ラグビーワールドカップは、全48試合の半分以上の試合が終わり、10月8日(火)はプールBの南アフリカ対カナダの一戦が愛知・豊田スタジアムで行われた。 南アフリカは初戦でニュージーランドに13-23で敗れたが、ナミビアに57-3、イタリアに4…
ラグビーワールドカップは、全48試合の半分以上の試合が終わり、10月8日(火)はプールBの南アフリカ対カナダの一戦が愛知・豊田スタジアムで行われた。
南アフリカは初戦でニュージーランドに13-23で敗れたが、ナミビアに57-3、イタリアに49-3と大勝し、総勝ち点を10としている。
一方のカナダは、イタリア代表に7-48、ニュージーランド代表に0-63とまだ勝ち点を挙げられていない。
この試合がプール最終戦となる南アフリカは、快勝してベスト8進出を決めたいところだ。カナダはあと2戦を残しているが、なんとか強豪相手に善戦したいところだった。
SOエルトン・ヤンチース、FLクワッガ・スミス、LOのRG・スナイマン、CTBフランソワ・ステイン、ダミアン・デアリエンディなど、かつてトップリーグでプレーした選手や、現役のトップリーガーが多数出場した試合は、カナダボールでキックオフしたが、やはり最初から南アフリカが勢いよく攻める。
2分、南アフリカはカウンターから、LOスナイマンがブレイクし、SOヤンチースから最後はCTBデアリエンディが右中間にトライ。SOヤンチースのゴールも決まり7-0と南アフリカが先制する。
さらに5分、敵陣でのラックから、FLクワッガ・スミスから大外にいたWTBスブ・ヌコシにわたり、そのトライで追加点を挙げ12-0とする。
南アフリカは9分、敵陣でのスクラムからCTBステインが出し、SHコーバス・レイナーが抜け出し、キックしたボールを自分で拾いトライ。ゴールも決まり、10分間で19-0と大きくリードする。
さらに、17分、センターライン付近でのスクラムからカナダがペナルティ。南アフリカは左20メートルでのラインアウトからモールで押し、LOスナイマンが左に抜け出すと、最後はSHレイナーが連続トライ。南アフリカはこの時点で4トライとなりボーナスポイントを獲得。SOヤンチースのゴールも決まり26-0となる。
畳み掛けるように20分、SOヤンチースのキックからWTBウォーリック・ゲラントからCTBデアリエンディ、SHレイナーがワールドカップ史上最速のハットトリックとなるトライ で33-0。
27分南アフリカはスクラムからSHレイナー、SOヤンチースとつないで最後はWTBゲラントがトライ。ゴールも決まって40-0となる。
その後カナダも攻め込むがなかなかトライが取れない。35分、敵陣ゴール前のラックで相手を剥がす時に、カナダLOジョシュ・ラーセンが肩で相手の首にチャージしてしまい、レッドカード。
40分、敵陣で相手のスクラムから出たボールをCTBステインがインターセプトしトライ。SOヤンチースのゴールも追加され、南アフリカは47-0と大量リードで前半を折り返す。
後半、一矢報いたいカナダは果敢に敵陣に攻め込んでいく。5分、ようやくラインアウトから左へ展開し、ゴール前のラックからFLマット・ヒートンがトライ。SOピーター・ネルソンのゴールも決まり47-7とする。
しかし南アフリカも、14分HOスカルク・ブリッツのトライとSOヤンチースのゴールで54-7とさらに突き放し、にはFBダミアン・ウィレムセのトライで66-7とする。
試合終了間際のロスタイム、カナダにボールが出るも、ノックオンで試合終了。
後半はカナダも奮闘したが、結局66-7で南アフリカが10トライの大勝となった。
南アフリカははボーナスポイントを得て勝利し総勝ち点を15に伸ばしたため、決勝トーナメント進出が決定した。これでこれまで参加した全ての大会で8強入りを果たした。一方のカナダはまたしても勝ち点を得られす敗退が決まった。
カナダのキングスリー・ジョーンズHCは、「ハーフタイムに少し話をして調整できたので、後半は素晴らしいパフォーマンスができた。後半40分間の14人での戦いぶりは素晴らしかったが、やはりスプリングボクスは素晴らしいチームだった」と選手たちが粘り強く戦い抜いたことをたたえた。
南アフリカのラシー・エラスムス監督は、「湿気がすごかったが、今はとてもハッピーだ。これから選手たちに2日間のオフを与えて、日曜日には準々決勝で戦う相手がわかるでしょう。数週間前に戦った日本も素晴らしかったですし、スコットランドもアイルランドもそうです。いずれにせよ手強い相手になりますよ」とベスト8進出を決めて安堵の表情を浮かべつつ次を見据えた。
カナダはプールステージ敗退が決定したが、今大会初勝利を目指して、10月13日(日)に岩手・釜石鵜住居復興スタジアムでナミビアと対戦する。
プール全日程を終えた南アフリカは、12日(土)のニュージーランド対イタリア、13日の日本対スコットランドの結果で準々決勝の対戦相手が決まる。
◇トップリーガー、RG・スナイマンがプレイヤー・オブ・ザ・マッチ
プレイヤー・オブ・ザ・マッチはトップリーグ、Honda所属のLO、RG・スナイマンが選出された。
80分を戦い終えた感想を聞かれたスナイマンは、「まだ全然疲れていないよ。これからワットバイクに乗ろうかな」と笑顔を見せつつも「1人少ないのにカナダのセットピースはそれを感じさせなかった。すごくいいディフェンスだった」とカナダを称え、自分のトライについては、「ボールを持って走るのはとっても楽しかったけど、全てはエルトン(・ヤンチース)のおかげだよ」とチームメイトに感謝した。