2週間の休止期間を経て、ついに上位リーグでの戦いが始まった秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)。早大は前節の試合でフルセットの末ストレート負けを喫した神奈川大と対戦した。主力メンバーである山下日和(社1=千葉・市船橋)がけがにより欠場する…

 2週間の休止期間を経て、ついに上位リーグでの戦いが始まった秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)。早大は前節の試合でフルセットの末ストレート負けを喫した神奈川大と対戦した。主力メンバーである山下日和(社1=千葉・市船橋)がけがにより欠場する中での初めての試合。「この試合は入れ替え戦にもつながってくるため絶対に勝とうという気持ちで臨んだ」と井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)は語る。度重なるフォーメーションの変更、そして先日敗戦した相手とあって予測のつかない不安な状態ではあったが、2週間で体制を修正してきた早大はセットカウント3-0(25-23、25-19、26-24)でストレート勝利を収めた。

 この2週間の練習として、多くの選手から挙がったのがつなぎ。その練習の成果が表れた試合となった。第1セットは相手に先制を許すも、変更したフォーメーションに徐々に慣れ、流れを早大のものにしていく。相手のサーブミスで得点すると、そこから一気に中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)のスパイクで合計4連続得点を決める。その後も中澤、富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)の攻撃陣を中心に点を重ね、リードを譲らない早大。勢いそのまま第1セットを先取した。続く第2セット。序盤は一進一退の攻防が続くも、富澤のクロススパイク、橋本美久(社2=福島・郡山女大附)のサービスエースなどで4連続得点を決め、10-7と相手を突き放す。神奈川大も2連続でサービスエースを決めるなどして応戦するが、相変わらずペースは早大に。中盤には井上のサービスエースから相手を崩してチャンスボールをつくったところに中澤がスパイクを決める好プレーが見られた。その後も吉内文(スポ3=山口)のスパイク、富澤のブロックなどで5連続得点を奪い22-17。1点を決めるごとに早大応援席からは歓声が上がり、拍手が沸き起こる。最後は河治えみり(社3=北海道・旭川実業)のレシーブから中澤のスパイクで25点目を決め、6点の差をつけてセットを連取した。


自陣の得点に喜びをあらわにする吉内

 迎えた第3セット。序盤からクロススパイク、サービスエースなどで相手に4連続得点を奪われ4-8とリードを許す。しかし、中澤、富澤のスパイクで3連続得点、さらにもう一度3連続得点を決め、早大の流れを取り戻す。ここでも攻撃陣をフォローする植松知里(文構3=香川・高松第一)、吉内、井上の盤石な守備が光る。中盤には井上のエンドラインギリギリを攻めるスパイク、中澤、富澤のフェイントなど多彩な攻撃で躍動。このままセットを勝ち取るかに見えたが、相手も譲らずジュースにもつれ込む展開に。気持ちを切らさなかった早大は、中澤のフェイントで26点目を決め試合終了。ストレート勝利を収めた。


復帰戦ながら安定したレセプションを見せた河治

 万全ではない状態でも、意識を高め全力でプレーをする早大。「私の最後の試合なのでみんな頑張ってくれているので自分の後輩のために頑張ろうという思いが出て、いい雰囲気でできています。」と語るのは富澤だ。上級生下級生を問わず、お互いにいい影響を与えている。4年生とともにプレーできるのも残りわずか。一戦一戦を大切に悔いのない試合を、そして目標の一部昇格を果たしてほしい。

(記事 橋本和奏、写真 橋口遼太郎、平林幹太)

セットカウント
早大25-23
25-19
26-24
神奈川大
スタメン
レフト 吉内文(スポ3=山口)
レフト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
センター 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
センター 中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)
ライト 植松知里(文構3=香川・高松第一)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社3=北海道・旭川実業)
リベロ 梨本未央(社3=東京・駒場)
コメント

富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

日和(山下)がけがしちゃってからの初めての試合で、本当にみんな不安もあったしどういう試合展開になるのかわからなかったんですけど、今できる精一杯というのが出た試合だったと思うので、勝てて良かったと思います。

――山下選手がけがをされてからこの2週間はどのような練習をしてきましたか

とにかくつなぎ、レシーブとかきょうもすごい良かったと思うんですけど、1本目しっかり決めるというのを練習してきて、決定力のある自分とか恵(中澤)とかにしっかりもっていくというすごくシンプルなんですけど、その練習をずっとやっていました。

――前回の試合も神奈川大との対戦でフルセットの末敗戦という結果になりましたが、きょう神奈川大の印象はいかがでしたか

日和(山下)がいなくなった分センター線のブロックがなくて低いというのがわかるので、センター攻撃がすごく多くて自分たちもやりにくかったんですけど、でもそれ以上に自分たちがレシーブでつなげたので勝てたのかなと思います。

――上位決定戦が始まってチームの雰囲気はいかがですか

自分たちに自信があるっていうわけじゃないのでとにかくやるぞというのと、あと私の最後の試合なのでみんな頑張ってくれているので自分も後輩のために頑張ろうという思いが出て、いい雰囲気でできています。

――来週への意気込みをお願いします

桜美林はうちと戦ってストレートで勝っているんですけどメンバーがまた違うのでどういう戦いになるかわからないので、きょう出たレシーブだったりもっともっと極められると思うのでそういうところをしっかり頑張りたいです。

吉内文(スポ3=山口)

――今日の試合を振り返ってください

まだまだ全体通して課題は多いのですが、とりあえず下で勝ち切ることができたのは、来週の2試合にもつながる良い試合だったかなと思います。

――山下日和(社1=千葉・市船橋)選手のけががありましたが、その部分を埋めるために、どのような対策をされましたか

日和(山下)がいなくなってしまった分、結花(富澤、スポ4=東京・文京学院大女)さんや、めぐ(中澤恵、スポ1=大阪・金蘭会)に頼るしかないという部分があるんですけど、その中で私と知里(植松、文構3、香川・高松第一)と裕利惠(井上、スポ3、岡山・就実)がいかにミスをせずにつないでいけるかということを意識していました。

――ご自身普段とは異なったフォーメーションでの出場となりましたが、普段との違いはありましたか

まだ改善しなければならないことがたくさんあります

――それは具体的にどのような部分ですか?

自分のブロックが流れて、レシーバーに迷惑をかけてしまっている部分があったので、もっとブロックを重点的に頑張りたいです。

――ご自身スパイクでの得点もありましたが、プレー面での手ごたえはいかがですか

先週試合がなくて、少し期間が空いた分、心の準備というか、自分が点を決めたいというところも考えていたので、まだまだ実際に足りてはなかったんですけど、とりあえずスパイクを決めることが出来てよかったです。

――今日から上位リーグでの戦いが始まりますが、それに関して一言お願いします

上位リーグは入れ替え戦を見据える上でも非常に大事な戦いになり、1セットも落とせない戦いが続くので、来週の試合も最初から緊張感を持って臨みたいです!

井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

自分たちのミスが少なくて自分たちが今週練習してきたブレイクだったりつなぎというところを全員が意識してできたと思います。

――2試合連続で神奈川大との試合でしたが、相手の印象はいかがでしたか

前の試合は自分たちのミスで負けてしまいましたが、きょうの試合は自分たちのやることをしっかりできました。この試合は入れ替え戦にもつながってくるため絶対に勝とうという気持ちで臨んだので良かったと思います。

――山下選手がけがをされてから初めての試合でしたが、何か変わった点はありますか

日和が抜けた分ブロック力は弱くなりましたがその分レシーブをしっかりやりました。どうしても富澤さんと中澤にボールが集まってしまうので、全員でフォローに入って粘り強く何回も切り替えそうということを意識していました。

――ご自身のディフェンス面はいかがでしたか

1セット目は真ん中の奥など奥にやられていてどう対処しようかなと思いましたが、2セット目からはしっかりブロックの位置とかも修正して見やすかったし、自分自身も段々と反応できるようになってきたので良かったかなと思います。

――上位リーグが始まりましたが、意気込みをお願いします

4年生にとっては最後のリーグになると思うので、自分は拾うことしかできませんが上位リーグで一戦一戦しっかりと勝って入れ替え戦につなげていきたいと思います。

河治えみり(社3=北海道・旭川実業)

――きょうの試合全体を振り返っていかがですか

人数が十分ではない中でどうやって戦っていくかということで、自分たちの持ち味である粘りというのがすごく大事になってくる試合でした。すごく良い内容だったかと言えばそうではなかったと思うのですが、ギリギリの局面にみんなで声かけあって一本取っていこうという姿勢があったのでそういう面では良かったのかなと思います。

――怪我からの復帰戦となりましたが、ご自身のプレーはいかがでしたか

まだまだです。全然(調子が)戻っていないのですが、自分が欠けたことでチームに迷惑をかけましたし、あと2戦ですけどこの一週間でどこまで戻せるかというのが大事になってくると思うので頑張ります。

――山下日和選手(社1=千葉・市立船橋)が抜けて初めての試合となりました。チームの中で変更点もあったかと思うのですが、きょううまくいったと思うのはどのような部分ですか

主力のスパイカーが抜けてしまったことで結花さん(富澤結花主将、スポ4=東京・文京学院大女)たちの打数がすごく多くなってしまったと思うのですが、そこにいかにもっていくかというのはできていたと思います。また要所要所でトスが上がった他のスパイカーもしっかり決めてくれたので、それはうまくいったところだなと思います。

――逆に改善していきたい部分はありますか

個人的にはサーブレシーブが悪かったので、もうちょっと感覚を戻したいと思います。チームとしては、この試合では雰囲気がそこまで落ち込むということはなかったのですが、このリーグを通して(雰囲気が)落ちるときはガクッと落ちてしまうチームなので、そういうところがあと2戦きつい試合になったときに出ないようにこの一週間で詰められれば良いと思います。

――きょうから上位リーグが始まりました。意気込みをお願いします

残り2戦をしっかり勝って、入替戦につなげられるよう頑張ります。

橋本美久(社2=福島・郡山女子大附)

――きょうの試合を振り返ってください

きょうの試合は日和(山下、社学1=千葉・市立船橋)がいなくなって、チームを組んで1週間半くらいしか経っていないのですが、みんなで決めていたのは粘って粘って最後結花さん(富澤、スポ4=東京・文京学院)とメグ(中澤恵、スポ1=大阪・金蘭会)に持っていって決めに行こうというバレーでやろうと言っていて、それが少しできたから勝つことができたのかなと思います。

――きょうは山下選手の怪我もあり、切り返しやサーブカットなどに変更点もありました。この2週間はどのような準備をしてきたのですか

この2週間やってきたのは、打つ攻撃の人が2人しかいないので絶対にブロックが2枚付いてくると思うのでそれに対してフォローをしっかり入るというのを、絶対にフォローに入ろうというのをやってきて、また繋ぎも頑張ろうということでやってきました。

――センター線の打数やコンビの攻撃はどうしても減ってしまう状況でしたが、今日のトスに関して心がけていたことはありましたか

センターがない分、トスを上げるところがレフトだけやライトだけなど、オープンだけになってしまうのでそれを汚いトスにしてしまったら絶対に打てないし、勝ちきれないと思ったので一本一本丁寧に上げようと思ってやりました。

――きょうから上位リーグが始まりました。次節以降に向けての意気込みをお願いします

あと2日間でとりあえず上位リーグは終わるので取りこぼしのないように自分たちのバレーをしっかりして、残りの2戦このメンバーが私たち早稲田のベストメンバーなので、全力でやって勝ちにいきたいと思います。