ロジャー・フェデラー(スイス)は多くの面で他の人々とは違っている。38歳の彼はATPツアーレベルで102回優勝し、賞金総額1億2,700万ドル(約138億円)を獲得しているのだ。だが、他の人と…

ロジャー・フェデラー(スイス)は多くの面で他の人々とは違っている。38歳の彼はATPツアーレベルで102回優勝し、賞金総額1億2,700万ドル(約138億円)を獲得しているのだ。だが、他の人と同じ部分もある。彼もソーシャルメディアを楽しむ一方で、それに費やす時間を制限しようとしている。特に大事な人たちと一緒にいる時には。

だから、時々ソーシャルメディアから離れる期間がある。例えば7月5日から9月16日の約10週間、彼は一度もTwitterを更新しなかった。「“ウィンブルドン”の後は家族との時間をたくさん持てて、ゆっくり良い休養が取れた。すごく疲れていたからね」とフェデラー。9月24日から10月1日の間も、ツイートはゼロだった。面白い写真の投稿はおろか、ファンのコメントをリツイートすることさえもなかった。

しかし、ATP1000大会で28回優勝をしている彼は、今回の遠征に出てからは先週の「ATP1000 上海」大会期間中も頻繁にツイートしている。「(どのくらいSNSを利用するかは)自分のエネルギーレベルによるかな。それから、特に子供たちと一緒にいる時は減らすようにしている。子供たちの良いお手本でいたいから、いつも手にスマートフォンを持っている父親ではいたくないんだ。でも、ここ(上海)には子供たちは来ていないし、あの子たちは記事も読まないから、僕がどれだけ長い間スマホを手にしていても分からないからね。ファンとソーシャルメディアでやり取りするのを楽しんでいるよ」

フェデラーは10月に入ってから多くの投稿をしており、10月2日だけでツイート、リツイート合わせて25回を上っている。その後も、ファンと一緒の写真をリツイートしたり、試験前の学生を励ましたり、年度末のATPダブルスランキングで初めて1位となることが確定したフアン セバスチャン・カバル(コロンビア)とロベルト・ファラ(コロンビア)などの仲間たちを祝福したりしていた。

フェデラーは「いつも言ってるけど、もし毎日2回投稿しないといけないんだったら、ソーシャルメディアには絶対に参加しない。そうするべきだという人もいるけど、僕には合わない。そんなことを僕は気にしない。ソーシャルメディアでお金を稼いでいるわけでも何でもないからね。ただ楽しむためにやっていて、ファンとの交流が楽しいんだ。僕はマッサージテーブルに横になっている時や、午前中に仲間とただ喋っているだけの時に投稿しているんだよ」と語る。彼のソーシャルメディア戦略(と言って良ければだが)はうまくいっているようだ。フェデラー(@rogerfederer)は現在Twitterで1265万人のフォロワーがいて、ノバク・ジョコビッチ(セルビア、@DjokerNole)よりも約400万人多く、ラファエル・ナダル(スペイン、@rafaelnadal)よりも約300万人少ない。

フェデラーは、マスターズ優勝回数が30を超える2人のビッグ・ライバルの記録に迫るために、29回目のATP1000のタイトル獲得を目指している。今年最後から2番目のATP1000大会が終盤に突入する週末にも、ツイートしているだろうか。「僕の両親も来たし、ツイートする時間は少し減ると思うよ。一緒の時間を大切にしているからね」とフェデラーは言う。「きっと今週いっぱいは、またソーシャルメディアを横に置いておくことになるだろうね」

結局、「ATP1000 上海」では準々決勝敗退となってしまったフェデラー。しかし、ベスト4に勝ち進んだダニール・メドベージェフ(ロシア)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)ら若手選手たちを「すごく頑張ったね。ファンタスティックなテニスだよ」と、SNSで祝福することは忘れなかった。

※為替レートは2019年10月15日現在

※写真は「レーバー・カップ」チーム・ヨーロッパの選手たちと自撮りをするフェデラー(右)

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images for Laver Cup)

翻訳ニュース/ATPTour.com