例年以上に全日本選手権の出場争いが激しくなっているシニア男子。山隈太一朗(営1=芦屋国際)がFS(フリースケーティング)で、本来の力を出し切り優勝。鎌田英嗣(営4=獨協)も3位で表彰台に上がり、明大からは2名が全日本選手権に出場を決めた。

10・24~27 東日本選手権(風越公園アイスアリーナ)

 本来の演技を取り戻した。今季今一つ調子が上がらず、SP(ショートプログラム)を3位で折り返した山隈。昨年度まで戦っていた西日本ブロックよりも少ない枠を争う東日本ブロックは「失敗をすれば落ちてしまう。とても怖かった」と、東日本選手権ならではの難しさを感じていた。それでも持ち味である高さのトリプルアクセルを2本成功させるなど、ほぼ完ぺきな演技を披露。「今回はプログラムを一つの作品にできるように」することを意識し、思い切った演技で復活の逆転優勝を果たした。

 大学生活3年間で3回全日本選手権に出場している中野耀司主将(営4=横浜創英)。ラストシーズンとなった今季も全日本選手権出場を目指した。しかし、SPは力を発揮することができず、出場圏内ギリギリの6位スタート。それでも毎年東日本選手権やインカレの勝負所で見せる勝負強さをFSでも発揮すると、誰もが信じて疑わなかった。

冒頭のトリプルアクセルとダブルトーループの連続ジャンプを着氷、続くトリプルアクセルも何とか堪える。ルッツが1本パンクしてしまったが、それ以外の目立ったミスはなくフィニッシュ。「ギリギリ全日本にいけたのではないかと思った」と、全日本への手応えをつかみながら点数の発表を待った。しかし、アナウンスされた点数は『100.15』。「正直ショックだった」。想像よりも点数は伸びず、FSは結果9位に沈んだ。最終的な総合順位は8位となり、中野は全日本選手権を大学生活で初めて逃すことになった。「小さな取りこぼしが多かったから納得。今できる演技はやれた」と、結果を受け止めた。また鎌田詩温(商4=札幌一)も総合11位で、4年生2人が全日本選手権出場を逃す結果となった。

 山隈の逆転優勝の感動と共に、4年生2人が全日本を逃すという悔しい結果に終わった東日本選手権。全日本選手権に出場することができない選手の思いも背負って、全日本選手権の舞台で躍動する。

[大西健太]

試合後のコメント

山隈

――東京選手権の際に点数が出づらいことに悩んでいましたが、FSでしっかり点が出た要因は何でしょうか。

 「一つの作品としてみた時に、今までだとアクセルは降りたけれど、少し重たいなとネガティブな要素がおそらく演技の中から出てと思います。今回は一つの作品として細かいミスはあったとしても、雰囲気が良くなると自ずと点数も上がってくるかなと思ったので、どれだけ一つの作品としていいものにできるかということを意識しました」

鎌田英

――SP1位がプレッシャーになったところはありますか。

 「多少ありました。それよりも今までつかみ取りたい、ここから這い上がりたい、このままで終わるかという気持ちで演技をすると、結果が出るという傾向がありましたけれど、今回は守ってしまいました。逃げ切りたいという気持ちになってしまって、最悪行ければいいという気持ちでやってしまったところが敗因だったのかなと思います」

――社会人1年目の同期に東日本に向けて激励をもらうなどはありましたか。

 「残念ながらないです。けれどもブロックの前に1度集まった日がありました。『頑張ってくれ』と一言言われて、その一言だけで僕には伝わっていますし、みんな絶対応援してくれています」

――良い報告ができますが。

 「わざわざ報告はしないと思います。みんな絶対見ているので。どこかで会う、そのタイミングで良かったねなど言ってもらえれば嬉しいです。特に仲が良いのでわざわざは言わないです」