ついに開幕した全日本の戦い。シニアに先立って、今月は全日本ジュニア選手権が開催される。アイスダンスに出場する高浪歩未(国教1=ケイ・インターナショナルスクール東京)・池田喜充(日大)組が、大会初日となるきょうはリズムダンス(RD)に臨んだ…

 ついに開幕した全日本の戦い。シニアに先立って、今月は全日本ジュニア選手権が開催される。アイスダンスに出場する高浪歩未(国教1=ケイ・インターナショナルスクール東京)・池田喜充(日大)組が、大会初日となるきょうはリズムダンス(RD)に臨んだ。RD自己ベストとなる53.93点の2位で、フリーダンス(FD)につなげた。


2つの曲調を演じきった高浪・池田組

 高浪・池田組は、今大会の最初を飾る演技を披露。観客の多さがモチベーションにつながったと池田が語ったように、場内はたくさんのファンで埋まっている。声援の中、プログラムの雰囲気をまとってスタートポジションについた。『Macavity: The Mystery Cat』の曲がかかると、冒頭から表情豊かに演技した。猫がじゃれ合うような振り付けは、高浪自身もお気に入りと語ったものだ。2人で目線を交わし、楽しげに演じる。歌詞に合わせながら、はっきりと緩急をつけて踊った。ツイズルで安定してレベル4を獲得すると、パターンダンスに入った。1つ目では3つ、2つ目では2つのキーポイントをクリアした。曲調がガラリと変わる後半、まずは伸びやかなステップで会場を包んだ。空気感を保ったまま、華やかなリフトを音に溶け込ませる。高浪をふわふわと持ち上げる振り付けで、優しげに演技を締めくくった。点数は53.93点とRDパーソナルベストを更新。「自分が目指していた50点台は一応乗ってきた(高浪)」と笑顔を見せた。2位であすのFDに挑む。

 今回、全ての要素で出来栄え点プラス評価を獲得。技術点と演技構成点の両方を、前回の披露時からしっかりと伸ばしてきた。先日パーソナルベストを更新したばかりのFDについても、「またパーソナルベストを出せるように頑張りたいです(高浪)」と向上心を見せる。「みなさんが楽しめるような演技ができたら(池田)」と意気込むあすのFD、もう1段階レベルアップした素晴らしい演技に期待したい。

(記事 犬飼朋花、写真 岡すなを)

結果

▽アイスダンスRD


高浪歩未・池田喜充組 2位 53.93点


コメント

高浪歩未(国教1=ケイ・インターナショナルスクール東京)、池田喜充(日大)※囲み取材から抜粋

――短期間での上達が見えますが手応えはいかがですか

高浪 点数を見ても自分たちが目標としていた53点で、自分の中で1つの目標としていた50点台が出せたので自分でもびっくりしているのですが練習成果が出たので納得している点数です。

――西日本での試合に比べ、西山真瑚(東京・目黒日大)・吉田唄菜(通信・N高)組との差が詰まっていますが

池田 練習した結果が実際に現れていると思います。ただ、まだまだ必要だなという部分を今回実感しましたし、まだ伸びるなということが分かってよかったかなと思います。

――伸びたと思うところ、足りないと思うところはどんな部分ですか

高浪 自分としては、まだ足りないのですが、よくなっていたのはトランジションが一番大きいのかなと思います。エレメンツとエレメンツの間で、プログラムを作ったときなどは「エレメンツやってます、はい、次のエレメンツ行きます」という、1つのストーリーというか1個ずつのエレメンツになってしまって。今回の演技ではそれが1つのストーリーとして、2分50秒のプログラムの演技ができたのかなと思います。

池田 歩未ちゃんと一緒で、しっかりとストーリーというものが見えるようになってきたかなと思います。もっと皆さんに分かるように、手の動きなどの表現をつけていけばよかったなとは思います。

――本日の演技を振り返っての感想をお願いします

高浪 1つ1つのエレメンツではなく、トランジションが良くなって1個のプログラムになったので、それが試合でも出せて自分ではとても気持ち良く滑れたなと思っています。ノーミスというのもありますが、ターンがあっていないなどの部分もあったので、その辺りはまだ強化していかないとなと思っています。

池田 いつも以上にお客さんがいっぱい入っていたので、僕の中のモチベーションがどんどん上がっていって、それがプラスになっていい演技ができたのかなということはすごく思います。

――今大会までに練習してきたことは

高浪 都民体育大会からこの全日本ジュニアまで1週間もなかったのですが、トランジションや1つ1つ手の振りなども、限られた時間でなるべくいっぱいこなすことができたかなと思います。

池田 やはりユニゾンという面やツイズル、あとは2人が手を持っていないところをできるだけ合わせるということで頑張ってきたので、今回それが目に見えるような演技ができたなとすごく思います。

――点数について改めていかがですか

高浪 自分が目指していた50点台は一応乗ってきたのですが、もっと上を目指すにはやはり50点後半、60点と目指していかなければなりません。この点数に納得はしているのですが、今後にはもっとGOE(出来栄え点)を上げなければいけないので、今後のシーズンに向けて、また来シーズンというのはユニゾンだったりエッジの正確さだったりをやっていかないとなと思っています。

池田 50点が今回出たので、それはすごく嬉しいことだと思います。終わったあと少しだけ、自分の中でもう少しこうしておけばよかったなと思うところがあったので、そこをもっと直していけばまだ点数が上がるなということが実感できた結果だったなと思います。

――パターンダンスが課題と前回おっしゃっていましたが

高浪 自分でやっていた感じで言えば、少しつまずいたというか詰まってしまった部分が何箇所かあって。エッジの正確さはまだジャッジスコアを見ていないので分かりませんが、そのつまずきが少し悔しいなというのは残っています。

池田 西日本での試合よりは僕は良くなっていたかなと思います。ただ歩未ちゃんの言うようにつまずいてしまったり、少し遅れが出てしまったりという点があったので、少し悔いがあるなという感じがします。

――FDに向けて意気込みをお願いします

高浪 80後半を目指して、またパーソナルベストを出せるように頑張りたいです。自分たち2人しかできないプログラム、強さや柔らかさが表現できたらなと追います。

池田 RDとは違って力強さや2人の愛を表現しているダンスになるので、みなさんが楽しめるような演技ができたらなと思います。