開幕直後こそ出遅れた福岡ソフトバンクだったが、4月下旬から首位をキープ。このまま最後まで独走するかと思われた。しかし、その独走に待ったをかけたのが北海道日本ハムだった。■活躍著しい打者・大谷翔平、6月からヒット量産の西川遥輝がカギ 8月18…

開幕直後こそ出遅れた福岡ソフトバンクだったが、4月下旬から首位をキープ。このまま最後まで独走するかと思われた。しかし、その独走に待ったをかけたのが北海道日本ハムだった。

■活躍著しい打者・大谷翔平、6月からヒット量産の西川遥輝がカギ

 8月18日、2位・北海道日本ハムがオリックスに勝ち、首位・福岡ソフトバンクは埼玉西武に敗れたことで、両チームの勝率は1厘差に縮まった。ゲーム差換算で言えば、試合前まで0.5ゲーム差だったため、通常ならば順位が入れ替わるはず。しかし、パ・リーグは勝率で順位が決まるため「マイナス0.5ゲーム差」という珍しい現象が起こった。

 開幕直後こそ出遅れた福岡ソフトバンクだったが、4月下旬から首位をキープ。このまま最後まで独走するかと思われた。しかし、その独走に待ったをかけたのが北海道日本ハムだった。

 6月19日の中日戦から白星を積み重ねると、千葉ロッテを追い越し2位に浮上。球団新記録の15連勝と破竹の勢いで勝ち進む。7月12日のオリックス戦で連勝は止まるが、そこからさらにオールスター休みを挟んで5連勝。7月は17勝4敗と大きく勝ち越し、8月も13日の楽天戦から5連勝と福岡ソフトバンクに迫っていった。

 中でも打者・大谷翔平選手の活躍が著しい。7月は打者として15試合に出場し月間打率.400、4本塁打、12打点をマーク。この8月は主に打者として出場し、ここまで6本塁打を放ち、シーズン20本塁打にあと1と迫っている。盗塁も8月だけで5盗塁と、自慢のバッティングだけでなく、足でも魅せている。

 また、西川遥輝選手の活躍も見逃せない。5月を終えた時点で今季通算打率.240と不振に喘いでいたが、6月に入ると複数安打が目立ち始め、ヒットを量産。6月、7月といずれも月間打率.329を記録。8月に入ってもその打棒は衰えず、18日の楽天戦で打率を3割に乗せ、パ・リーグ打撃成績の上位に名を連ねている。

■先発転向の高梨裕稔が絶好調、昨季新人王・有原航平の安定感にも期待

 一方、投手陣では7月の月間MVPに輝いた昨年の新人王・有原航平投手が先発の柱として奮闘した。7月は2日の福岡ソフトバンク戦、9日の千葉ロッテ戦といずれも8回無失点で勝利投手に。続く22日のオリックス戦でも7回無失点と白星を挙げ、自身初のシーズン2桁勝利達成。自身の連勝も5に伸ばした。29日の福岡ソフトバンク戦は黒星がついてしまったが、チーム躍進の一翼を担った。8月はまだ勝利がないだけに、白星を挙げて再びチームに勢いを与えたいところだ。

 今季飛躍を遂げたプロ3年目の右腕・高梨裕稔投手の存在も見逃せない。シーズン序盤から中継ぎの一角として登板してきた高梨投手だったが、6月に入り先発へ転向。初先発となった6月8日の広島戦で勝利投手となると、そこから先発で5連勝中と先発転向後は負けなしだ。8月13日の楽天戦では無四球のプロ初完封と、シーズン終盤の優勝争いに向けて、大きなキーマンとなっていくだろう。

 首位浮上が懸かった19日からの福岡ソフトバンク3連戦は、カード負け越しとなった北海道日本ハムだが、それでもゲーム差はわずかに0.5。逆転優勝へ向けてはここからが本当の勝負。福岡ソフトバンクの連覇か、北海道日本ハムが阻止するか、大いに注目を集める。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」編集部●文