10月に関東学生選手権(秋インカレ)を制した早大は、勢いに乗って全日本学生選手権(全日本インカレ)が開催される兵庫・西宮に乗り込んだ。スナイプ級は、全日本学生個人選手権(全日本個選)覇者の松尾虎太郎(スポ3=山口・光)・海老原崇(法4=埼…

 10月に関東学生選手権(秋インカレ)を制した早大は、勢いに乗って全日本学生選手権(全日本インカレ)が開催される兵庫・西宮に乗り込んだ。スナイプ級は、全日本学生個人選手権(全日本個選)覇者の松尾虎太郎(スポ3=山口・光)・海老原崇(法4=埼玉・川越東)組を筆頭に、同大会7位、10位の組が出場メンバーに名を連ねる充実の布陣。470級もエース田中美紗樹(スポ4=大阪・関大第一)を擁し、1年間見据えてきた全日本インカレの総合優勝は現実味を帯びていた。だが、総合暫定2位で迎えた最終日、頼みのスナイプ級が大きく崩れ、470級もハイレベルな走りを見せた慶大、日大に歯が立たず。総合3位に終わり、目標はかなわなかった。

 西宮は風が弱い。選手たちはこの1年間常々そう口にし、弱風でのレースに備えてきた。実際に、レースを予定していた4日間のうち2日目と3日目は、弱い風が吹いたり止んだりする状況でノーレースに。初日と最終日に各2レースが行われ、計4レースが、日本一決定の舞台になった。大会初日のレースでは、スナイプ級で、入江裕太(スポ4=神奈川・逗子開成)・原潤太郎(商4=埼玉・早大本庄)組と蜂須賀晋之介(スポ2=茨城・霞ヶ浦)・海老塚啓太(政経3=神奈川・鎌倉学園)組が好走。蜂須賀・海老塚組は第1レースでトップフィニッシュを飾った。松尾虎・海老原組は普段と違い、伸びに欠けるレースになったが、スナイプチームとしては好調な滑り出しを見せた。対する470級は「なかなかスタートが全艇うまくいかなくて、苦しい展開」(田中)になったが、その中でも田中・新井健伸(商2=東京・筑波大付)組は4位、3位でフィニッシュ。総合では日大と15点差の2位につけた。


唯一の4年生ペアである入江・原組は、充実の走りを見せた。写真は最終日の出艇の様子

 2日目、3日目は正午頃まで無風の状態が続き、昼過ぎにようやく出艇。両日ともレースを開始したが、風が安定せずフィニッシュを前にノーレースを知らせる旗が上がった。そして迎えた最終日。15点差は決して大差ではなく、選手たちは逆転優勝を思い描いて、海に出ていく。しかし、この日最初の第3レースでは風が安定しないコンディションの中で両クラスともに振るわず。スナイプ級では松尾・海老原組がUFD(※1)を犯し、大きく点数を稼いでしまう。最終レースとなった次のレースでは、入江・原組が8位でフィニッシュし、「申し分のない、いいレース」(原)で集大成の大会を締めくくったが、スナイプチームとしては今季見せてきた強さを発揮できなかった。470級は最終レースを3艇とも上位でまとめたが、さらにレベルの高いレースを見せた日大、慶大に屈した。最終成績は総合3位。クラス成績も両クラスともに3位に終わった。着艇後には多くの選手が打ちひしがれたような面持ちで、中には泣き崩れる選手もいた。1年間総合優勝だけを狙って過ごしてきただけに、悔しさが募った。


総合3位で表彰を受けた秦和也主将(基理4=東京・早大学院)

 来年の全日本インカレも、兵庫・西宮で開催される。今年味わった悔しさを晴らすには絶好の舞台だ。今大会の敗因は何かという問いかけに対し、「(日頃の練習での)一つ一つの詰めの甘さ」(嶋田篤哉・文構4=神奈川・鎌倉学園)「英語(※2)を付けないというところを1年間目標にしてきたのになくせなかった」(海老原)、「6艇全ての点数をまとめる力が足りなかった」(原)というように、様々な課題をを口にした選手たち。1年後一段と強くなった姿で再び西宮に乗り込むために、真摯に課題に向き合うことが求められている。

(記事 町田華子、写真 大島悠希、加藤千咲)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません


部員全員による集合写真

※1 規則30.4(Black Flag Rule)に対する違反のこと。黒色旗が掲揚されている場合、スタート直前の1分間にスタートラインよりも前に出てしまうと、そのレースは失格となる。
※2 ヨット競技では反則、失格などを表す。

結果

▽470級

早大(田中・新井組、西村宗至朗(社2=大阪・清風)・秦和也(基理4=東京・早大学院)組、小泉凱皇(スポ2=山口・光)・嶋田組/倉橋直暉(スポ1=福岡・中村学園三陽)・吉村大(人4=埼玉・県浦和)組) 252点(3位)

▽スナイプ級

早大(入江・原組、松尾・海老原組、蜂須賀・海老塚/高橋康太(商4=埼玉・早大本庄)組) 279点(3位)

▽総合

早大 531点(3位)

コメント

470級クルー秦和也主将(基理4=東京・早大学院)

――優勝を逃す結果となりましたが、今の心境は

とても悔しいです。最終日離されるかたちになって、慶大と日大の走りが素晴らしかった。その2校を称えたいです。

――自身のレースを振り返ってもらえますか

風に翻弄されるレースになったと思いますが、納得のできる対応とはならなかったです。ただその都度にベストの選択をすることができて良かったと思います。(この結果が)今の実力であると思います。

――慶大や日大との勝負を分けたポイントは

きょうの1レース目(全体の3レース目)で早大は左海面を選んだのですが、風が入ってこなくて、そこで大きく離されるかたちとなりました。そこで反対側にいってた日大や慶大の走りが良かったです。

――早大のヨット部での4年間を振り返って

自分は高校から早稲田だったので7年間とも捉えることができるのですが、とても幸せな7年間だったと思います。高校から大学に上がって、大学のヨット部は素晴らしい環境でした。同期、それから優秀な後輩に恵まれて夢のような4年間を過ごさせてもらえました。幸運にも2年生の時に岡田奎樹元主将(平30スポ卒=現トヨタ自動車東日本)と組ませてもらえて多くのことを学ばせてもらえましたし、3年と4年時は西村宗至朗(社2=大阪・清風)とペアを組めて一緒に成長できました。本当に恵まれた競技生活でした。

――後輩たちに向けて、最後にメッセージをお願いします

4年間やってきて、楽しいことやうれしいことよりも辛いことが多かったのですが、その中でも部活の中で得た仲間や大きな経験が(自分は)できました。残り1年か2年か3年かは、それぞれ違いますが、悔いなくやってくれたらいいなと思います。

470級スキッパー田中美紗樹(スポ4=大阪・関大第一)

――今の率直のお気持ちを聞かせてください

悔しいですね、やはり。慶大は速かったので、1年間苦しめられた相手でもあった一方で、早慶戦では勝って、そうやって切磋琢磨してきた結果だったなと思います。

――現地入りしてからの調子や部の雰囲気はいかがでしたか

関東学生選手権(秋インカレ)で勝てたこともあって結構いい雰囲気で現地入りできて、現地に入ってからはなかなか風のないコンディションでしたが、その中でみんなしっかり最後まで集中して事前練習を終えられたことは良かったなと思っています。

――初日のレースについて振り返っていかがですか

初日は、なかなかスタートが全艇うまくいかなくて、苦しい展開ではありました。欲を言えばもう少し上位を取れていれば、違う雰囲気で残りのレースをできたのではないかなと思います。

――最終日のレースについては振り返っていかがですか

風が強い予報だったので、関東勢が走ることは予想できて、それに対して470チームとしてはしっかり慶大と日大に点差を離されないで食らいつくことで、あとはスナイプチームを信じて総合優勝をという話だったのですが、予想以上に慶大と日大は良く走って、そこに早稲田は食らいつくことができなかったので、単純に実力不足だったと思います。

――早大ヨット部での4年間を引退に際して振り返っていかがですか

現地入りしてからもそうなんですけど、ここ(西宮)がなじみのある土地だからこそ最後という感じが全然しなくて、あと3回くらい全日本インカレに出られるのではないかと思っているくらいなのですが、今ようやくじわじわと実感が湧いてきているような感じです。(全日本インカレで)勝った年、負けた年、2回ずつあって、それぞれの年で思うことは違ったのですが、どれもいい経験になったなと思います。高校までヨットを部活としてやってこなかったので、ヨット部というものに関われて、日本一を目指せる環境で戦えたという点でとても充実した4年間でした。

――来年以降日本一を目指す後輩に向けてメッセージをお願いします

最強の早稲田にしてもらえたらなという気持ちです。同じ地でリベンジできるチャンスがあるので、今年の経験をしっかり生かして総合優勝してもらえたらいいなと思います。

470級クルー嶋田篤哉(文構4=神奈川・鎌倉学園)

――今の率直な気持ちを聞かせてください

率直に悔しいというのが一番です。自分がヨットに対して本気になれたなと感じるのは3年生からなので、もっと早く本気で向き合うことが出来ていたら、470チームの結果が変わったのかなと思います。スキッパーを走らせるクルーになれたのではないかなと思います。まだ全然なれていないので、そこは自分が至らなかった点で悔しいです。

――初日のレースを振り返っていかがですか

初日は自分たちが崩してしまった場面があって、そこで課題だったのがスタートで出られなかったことだったので、次の時はスタートで出ることを意識してやって、最終日の2レースはスタートで出ることができたので、最後まで少しでも成長することができたのかなと思います。

――最終日のレースについて振り返っていかがですか

自分としてはいいスタートも切れたし、やるべきことをやった結果があれで、想像以上に日大と慶大が走ったという印象で、率直にすごいなというふうに思いました。

――勝敗を分けた部分は

一つ一つの詰めの甘さかなと思います。もっとずっと1年を通して甘いところがなく、やるべきことをしっかりやっていればという気持ちが強いです。

――早大ヨット部での4年間を振り返っていかがですか

正直、1、2年生の頃はなんでヨット部に入ったんだろうという思いがすごく強かったのですが、3、4年生になってから体育会に入って良かった、その中でもヨット部を選んですごく良かったなという思いになりました。

――来年以降また日本一を目指す後輩に向けてメッセージをお願いします

自分たちの代の仇を取ってくれという気持ちです。

470級クルー吉村大(人4=県浦和)

――今の率直な気持ちを聞かせてください

試合前はレースを終えた時どんな気持ちになるのか全く分からなくて、まさか負けてこんなに悔しいとは思わなかったのですが、かなり悔しいというのが率直な気持ちです。

――現地入りしてからの調子や部の雰囲気はいかがでしたか

かなり風がなくて本当にレースができるのかという環境の練習が続いたのですが、その割にはしっかりとコミッティーが風に対しても選手に対してもしっかり気を使ってくれて、レース自体はコンディションとしては良かったと思います。15点差で最終日を迎えた時点ではひっくり返すのは余裕だろうと思っていたので、かなりポジティブな雰囲気でいました。

――2日目のレースについて振り返っていかがですか

ノーレースになってしまったのですが、スタートで苦戦してそこからずっと上がれない状況でした。チーム全体に言えることだと思います。

――最終日の470級のレースを振り返っていかがですか

最終レースはかなり上げてくれて、点数も抑えて本当にいいレースができたなというところだったのですが、それ以上に慶大とか他の大学もかなり点数を抑えて締めてきたので、本当に他大が強かったなと思います。それなりに力を出し切ったうえでの敗北だったので、これが実力かなというように感じています。

――早大ヨット部での4年間を振り返っていかがですか

辛いことがいっぱいあって、引退してもせいせいするくらいの気持ちで終わるのかなと思った頃もあったのですが、やはりここのヨット部で4年間日本一を目指す環境でやってくることができて良かったなというのが率直な気持ちです。もう1回選べるとしてもヨット部に入りたいなと感じています。

――最後に来年以降また日本一を目指す後輩たちに向けてメッセージをお願いします

来年も西宮でやるということで結構イメージがしやすい状況で取り組んでいくことになると思うのですが、悔しさは努力に繋がる感情だと思うので、それを絶対忘れないで、臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の気持ちで優勝を目指してもらいたいです。

入江裕太(スポ4=神奈川・逗子開成)

――優勝を逃す結果となりましたが、率直な今の心境は

総合優勝をねらっていたので、それに届かなかったことは、自分たちのこれまでやってきたことの準備不足が大きかったのかなと思います。具体的には大会に来た時に絶対に勝てる雰囲気づくり、艇のチェックミスが多くあり、レースが終わった後に時間を割いてしまった。葉山や八景島でもう少しちゃんとした準備をし、西宮に来ることができなかったのが4日間を通して感じました。

――初日のレースを振り返って

初日は日大と15点差で折り返して、早大としてはいい入り方をできたと感じています。それはノーケース、ノートラブル、ノーリコールもそうですし、1位と点差がない。追い付かれるよりも追い抜く側だったので、気持ちとしても少しポジティブに考えることができたので、初日はいい入り方だったと思います。

――個人では初日から上位でフィニッシュを続けましたが

個人としては、すごくできすぎている。この4年間のインカレ(全日本学生選手権)の中で最もいい走り、スタートを切れました。両日とも前を走ることができた点は、最後までしっかりと成長できた点です。

――最終日は追い掛けるレースとなりましたが、振り返ってもらえますか

チーム全体としてレース数が2本と決められていて、その中で日大と15点差。チームとしてはその2本に全身全霊をかけて臨む姿勢はありました。ここに入る前から2日目と3日目は風がないと予測できていたので、4日目に風が入ることも予測できていたので、残り2本を6艇まとめるということは、朝から雰囲気づくりなどで心掛けてました。

――慶大と日大との勝敗を分けた部分はどこですか

慶大の470級がいい走りをしていて、自分たちが後からのスタートだったので、スピンが上がるのを見ながら早大が(順位が)上がらない展開が2レースとも続いたのが、まず1つ。きょうの風だったら、松尾虎太郎(スポ3=山口・光)含めて蜂須賀晋之介(スポ2=茨城・霞ケ浦)も自分より前を走るべき選手だったのですが、うまく風にフィットできなかった。どちらのクラスもうまくまとめられなかった早大に対して、慶大はしっかり3艇まとめてフィニッシュしたのが勝敗を分けたポイントだと思います。

――早大での4年間を振り返って

自分はレギュラーとして2年生から出させてもらえて、いい時も悪い時もしっかりと使ってもらえて経験を得れました。4年間を振り返るとあっという間でした。この前入学したのに、もう4年生になってインカレ最終日を迎えることになって、4年間のヨット部での生活は毎年人が変わっていく中で勝ち続ける難しさを感じました。2回の勝ちと、2回の負けを経験して、今年当然勝ちたかったし、それができなかったことはすごく悔しいです。4年間一緒にやってきた同期や、他大の同期など横のつながりを広げられたので、すごい濃い4年間でした。

――最後に後輩に向けてメッセージをお願いします

インカレは中々勝てない。ヨットレースはどのような展開になるか分からないことが多いので、不確実が多いからこそ確実なことを徹底して、英語のようなトラブルをしないように徹底する、ノーケース、ノートラブル、ノーリコールを徹底するのは基本だと思います。それに加えて、チームの雰囲気や3番艇や4番艇に誰が乗っても勝てるチームをつくっていく、部内での競争環境を高めていくことがインカレの総合優勝につながることなので、長い出艇時間をきっちりとやり抜くことがインカレ総合優勝につながることだと思います。来年に向けて今から競争が始まるので、1からチームをつくり直し、西宮で来年総合優勝できるチームをつくってもらいたいと思います。

スナイプ級クルー海老原崇(法4=埼玉・川越東)

――率直なお気持ちをお願いします

正直言って悔しいです。全日本インカレで優勝することを目標に1年間やってきて、結果3位だったのでかなり悔しいです。

――初日のレースを振り返っていかがですか

初日は2レースあったんですけど、自分たちはいつものように前で走れる展開ではなくてスタートも、上マーク回っても後ろの順位だったりと苦しい場面が続いたんですけど、他のスナイプの入江(裕太、スポ4=神奈川・逗子開成)だったり蜂須賀(晋之介、スポ2=茨城・霞ケ浦)が走ってくれたので、チームとしては初日はいい雰囲気で終えられました。

――最終日のきょうのレースを振り返っていかがですか

きょうは自分たちの得意な強風でのレースだったんですけど、葉山のように前で走ることができなくて焦ってしまう場面もありましたし、トラブルもリコールもあったので非常に悔しいレースでした。

――前で走れなかったというのは風が読み切れなかったためですか

そうですね。自分は4年目で初めてこの西宮に来て、土地の傾向をつかむことができなくて結構叩いてしまうことが多かったですね。

――全日本インカレ期間、四日間のチームの雰囲気はいかがでしたか

初日は日大と16点差で終えることができたので、雰囲気がいいまま最終日を迎えることができたんですけど、最後優勝できなかったのでやっぱり悔しいです。

――チームとして勝敗を分けたのはどのような部分だと考えていらっしゃいますか

英語を付けないというところを1年間目標にしてきたのに英語が出てしまったり、トラブルもいくつかあったりしたので、それをなくせなかったことが原因だと思います。

――早大ヨット部で過ごした四年間を振り返って今はどのようなお気持ちですか

ヨットという競技を自分は初心者から始めたんですけど、部員のみんなと共同生活する中で人としても成長できましたし、競技面でも個人戦(全日本学生個人選手権)での優勝など、大きく成長できた四年間だったのでヨット部に入ってよかったなと思います。

――同期と後輩にメッセージをお願いします

同期に関しては今までありがとうと伝えたいですね。後輩には自分たちは優勝できなかったんですけど、後輩には絶対優勝してほしいので来年まで頑張ってほしいということを伝えたいですね。

スナイプ級クルー高橋康太(商4=埼玉・早大本庄)

――今の率直なお気持ちをお聞かせください

着艇後は悔しくて泣いてしまったんですけど、最後に同期と話して、今はすがしがしい気持ちです。

――ご自身が出場されたきょうのレースを振り返っていかがですか

きょうは北風の強風が吹いていて、自分たちとしてはしっかり走れると思っていたんですけど、どうしてもスタートや風の強弱をつかみきれなかった印象です。

――2、3日目はノーレースとなりましたが、どのような気持ちで過ごされましたか

監督(関口功志監督、平15人卒=愛知・半田)もおっしゃっていたんですけど、日大と16点差というのは早稲田にとってポジティブな位置で、レーが行われなくても自分たちは優位に立っているというのはチーム全体の認識としてありました。

――4日間、チームの雰囲気はいかがでしたか

1年間を通してポジティブな雰囲気を作ってきた成果が出ていて、16点差を前向きに、絶対逆転できると思いながら全員が動けていたと思います。

――勝敗を分けた要因はどのように考えていますか

最後、慶應に負けてしまったんですけど、自分たちがやってきたことは間違っていなかったと思うので、風をつかみきれなかったところが敗因だったと思います。

――早大ヨット部で過ごした四年間を振り返ると、今はどのようなお気持ちですか

辛いことが多い四年間だったんですけど、終わってみると、かけがえのない仲間と自分にとってすごく財産になったと思います。

――同期、後輩にメッセージをお願いします

本当に感謝しかないですし、自分がここまでやってこられたのは同期と後輩がいたからだと思うので、来年以降も日本一を目指して頑張ってほしいなと思います。

スナイプ級クルー原潤太郎(商4=埼玉・早大本庄)

――率直な今のお気持ちをお聞かせください

レースが終わってからだんだんと悔しさがこみ上げてきて、観覧艇から応援してくれた若手のOBの方が「お疲れ様」と声をかけてくださった瞬間に、今までお世話になった人の顔が浮かんできて、勝てなかった申し訳なさで泣いてしまいました。着艇してからは一緒に戦った同期、チームと顔を合わせてだんだんと、終わったんだと晴れやかな気持ちになってきたところです。

――初日のレースを振り返って

スナイプ級は3艇中2艇がちゃんと走れて、虎太郎(松尾、スポ3=山口・光)もまとめてきてくれたので、上々すぎる仕上がりだったと思います。470チームに関しては予想通りのスコアだったので、2日目につながる2レースだったと思います。

――2、3日目はノーレースとなってしまいましたが、どのようなお気持ちで過ごされましたか

いつレースが始まってもいいという気持ちで準備していたので、気持ちのオンオフは切り替えられたので、特にストレスを感じずに4日目に向けて準備できました。

――最終日のレースを振り返るといかがですか

個人としては最後の全日本インカレの最終日に申し分ない、いいレースができて個人的にはすごくうれしいレースでした。スナイプチームとしてはなかなか3艇がまとまらなかったんですけど、1レース目終わってから僕ら以外の2艇の雰囲気が悪くて、2レース目いってもやっぱり悪くて、そこは脆さが出てしまったかなと思います。

――勝敗を分けた要因はどのようにお考えですか

それは着艇してからずっと考えていたんですけど、チームの雰囲気はすごくよかったですし、技術力も全日本(インカレ)で戦えるレベルだったんですけど、6艇全ての点数をまとめる力が足りなかったのかなと、慶應との一番の差はそこだったのではないかと思います。

――早大ヨット部での四年間を振り返って

初心者として入部して不安もあり、最初の頃はヨットにも乗れないし、何だこの部活と思ってたんですけど、それでも1年生の時は4年生が優勝してこの部活ってすごくいいなと思って。2年目、3年目ときて、やっぱり四年間の中でこの1年が一番濃かったです。最上級生だったこともありますし、主務として仕事をして、実際みんなに当たり前の環境をつくることで精一杯で、競技力の方に力を当てられたかというと100パーセント当てられた訳ではなくて、そこはちょっと悔しい部分ではあるんですけど、後輩が「4年生が引退したら寂しいです」と言ってくれる一言だけで、それが僕らの代の全てじゃないかと思います。

――最後に、同期と後輩に向けてメッセージをお願いします

同期へは、この四年間で色々衝突もあったりひとつになったりあったんですけど、上3代を見ても下3代を見ても僕はこの代でよかったと思います。またこれからもよろしくお願いしますと伝えたいです。後輩に向けては、来年もまた西宮なので今回のレガッタの反省を生かして一年間チームづくりに励んでいってもらって、この悔しさを晴らしてもらいたいです。頑張ってね、と言いたいです。

マネジャー大西真凛(文4=茨城・並木中教校)

――今のお気持ちをお聞かせください

めちゃくちゃ悔しいです。

――4日間、レースをどのようなお気持ちでご覧になっていましたか

風がない時は吹け~とずっと思っていて、3日目は1上マークでノーレースになってしまったんですけど、得点計算してみたら日大と2、3点差にまで詰めていて、ノーレースはすごく悔しかったですし、あの時レースできていればなと感じます。

――4日間、部の雰囲気はいかがでしたか

ほどよい緊張感があったと思います。私はたまやボートにずっと乗ってたんですけど、下級生中心で7、8人の大所帯でオンオフがしっかりしていました。風待ちの時間は和気あいあいと過ごして、レースが始まったら本当に真剣にみんな仕事に取り組んでくれたので、楽しみながらレースに臨めたと思います。

――早大ヨット部での四年間を振り返って今のお気持ちは

私はほぼ毎日辞めたいと思っていたんですけど、辞めたいくらい辛い中でなんで辞めなかったかというと、入部したときにこの部にマネジャー文化をつくると決めていたので、今振り返るとマネジャー文化が根付いていると感じるので、自分の目標を達成できて満足した気持ちです。

――同期と後輩にメッセージをお願いします

本当に感謝しかないです。支えてくれてありがとうと思いますし、みんなが頑張っている姿を見て頑張れました。