今年もこの時期がやってきた。今週末、東京・秩父宮ラグビー場で伝統の一戦が行われる。前節では、ロスタイムにSH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が逆転トライを挙げ、9年ぶりに関東大学対抗戦(対抗戦)で帝京大に勝利を収めた早大。次なる相手は宿敵・慶大だ。今年の対戦は関東大学春季大会。その時は、36―12と早大が令和最初の早慶戦を制している。慶大にとっては、全国大学選手権出場をかけて、早大にとっては、全勝優勝に向けてプライドがぶつかり合う大事な一戦だ。

 帝京大に劇的勝利をあげた早大。その試合はまさに激闘だった。先制したものの、ブレイクダウンで激しい攻防を繰り広げ、前半35分にミスから被トライ。帝京大のPGもあり、17―25と今季対抗戦で初めてビハインドで試合を折り返した。しかし、早大が帝京大にじりじりと迫る。「全員が集中をしていたので、トライを取れました」とフランカー幸重天副将(文構4=大分舞鶴)が振り返るように、最後は地力の高さを見せつけ、同じく全勝で並んでいた帝京大に白星をあげた。ただ、アンラッキーなかたちとは言え、パスミスから失点してしまう場面や、ディフェンスでの規律が乱れる場面など課題も残った。しかし、対抗戦での失点は最小の50。ディフェンスには確かな自信を持っている。

 


ディフェンスから流れを呼び込めるか

 対する慶大。既に2敗しており、大学選手権出場に向けもう後がない中、前節は明大と対戦。明大のミスもあり、1年生ながら司令塔を担うSO中楠一期のPGで先制したものの、強力なFW陣とタレントぞろいなBK陣に攻め込まれ最終スコアは3―40。ノートライに抑え込まれ完敗を喫してしまった。しかし、そんな慶大も力強さは健在だ。秋からニュージーランド出身の留学生2人が加入し、目下成長中。ロック/NO・8アイザイア・マプスア、CTBイサコ・エノサともに、公式戦初出場となった日体大戦で1トライを挙げるなどの活躍を見せている。そんなルーキーたちに加え、昨季から主力として存在感を見せるフランカー山本凱やフランカー川合秀和の抜群の突破力は脅威だ。ただ、課題も多く残る。特に、後半の失速は顕著だ。筑波大戦、日体大戦はいずれも、疲労から足が止まり始めた後半終盤に、ディフェンスの隙につけ込まれて得点を許し、途中までリードを奪っていながら敗北している。

 


ハンドオフから突破を図るエノサ

 早大の齋藤主将は早慶戦での注目ポイントに「ディフェンス」を挙げた。両者ディフェンスに注力し、チーム作りを進めてきたためだ。どちらがディフェンスからモメンタムを引き寄せるか。いよいよ11月23日、14時にキックオフを迎える早慶戦。悲願の『荒ぶる』に向けて対抗戦1位通過を狙う早大と大学選手権出場に向けて早大を倒し、帝京大戦に望みをつなげたい慶大の意地とプライドがぶつかる。勝つのは、対抗戦5連勝と勢いに乗る早大フィフティーンか、「陸の王者」の誇りをかけて挑む慶大か。注目が集まる。

 

(記事 初見香菜子 写真 石井尚紀、塩塚梨子)

コメント

SH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――早慶戦で勝負のポイントなる部分はどこだと考えていますか

 ディフェンスだと思います。慶大はディフェンスしたいチームだと思いますし、今季僕らもディフェンスから流れを作ろうとしているからです。どっちが反則せずに規律を守って我慢し続けられるかですね。相手の速く前に出てくるディフェンスに対しては受けない。自分たちから逆にそういうディフェンスに対して「仕掛ける」といった強気なアタックをしたいです。(前に)出てくるからといって、ネガティブにボールを下げるのではなく、(アタックラインの)深さをしっかり保ちたいです。つまりは、いつも通りのアタックをすることですね。そういった部分も含めて「仕掛け」が大事になってくると思います。相手のディフェンスは飛び出してくるというのもあって空いたスペースが出てくると思います。その部分を有効的に使えるか。そこが大事ですね。

――警戒している部分はどういったところでしょうか

今年の慶大はハイパントを多く使ってくる印象です。そこに対しても警戒したいです。

――最後に意気込みをお願いします

勝ちます。

  

 
 

 

早大出場予定メンバー
背番号名前学部学年出身校
久保 優スポ3福岡・筑紫
森島 大智教4東京・早実
小林 賢太スポ2東福岡
三浦 駿平スポ4秋田中央
下川 甲嗣スポ3福岡・修猷館
相良 昌彦社1東京・早実
幸重 天文構4大分舞鶴
丸尾 崇真文構3東京・早実
◎齋藤 直人スポ4神奈川・桐蔭学園
10岸岡 智樹教4大阪・東海大仰星
11古賀 由教スポ3東福岡
12中西 亮太朗商2東京・早実
13長田 智希スポ2大阪・東海大仰星
14桑山 淳生スポ4鹿児島実
15河瀬 諒介スポ2大阪・東海大仰星
リザーブ
16宮武 海人政経2東京・早大学院
17横山 太一スポ2東京・国学院久我山
18阿部 対我社2東京・早実
19中山 匠教4東京・成城学園
20大崎 哲徳文構2東京・国学院久我山
21河村 謙尚社2大阪・常翔学園
22吉村 紘スポ1東福岡
23梅津 友喜スポ4岩手・黒沢尻北
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
 
関東大学対抗戦Aグループ順位表(11月10日現在)
順位チーム試合得点失点得失トライ
明大55004045335160
早大55003665031655
帝京大540127310017342
筑波大5203167168‐125
日体大5203107275‐16813
慶大5203180909026
7青学大500540307‐2675
7成蹊大500531525‐4945
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。
関東大学対抗戦Aグループ星取表(11月10日現在)
 帝京大早大慶大明大筑波大青学大日体大成蹊大
帝京大●32‐3411/30 11:30秩父宮11/24 14:00秩父宮◯24-22◯80‐7◯59‐30◯78‐7
早大◯34‐3211/23 14:00秩父宮12/1 14:00秩父宮◯52‐8◯92‐0◯68‐10◯120‐0
慶大11/30 11:30秩父宮11/23 14:00秩父宮●3‐40●14‐17◯35‐3●27‐30◯101‐0
明大11/24 14:00秩父宮12/1 14:00秩父宮◯40‐3◯59‐33◯63‐12◯103‐0◯139‐5
筑波大●22-24●8‐52◯17‐14●33‐5911/30 14:00江戸川11/24 14:00敷島◯87‐19
青学大●7‐80●0‐92●3‐35●12‐6311/30 14:00江戸川●18‐3711/24 11:30敷島
日体大●30‐59●10‐68◯30‐27●0‐10311/24 14:00敷島◯37‐1811/30 11:30江戸川
成蹊大●7‐78●0‐120●0‐101●5‐139●19‐8711/24 11:30敷島11/30 11:30江戸川

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、菅平は菅平サニアパークM/C、筑波大Gは筑波大つくばグラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、上柚木は上柚木公園陸上競技場、たつのこFは茨城たつのこフィールド、ケーズデンキはケーズデンキスタジアム水戸、大和は神奈川大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場。