藤田 健斗(ふじた・けんと)
●守備 捕手 ●身長・体重 173cm・73kg
●生年月日 2001年10月18日 ●所属 中京学院大中京高
●球歴 中京学院大中京高 ●出身地 岐阜県 ●投打 右右
【写真提供:共同通信社】

 大船渡の佐々木郎希の163キロのボールを直接、捕ったのは藤田だった。4月のU-18日本代表候補合宿でのこと。

「今までに見たことのないボール。気が付いたらミットにはいっていました」

 今年の夏の甲子園は好捕手が多かった。山瀬(星稜)、東妻(智弁和歌山)とともにプロが注目する。

 藤田は主将、4番でチームをけん引し、夏のベスト4まで駆け上がる。

 まず、守備の面。

 強肩ぶり、セカンド送球は2秒を切る。崩れた態勢からでも放れる体の強さ、バランス。甲子園では3度、盗塁を刺した。

 なかでも東海大相模戦、積極走塁のそこを封じたことが勝利につながっている。

 中京学院大中京はタイプの違った投手がいた。193センチの赤塚(プロ志望届提出)、左投手に下手投げなど。バラエティーに富んだ投手陣を巧みにリードして、東海大相模、作新学院など優勝候補を倒しての躍進だった。特徴を的確につかむ、試合の流れを読むことに冴えを見せた。

 ワンバウンドのストップも見事だった。甲子園では4試合でワイルドピッチは1回のみだった。ピッチャーは安心して変化球を投げられる。

 隣県の滋賀県、長浜市から中京学院大中京へ。

 打撃の面では、1年春からベンチに入った。秋には既に4番で捕手のレギュラーに座る。県の決勝戦で一発を放った。高校通算23ホームラン。

 2年夏の県大会で打率5割、1ホームラン、8打点を記録した。

 2年秋から主将。3ホームランの活躍で県で優勝、東海大会ベスト4になった。ただ、2年連続であと1勝が足りずにセンバツはならなかった。

 今年の甲子園の北照戦、勝ち越しのタイムリーで1安打1打点、東海大相模では3安打1打点、作新学院戦が3打数2安打。3年夏の最後は星稜との準決勝。奥川からもしぶとくライト前ヒットを放っている。大会通算4割6分7厘。

 甲子園での中京学院大中京は不思議と7回に大量点をとって逆転に繋げていた。

「7回やで、絶対に点が入るぞ」と藤田は円陣で鼓舞し続けた。

 星稜戦でも7回、藤田は右前打を放つ。橋本監督は「やっぱりあいつがチームの柱。ここまでよくやってくれた」という言葉が印象的だった。

「捕りにいったらさらに伸びて、何度もミットの土手に当ててしまった。目も体も追いつかなかった。もっとうまくならないといけない」

 佐々木のボールを受けての感想だ。

 再びそんな経験ができるだろうか。それとも、佐々木の投球をバッターボックスで待ち受けるのか。

(文・清水岳志)