まさに〝黄金世代〟だ。全日本選手権出場6枠を懸けた一戦。SP(ショートプログラム)を5位で通過した井上千尋(商2=椙山女学園)は気迫ある滑りで自身初の全日本選手権出場。残り3選手も6位以内に入賞し、明大は出場した4選手全員が全日本への切符…
まさに〝黄金世代〟だ。全日本選手権出場6枠を懸けた一戦。SP(ショートプログラム)を5位で通過した井上千尋(商2=椙山女学園)は気迫ある滑りで自身初の全日本選手権出場。残り3選手も6位以内に入賞し、明大は出場した4選手全員が全日本への切符を手にした。
◆10・24~27 東日本選手権(風越公園アイスアリーナ)
▼7・8級女子(総合) | ||
3位 | 佐藤 伊吹 | 143.13 |
4位 | 松原 星 | 141.56 |
5位 | 井上 千尋 | 136.53 |
6位 | 大矢 里佳 | 131.16 |
悲願達成だ。SPで5位につけ、全日本出場枠圏内でFS(フリースケーティング)を迎えた井上。「自分が後悔しない演技をする」(井上)と意気込み臨んだ。冒頭のトリプルトーループを見事着氷すると、続くダブルフリップも決め順調な滑り出しを見せる。圧巻だったのはイーグルからの3連続ジャンプ。鮮やかなジャンプに会場は拍手喝采する。また自身でも「見せ場」と語る軽快で力強いステップやスピンで『ロミオとジュリエット』の世界観を表現し、観客を魅了した。合計134.53で5位となりノービス・ジュニアを通じ初めての全日本選手権への切符をつかんだ。さらに大学入学後から師事している佐藤信夫氏は64年連続で全日本の舞台に立ち続けている。「私で途切れさせてはだめだ」(井上)という思いを胸に連続出場を守った。
昨年度あと一歩のところで全日本出場を逃した大矢里佳(商3=中京大中京)。SPはジャンプのミスが目立ち9位に。後がない中迎えたFSだったが「この1年全日本に行きたいという思いで練習してきた」という強い思いが大矢を奮い立たせた。ジャンプにミスはあったものの、『美女と野獣』を堂々とまとめ上げ、総合6位。崖っぷちから逆転で全日本出場を決めた。
〝黄金世代〟たる強さを見せつけた。SPを1位、2位で通過した佐藤伊吹(政経1=駒場学園)、松原星(商1=武蔵野学院)はともにジャンプのミスが尾を引いたが、佐藤は3位で表彰台に上がり、松原は4位。出場した4人全員で全日本出場を決めた。その中でもそれぞれが納得する演技で終えたとは言えない。全日本まで約2か月。コンディションを含め上手く調整し、自己ベストを更新する滑りを披露したい。
[加川遥稀]
試合後のコメント
大矢
――演技を振り返っていかがですか。
「だいぶミスをしてしまったので、思ったような演技ではなかったです」
――ジャンプがうまくいかない中でどのように修正していきましたか。
「ループで転んでしまった時も焦らずにその後のジャンプを決められたのは集中できていたからだと思います」
――全日本に向けての意気込みをお願いします。
「全日本は楽しく、気持ちよく滑れるように、終えた後笑顔になれるように頑張りたいです」
井上
――初の全日本出場、今の率直なお気持ちをお聞かせください。
「すごくうれしいのですが、まだあまり実感がないです」
――SPは5位、FSはどんな気持ちで臨みましたか。
「先生にも欲を出さずに自分のできることをしてきなさいと言われていたので、とにかく自分が後悔しない演技するというのを心に決めて臨みました」
――全日本出場をまず誰に伝えたいですか。
「家族です。今日も来てて結果を知っているのですが、とりあえず伝えたいです」
――最後にお母さんに向けて一言お願いします。
「いつもありがとう(笑)」
佐藤
――涙を流す場面もありました。
「SPが良くて、このままFSもそろえられたらいいなと思っていたので、それができなかったのが悔しいです」
――昨年度の全日本、今回の東日本で悔しい思いをして、今年の全日本はいろいろな意味でリベンジの大会になるのではないでしょうか。
「東京でやるというのもあって自分の期待もそうですし、先生や周りの期待にも今年こそは応えたいと思います」
松原
――演技を振り返っていかがですか。
「ひどかったですが、次につながる大会になってよかったです」
――全日本での目標をお聞かせください。
「とりあえずルッツとフリップを戻して、練習でミスばかりしているので、まずは練習からミスなく演技できるようにやっていきたいと思います」