チームの重苦しいムードをロッテ角中のバットが一発で晴らして見せた。8月31日のオリックス戦。1-4と連敗ムードが濃くなった5回無死一、二塁で、今季8連敗中から5か月ぶりの勝利投手が目の前に見え始めたオリックス東明の145キロを右翼席上段へ運…

チームの重苦しいムードをロッテ角中のバットが一発で晴らして見せた。8月31日のオリックス戦。1-4と連敗ムードが濃くなった5回無死一、二塁で、今季8連敗中から5か月ぶりの勝利投手が目の前に見え始めたオリックス東明の145キロを右翼席上段へ運んだ。

■起死回生の同点3ラン&走者一掃三塁打で6打点

 チームの重苦しいムードをロッテ角中のバットが一発で晴らして見せた。8月31日のオリックス戦。1-4と連敗ムードが濃くなった5回無死一、二塁で、今季8連敗中から5か月ぶりの勝利投手が目の前に見え始めたオリックス東明の145キロを右翼席上段へ運んだ。

 起死回生の同点7号3ラン。アシストはベンチの伊東監督だった。「あえて引っ張りのサインを出した」と思い切りバットを振り切らせようという指揮官の意図に、角中も見事に応えた。「真っすぐが押され気味だったが振り切れた」。結果を欲しがる意識を右打ちのサインが払拭してくれた。

 その“いい感じ”は6回にも繋がった。2死満塁で左腕松葉から左中間に走者一掃の三塁打。「左投手で、インコースを投げるのは考えづらい。(外角に逃げる)スライダーを待っていて、2球目、普通に打てばヒットになる甘い真っすぐを見逃し(0-2と追い込まれて)終わったと思ったが、ストレートに食らいついていった」。外角高め143キロのストレートを完璧に捉えた。

 5回の3ランと合わせて実にプロ入り初の1試合6打点。3割4分9厘で2位日本ハムの西川を4分以上離し、2度目の首位打者は目の前だが、ここにきて打点も荒稼ぎ。日本ハムの中田らと打点王を争うチームメートのデスパイネには「試合中に、全部(走者を)さらってしまい(デスパに)謝っときました」と笑ったが、この10試合で3勝7敗と落ち込むチームにあって「誰も優勝をあきらめている人間はいない。疲れもそれほど感じない。あと1か月、フルでやるつもり」と完全燃焼を誓っていた。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count