立野 和明(たての・かずあき)●守備 投手 ●身長・体重 181cm・78kg●生年月日 1998年04月03日 ●所属 東海理化●球歴 中部大第一高→東海理化 ●出身地 愛知県 ●投打 右右 社会人のドラフト候補のなかではトップクラスの評…

立野 和明(たての・かずあき)
●守備 投手 ●身長・体重 181cm・78kg
●生年月日 1998年04月03日 ●所属 東海理化
●球歴 中部大第一高→東海理化 ●出身地 愛知県 ●投打 右右

 社会人のドラフト候補のなかではトップクラスの評価を受けている剛腕・立野和明。中部大第一高時代から140キロを超えるストレートを投じ、素材の良さを感じさせながらも目立った戦績を残すことができなかったが、東海理化では2年目の昨季から頭角を現し始める。

 11月の日本選手権では1回戦の室蘭シャークス戦で延長12回のタイブレークも含めて一人で投げ切り、4安打1失点で完投勝利。138球の熱投でスタミナも十分にあるところを見せつけた。球速もこの試合で150キロに到達し、翌月のアジアウインターベースボールリーグでは自己最速となる152キロをマーク。しなやかな腕の振りから放たれるキレの良い直球は最大の武器となっている。

 今シーズンの公式戦初登板となった3月のJABA東京スポニチ大会ではパナソニックを相手に5安打2失点(自責点1)の完投勝利。三振は13個にのぼり、そのうち7つはオフシーズンに磨いてきたというスプリットで。そのほかカットボールやカーブといった変化球も冴えわたり、付け入る隙を与えなかった。

 さらに5月のJABA九州大会でも強豪・日立製作所を完封と好調なスタートを切った立野だったが、その後は苦しんだ。都市対抗の東海地区二次予選ではトヨタ自動車に9安打を浴びて6失点と7回途中でノックアウトされ、結局、自チームでは全国へのチケットを得ることができず。

 本戦はそのトヨタ自動車の補強選手として出場したものの、初戦の三菱日立パワーシステムズ戦は4回3失点。準々決勝の日本生命戦も4回2/3でまたも3失点と先発の期待に応えることができなかった。

 それでも、JFE東日本との決勝戦では4回途中から3番手でマウンドに上がると、不調の要因となっていたストレートの球威を取り戻し、6回まで投げきって無失点。8つのアウトのうち5つを三振で奪い、意地を見せた。

 今季は中盤以降、今ひとつ精彩を欠いた面もあるが、今秋のドラフト会議の主役の一人であることは変わらない。この1年間、注目を浴び続けるなかで思うようなピッチングはできなかったかもしれないが、この経験も未来を切り開くための良い糧となるはずだ。

記事:大平明