◆2019年度関東大学バドミントン秋季リーグ戦◆9月21日 千葉商大秋季リーグも4戦を終え、運命の最終戦の幕が遂に切って落とされた。2部昇格をかけた入れ替え戦に進むためには、この日を5―0で締めることが必須条件。同じく入れ替え戦常連校の千葉…

◆2019年度関東大学バドミントン秋季リーグ戦◆

9月21日 千葉商大


秋季リーグも4戦を終え、運命の最終戦の幕が遂に切って落とされた。2部昇格をかけた入れ替え戦に進むためには、この日を5―0で締めることが必須条件。同じく入れ替え戦常連校の千葉商大とほぼ互角の戦いを繰り広げるも、あと一歩のところでセットを取れずに3-2で敗北。今季を総括し、主将・白川(済3)は「課題はシングルス力」と振り返った。


サーブを放つ西林俊

俯きがちにコートを後にした。第1シングルスを務めたのは学業との兼ね合いで1試合ぶりの出場となった西林俊(コ3)。出だしから1点を争う激戦を繰り広げる。ヘアピンやドロップなどの柔らかいショットを効果的に使い、相手にシャトルを触らせない状況を作り出し順調に得点を重ねていく。しかしバックライン際を攻められると、体勢が崩れて思うような返球ができない場面も。惜しくも17-21で1セット目を落としてしまう。後がなくなった第2セットでは、相手を強く押し込む攻撃的なプレーで勢いづいたスタートを切る。スコアは16―16と肩を並べるも、ネットミスでの失点やコースを攻められ一気に相手のペースに持ち込まれる。まさかの連続得点を許し、大きく引き離された点差は挽回できず。経験豊富なサウスポーは21ー16でストレート負けを喫し、神妙な面持ちでコートを後にした。

優勝の可能性は潰えてしまったものの、後ろに続く塚本(コ2)のシングルス、白川・西林政(コ1)ペアのダブルスが続いて勝利。その後の塚本・坂牧(文4)ペアが敗北し試合は2-2と振り出しに戻る。最後の勝敗を決めるのは主将・白川に託された――。


シャトルを捉える白川

粘り強さと圧倒的な攻撃力で食らいつく。簡単に手が届かないような鋭いコースを突いてくる相手に対し、白川はどんな球でも拾っていく。チャンスを見極め積極的に決め球を打ち込み、あっという間にデュースに。しかしわずかなミスが響き、20-22で1セット目を落としてしまう。2セット目には相手の裏を突くショットで相手の足を止め、動きが遅れたところを強烈なスマッシュやプッシュで追い詰める。見事このゲームを21-15で快勝する。

勝っても負けても今季のリーグ戦最後のファイナルゲームを迎える。周囲のコートの試合は終了し、静まり返った体育館には靴のこすれる音とシャトルの打球音が響き渡る。1セット目2セット目から続いている流れを味方に、持久戦を戦い抜くもスコアは14-20と厳しい状況に。「高校の時も14ー20になると自分の流れが来るって思っていて。このパターンだと勝てるみたいな感覚があって」。白川にとっての本番はここからだった。あと一点で相手の勝ちが決まるという絶体絶命の状況で、わざと高く球を上げて相手の攻撃を誘ってみる。そしてタイミングを合わせて強い球で返球して点を取るなど、技の引出しの多さを見せつけていく。体力も限界に近づく中、サイドラインを狙ってしっかりとスマッシュを打ち込むと静まり返った体育館にエースの声が響き渡った。得点を重ね、一気に18-20まで追い上げていった。最後はロングラリーの末相手の1点を許してしまい敗北するも、白川の長年培った勝負強さが垣間見えた一戦だった。

昨季ブロック優勝を果たしたチームにとって、悔しい秋となった。対千葉商大戦の結果により、チームは3勝2敗で3部Bブロック3位。うち、シングルスの勝率は約67㌫だ。ダブルス2本、シングルス3本で戦う団体戦にとって、シングルスの勝率はチームの勝敗に大きく影響するといっても過言ではない。今回明らかになった課題をつぶし春には再びの全勝優勝、そして入れ替え戦を勝ち抜く雄姿が見られるだろう。来季での悲願の昇格に向けて、彼らの長い冬がはじまる。

(10月1日・𠮷岡麻綾)

◆コメント◆
第一シングルスに出場した西林俊
(初戦任されたが)初戦は結構慣れてる方で、去年もずっとそうだったのでその面においては緊張はなかったです。あんまり練習ができていなかったので、違う緊張感がありました。(思い出に残った試合は)印象に残った試合は、初日にメンバーチェンジで出た嶋野さんが相手をボコボコにしていて、いつもだったら接戦の試合が多いんですけど最後というのもあって。よかったです
ダブルスシングルスともにファイナルセットを戦った主将・白川
高校の時も14ー20になると自分の流れが来るって思っていて。このパターンだと勝てるみたいな感覚があって。なんていうか、そこから得点していくとすごい楽しいというか、かっこいいじゃないですか。もう後がなくなったとこで、自分ができることやるしかないっていう状態のほうがいいみたいな。だからこそ悔しい感じは強いです(秋リーグを振り返って)ここで優勝して2部昇格っていうのを目指してやってきたんですけど、そうもいかず。明らかになったのはシングルス力が足りないということだったので、これからは体力作りとかラリーとか通しての基本的なことをやっていけたらと思います