第19節は順大との一戦。40分に佐藤亮主将のゴールで先制に成功するも、53分に相手の同点弾を許す。迎えた70分、途中出場の狩土名が一瞬の隙を狙ったゴールで勝ち越しに成功。3年ぶり5度目の優勝を果たした。 同点のまま迎えた62分。狩土名の名…

 第19節は順大との一戦。40分に佐藤亮主将のゴールで先制に成功するも、53分に相手の同点弾を許す。迎えた70分、途中出場の狩土名が一瞬の隙を狙ったゴールで勝ち越しに成功。3年ぶり5度目の優勝を果たした。

 同点のまま迎えた62分。狩土名の名前がスタジアムに響き渡ったのはその時だった。「もちろん、準備はできていた」。ケガに苦しみ続けた自身にとって、約1年ぶりの公式戦出場。それでもやることは変わらない。この局面で、求められているものはわかっていた。出場から8分後、決定機が訪れる。「神様がくれたチャンスだと思った」。PA(ペナルティエリア)内で相手DFがクリアしたこぼれ球が狩土名のもとへ。「すぐに打てば相手は反応できない」。その確信はゴールへと結びつく。左足を振り抜くとボールはニアサイドのネットヘ吸い込まれた。相手FW旗手怜央を中心とした攻撃に苦戦していた中、起死回生のゴールを決めた狩土名。「最後に美味しいところを持っていかせてもらえた」。チームは勝ち越し弾の後も猛攻を受けるが、DF陣の手堅い守備、そして加藤大のファインセーブが光り、逃げ切りに成功。3年ぶりの栄冠を勝ち取った。

 圧倒的な力を見せ続け、駆け抜けたリーグ戦。次節勝利すれば勝ち点は55となり、2017年に筑波大が記録した最多勝ち点54を更新することとなる。次節の相手は奇しくもその筑波大。リーグ戦で唯一、土をつけられた相手としてリベンジに燃えている。「同じ相手に2度は負けられない」(須貝)。前期の雪辱を果たすことを誓った。

 目標達成にも大きく前進した。「結局インカレを取らなかったら前と同じだけ」(森下)。2冠は通過点。先代にはない新たな歴史を作るにはインカレの優勝が絶対条件だ。昨年、1回戦で敗退した苦い記憶のある大会。しかし、チームは〝挑越〟を、テーマに掲げこの1年結果を残し続けてきた。強大な壁にも果敢に〝挑〟み、〝越〟えてきた自信がある。3冠はもう夢ではない。

[市瀬義高]

試合後のコメント

栗田監督

――優勝の感想をお願いします

「今年で創部98年になりますが、歴史に名を刻めたことでうれしく思います。順大には苦戦しましたけど、今日の勝利というよりも1年間の積み重ねが出たことを非常にうれしく思います」

佐藤亮

――得点王が見えてきました。

 「試合が始まる前に2位の選手に追いつかれたので、そこは少なからず意識していました。欲を言えばもう1点、2点取れる場面がありましたが、チームが勝って優勝することだけを考えていたので、自分の役目を抑えながらプレーしました。でも1点取れたのは良かったです」

福田

――今節がリーグ戦デビューとなりました。

「今週1週間スタメン組の方でトレーニングさせてもらって、今まで関東リーグを経験してきた先輩のスピードは速いなと感じていました。小野寺さんや瀬古さんが気にかけてくれて自分もプレーしやすかったです。ですが、個人の力不足、走り負けてしまった部分があったので、今後の課題として明確になりました」