1Q2Q3Q4Q計早大32229九大11013▽得点者中小路2、奈須2、丸田2、小林大、岡田、永井 大学ラクロスの最激戦区とうたわれる関東地区を制し、関東代表として全日本大学選手権、通称インカレに駒を進めた青木組。全国各地の王者が集うインカ…

1Q2Q3Q4Q
早大
九大
▽得点者
中小路2、奈須2、丸田2、小林大、岡田、永井

 大学ラクロスの最激戦区とうたわれる関東地区を制し、関東代表として全日本大学選手権、通称インカレに駒を進めた青木組。全国各地の王者が集うインカレで、早大が準決勝で対峙(たいじ)したのは、九州王者の九州大だ。敵地・佐賀県に乗り込んで行われたインカレ準決勝は、MF中小路渉(社4=埼玉・川越)のゴールで先制すると、そこからは自慢の攻撃力で次々と得点に成功。関東を勝ち抜いてきた地力の強さが光り、9−3で勝利を収めた。

  早朝から雷雨に見舞われ、試合開始が1時間以上遅れた。選手たちは難しいコンディション調整を余儀なくされたが、「あたふたしないように準備していた」(DF青木秀斗副将、人4=東京・城北)と柔軟に対応。ようやく始まった九大戦で準備の良さを見せた。第1クオーター2分、中小路の先制ゴールで口火を切ると、その後も早大は積極的にシュートを放つ。11分には「得意なパターンで点が取れた」と振り返るDF奈須由樹(文3=東京・早実)にも得点が生まれ、序盤から早大ペースの試合運びとなった。続く第2Qは、途中出場のAT小林大祐(社3=東京・早稲田)が点を決めるなど、前半だけで5得点。後半に入ってもその勢いは衰えず、MF丸田敦司副将(商3=埼玉・早大本庄)の2得点などで、計9点まで得点を積み重ねた。


貴重な先制点、2点目を挙げた中小路

 だが、選手たちは試合内容について満足する出来ではなかったようだ。終わってみれば9−3と大差で勝利したが、失点シーンを振り返ると、ボールを奪うと一気に攻め込んでくる九大の攻撃に対応しきれず、ディフェンスが崩されて失点した場面も。「ディフェンスで割とよくないシーンが散見された」と奈須。さらに9得点を挙げたオフェンスについても、小林大は「オフェンスの良くないところが出てしまった」と反省を口にした。


デイフェンスながら2得点の活躍を見せ喜ぶ奈須

  関東王者を決める前回の東大戦が「完璧に近い出来」(中小路)であっただけに、この日の試合は納得のいかない部分も多かったのかもしれない。青木組が目指すのは、昨年全日本選手権で敗れたリベンジを果たし、『真の日本一』になること。圧倒的な強さを誇る社会人代表を倒すには、さらなるレベルアップは必須だ。この試合で課題が見つかったことを幸運と捉え、見つかった課題をどれだけ修正できるかが今後の命運を握るだろう。「チャレンジャー精神でぶつかっていきたい」と青木秀。さらなる成長を目指し、まずは今週末のインカレ決勝での勝利をつかみたい。

(記事 中島和哉、写真 中島和哉、山田流之介)

コメント

AT青木俊汰主将(法4=東京・早大学院)

――今の気持ちを教えてください

きのう佐賀に来て、普段とは違う調整の仕方であったり、きょう試合前も調整が難しかったりしたんですけど、内容はどうあれ、しっかり結果で勝つことができたので良かったなと思います。

――試合開始が遅れ、調整が大変だったと思います。チーム内でコンディションをどのように保っていましたか

試合はやるから、そのために各自が気持ちを切らさないように、何をしていてもいいから集中力を保ってくれとは常にみんなに言っていました。

――前半はパスを出すシーンが多かった印象でしたが、後半はご自身でシュートを打つシーンも見られました。ご自身ではどのように振り返っていますか

バランスをとることが自分の役割だと思っているので、もちろん行くときは行くし、行って相手が食いつくのなら他の人に預けてというのをやっていて、前半は一人抜いても次(の選手)が飛んでくるようなシーンが多かったので、パスを多く出していたんですけど、後半は点が取りたくなって、単純に自分で仕掛ける回数が増えたので、点は取れなかったですけど、取りに行った結果、後半はそういうシーンが増えたのかなという感じです。

――終わってみれば大きい点差になりましたが、きょうの試合振り返っていかがですか

やっぱり内容的にはまだまだな部分が多くて、オフェンス、ディフェンスともに最後の日本一を目指すためには、もっと隙を突く必要があるし、ディフェンスだったら隙を見せない必要があると思います。一人一人の技術もまだまだ成長できる部分だし、そこが最後の勝負の分かれ目になると思うので、そこのレベルをしっかり上げれるようにしたいです。きょうの試合はあまり上手くいかなかったので、また練習してやっていきたいなと思います。

――残り2試合への意気込みをお願いします

やることは変わらないと思うので、目の前の試合にしっかり集中して、1試合1試合やるべきことを明確にして、やりたいなと思います。

DF青木秀斗副将(人4=東京・城北)

――今の気持ちを教えてください

結果が出てホッとしているというのが正直な感想ですね。他の部員も東京で応援してくれているということだったので、絶対に結果を出さなければならないというプレッシャーはあったんですけど、しっかり役目を果たして勝つことができたので、ひとまず良かったかなと思っています。

――試合開始が遅れるイレギュラーもありましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか

いつでも出れるように準備しておこうと思って早めに準備していました。みんな各々リラックスした状態で、突然の動きにあたふたしないように準備していたので、そこは良かったかなと思います。

――九大はボールを奪うと一気に攻め込んでくる印象を受けました。プレーしていてどのように感じていましたか

個人の勢いはすごいありましたし、実際ヒヤヒヤした場面も多かったんですけど、こちらも対応できるところはしっかりして、直接的に失点に結びつくシーンが少なかったので、そこは良かったかなと思います。

――東大戦から2週間、チームではどのような準備をしてきましたか

正直チームの中では関東代表になったことでホッとした気持ちもあってか、うわついてしまった時もあったんですけど、今一度自分たちの目標や目的に立ち返って、今やらなければいけないことは何なのかを一つ一つ潰して来ました。

――大事な試合が続きます。残りの試合への意気込みをお願いします

今年1年間やってきたものをそこで発揮するだけだと思うので、相手がどうであれ、清うことなく、どんな試合も今までやってきたように、チャレンジャー精神でぶつかっていきたいなと思っています。

MF丸田敦司副将(商3=埼玉・早大本庄)

――今の気持ちを教えてください

しっかり勝ちきることができましたし、個人的にも2点決めきることができたので嬉しかったです。

――得点シーン振り返っていかがですか

前半で2回決めきれるシーンでシュート2本外してしまっていたので、しっかり決めきることを意識してやっていたのと、自分の強みである横の動きでディフェンスの裏を取ってシュートまでいけたので。良かったかなと思っています。

――以前ディフェンスMFからオフェンスMFに転向したとお話しされていましたが、転向後数試合終わって手応えはありますか

だんだんオフェンスのことが分かるようになってきて、自分の中でも最近ラクロスが楽しいと思えているところで、オフェンスMFになったばかりの頃よりは、落ち着いてオフェンスできているかなと思えています。自分の中ではまだまだ伸びしろがいっぱいあるんだと思っているので、残り2試合で伸ばせていければなと思います。

――残り2試合どのように準備していきたいですか

まずは全学決勝(全日本大学選手権決勝)です。去年は学部の試験で出場できなかったので、周りの人よりは全学決勝への想いは強いので、自分のできることをしっかりやって、勝てればいいかなと思います。

MF中小路渉(社4=埼玉・川越)

――今の気持ちを教えてください

調整が難しい中だったんですけど、ひとまず勝ててよかったなと思います。

――試合開始が大きく遅れました。どのように調整していましたか

じっとしていないようにしていました。長い間ずっと緊張していても疲れてしまうので、一回気持ちをリラックスさせて、みんなで和ませて、アップするとなった時に、パッと切り替えてみんなでスイッチを入れる感じで調整していました。

――先制点など2得点の活躍でした。得点シーン振り返っていかがですか

入りでつまづいてしまうと、ズルズル苦戦という展開になってしまうと思っていたので、自分がうまくチームに勢いをつけられたらいいなって思って、積極的に狙いに行きました。

――終わってみれば大差での勝利でした。きょうの試合振り返っていかがですか

結果的に9−3で6点差ついたんですけど、全然自分たちのベストを尽くせてなかった試合だったので課題は残ったんですけど、オフェンスとしては逆にいい経験になったというか。前回の関東ファイナルの東大戦は完璧に近い出来だったんですけど、ここでまた新たな課題が見つかったので、その課題をつぶしつつ、社会人を見据えてさらにレベルアップできればいいなと思います。

――大事な試合が続きます。残りの試合への意気込みをお願いします

全学決勝(全日本大学選手権決勝)で勝つのもすごい大事なんですけど、自分たちが目指しているのは社会人を倒して真の日本一になることなので、次の全学決勝までにまた一つレベルアップして、その試合をまた成長のきっかけにして、さらにまたレベルアップして、社会人と全力でぶつかりたいなと思います。

AT小林大祐(社3=東京・早稲田)

――今の気持ちを教えてください

目標である日本一のために勝たなくてはならない試合だったので、しっかり勝ち切れてほっとしています。試合前雷が鳴ったりして(試合開始が)遅れた中で、ちょっと調整が難しい中でもなんとかしっかり自分たちの形でできる部分もあったので、そこは良かったかなと思います。

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

きょうの試合は、ちょっと完璧とは言えない感じで、全体的にオフェンスの良くないところが出てしまったという感じなので、来週の決勝に向けてしっかり修正しなくてはいけないところがたくさんあるなと思います。

――よくないところとは

ちょっとこう、意識して動き続けるべきところで思考が止まっていたりとか、相手のディフェンスの思考の上をいくことができれば、もっともっと点を取れるチャンスがあったかなと思います。

――得点シーンを振り返ってみていかがですか

きょう自分はスタメンではなかったんですけど、行くところで突然出されても行けるように集中を切らさないようにしっかり準備をしていました。2区から出たんですけど2区でちゃんと最初のプレーとかその次のプレーくらいで点が取れたので、しっかり自分の中でまずボックスで相手を見てという、きょうに関しては準備はできたので、その結果点が取れたのかなと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

次勝って学生日本一になることが真の日本一に向けて絶対必要なことなので、しっかり勝ち切ること、きっと相手も強いと思うのでそこをしっかりリスペクトして。自分たちの形をもう1回見つめなおして、来週はよりベストな形で臨めるように、集中して1週間頑張っていきたいと思います。

DF奈須由樹(文3=東京・早実)

――今の気持ちを教えてください

慣れない環境の中で試合をっていうのもあって、雨とかで気持ち作るのも難しかったんですけど、無事勝ててよかったかなと思います。

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

ディフェンスで割とよくないシーンが散見されたので、そこは直さないといけないなっていう感じですかね。あんまりよくなかったですね。ディフェンスもオフェンスも、チームとしてきょうはよくなかった、(特に)ディフェンスがよくなかったですね。

――きょうはご自身2得点の活躍でしたがそのシーンをそれぞれ振り返っていかがですか

1点目はパスカットして結構長い距離走ったんですけど、自分の得意としている形で、ショート1枚だったら絶対抜くというっていうのを決めているので、そこで1点取れたのは良かったかなと思います。2点目は初めて左手で点とったので、ずっと右手でしか点を取ったことがなかったんですけど、ロングで左手で点が取れたのでうれしかったですね。

――内容のある得点になりましたね

そうですね。1点目は得意なパターンで点が取れて、2点目は今までにない感じでした。

――対談でも得点を取りたいとおっしゃっていました

ディフェンスだけどオフェンスもできる、点を取るっていうのが僕の持ち味だと思うので、それが発揮できたというのは良かったかなと思います。

――次戦はインカレ決勝です。意気込みをお願いします

関東代表とか、九州の思いも背負って戦うことになるので、絶対負けられないですし、きょねんのファルコンズのリベンジもしなくてはならないので。全学では負けられないという思いが強いので、しっかり勝ち切っていきたいなと思います。