレーでチームを上手く引っ張ってくれたので、不安は全然なかったです。

――来週に向けて

きょうみたいな試合をせず、きょうみたいな悪い失敗をせずにまずは切り替えたいです。起きたことは仕方ないので、しっかり切り替えて準備したいと思います。