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多彩な武器を駆使して27.3得点、9.1アシストを記録

ホークスは開幕から連勝スタートを切ったものの、その後は勝ち切れない試合が続いてここまで4勝7敗と負けが先行している。ただ、その試合内容は抜群に面白いとの評価を確立しつつある。エンタテインメントとしての質の高さを生み出しているのが2年目のトレイ・ヤングだ。

ルーキーシーズンから1試合平均19.1得点、8.1アシストと才能を見せ付けていたが、今シーズンはさらに成長。リーグ7位の27.3得点、リーグ3位の9.1アシストとスタッツを伸ばしている。

もっとも、実際の試合を見ればそのインパクトはスタッツを上回る。ホークスがオフェンスに関してはヤングに全権委任していることもあるが、常に攻撃をリードし、自らのアクションでチャンスを作り出す。ステフ・カリーに匹敵する精度を持つロングレンジの3ポイントシュートがあるために、マークする相手はヤングがコートのどこにいても気が抜けない。詰めればドライブで抜かれるリスクも高いし、他の選手がヘルプに来てもフローターでかわすこともできれば、シュートブロックをかわすようにパスを出してアシストを記録することもできる。

スクリーンを使うと見せかけて逆方向に動き、その一瞬のズレを逃さずに決めるミドルレンジのシュートも大きな武器。こうして常に相手ディフェンスに対して先手を取ることで、ヤングは爆発的なオフェンス能力を発揮している。

ホークスではジョン・コリンズが禁止薬物が含まれたサプリメントを摂取していたとして25試合の出場停止を受けた。ヤングにとってはスクリーナーとしてベストパートナーとも言うべきコリンズの不在は痛手なはずだが、それでもパフォーマンスは落ちていない。

オフェンス面ではターンオーバーの多さ、ディフェンス面でのハードワーク不足は課題だが、それでも2年目にして向上は見られる。むしろ今はノビノビとプレーできるホークスの環境を生かし、そのオフェンス能力に磨きをかけるべきで、実際に試合ごとにプレーのバリエーションは増え、精度は増している。

今シーズンの目標を問われ「チームを勝たせること。試合終盤の勝負どころでみんなに信頼され、結果を出せるプレーヤーであること」と、完全なるエースの自覚を見せているヤング。そんな彼に対して「2年目のステフより断然上」、「数年後にはオールスター選手」と評価する声も大きくなっている。

個人のパフォーマンスとしてはすでに十分。あとはホークスをいかに勝たせるか。ここからクリッパーズ、レイカーズ、バックスと強豪相手の試合が続く。マークも厳しくなる中でヤングはどれだけのプレーを見せてくれるだろうか。