写真:勝利の立役者となった趙大成(岡山リベッツ)/提供:©T.LEAGUE

Tリーグの見逃せない名勝負をラリーズ編集部独自の視点で解説する【T.LEAGUE 名場面解説】。

今回は11月23日に行われた岡山リベッツとT.T彩たまの一戦から、趙大成(チョデソン)と神巧也のビクトリーマッチ(1ゲーム限りの延長戦。以下、VM)を取り上げる。

試合は趙大成が11-7で神巧也を破り、岡山リベッツの勝利に大きく貢献した。また、趙大成は、第4マッチで日本代表を幾度となく苦しめているリアム・ピッチフォードをフルゲームの末に破るなど、この試合の勝利の立役者となった。

今年のチームワールドカップ代表にも選出され、絶好調な神巧也を下した趙大成。若手左腕の勝利には2つのポイントがあった。

ノジマTリーグ 岡山リベッツ対T.T彩たま:趙大成VS神巧也

■詳細スコア
〇趙大成1-0神巧也
11-7

1.趙大成の横上回転のショートサーブ




写真:趙大成のサーブ/図:ラリーズ編集部

趙大成は試合序盤にミドル前への下回転サーブを多用したが、神にストップレシーブから得意のフォアハンドを振られ、リードを奪われた。

厳しい状況の中、2-5で取ったタイムアウト明けに趙大成が出したサーブは神のフォア側に逃げていく横上回転のショートサーブであった。このサーブに対して神は長いボールでしか返球できず、趙大成が3球目攻撃で得点を重ねる展開を作ることに成功した。

試合終盤でも趙大成はこのサーブを使うことで、神を突き放した。タイムアウト明けに思い切ってサーブを変更し、一貫して有効なサーブを出し続けたことが、この試合の勝因の1つと言えるだろう。

2.台を広く使い、的を絞らせなかった巧みなレシーブ




写真:趙大成のレシーブの配球/図:ラリーズ編集部

横上回転サーブへの作戦変更の他に、レシーブの配球にもポイントがあった。

神の特徴はサーブからの3球目攻撃や、大きなラリーでの得点力である。神の攻撃をいかに防ぐかが鍵になるが、趙大成はフォアへの流しを有効に使い、終始レシーブのコースの的を絞らせなかった。

特に初回のレシーブでフォアへの流しを見せることで、バック側へのチキータレシーブに対して3球目強打をさせないことに成功。流しを終盤にも1本使い、最後まで的を絞らせなかった趙大成の冷静さが結果に結びついた。

VMという緊迫した状況でも、冷静にコースを揺さぶり、終盤の大事な場面で強気のチキータを見せるなど巧みなレシーブをしたことが2つ目の勝因と言えるだろう。

まとめ

11月現在の世界ランキングでは趙大成は138位、神巧也は52位と世界ランキング上の順位では劣っている。しかし、サーブの思い切った方針転換と台を広く使うレシーブを一貫した結果、勝利を掴み取ることができた。

試合中も終始落ち着いてプレーしていた17歳の趙大成。この日はピッチフォードにも勝利をあげており、この調子で成長すれば日本に立ちはだかる強力なライバルになる可能性もある。今後のTリーグでの彼のプレーに注目したい。

文:ラリーズ編集部