写真:石川佳純(全農・写真左)と平野美宇(日本生命・写真右)/提供:ittfworld<ITTFワールドツアー・スウェーデンオープン 2019年10月1日~10月6日>大会4日目を終えた10月4日は、スウェーデンオープン男女シングルス2回戦…

写真:石川佳純(全農・写真左)と平野美宇(日本生命・写真右)/提供:ittfworld

<ITTFワールドツアー・スウェーデンオープン 2019年10月1日~10月6日>

大会4日目を終えた10月4日は、スウェーデンオープン男女シングルス2回戦と男女ダブルス、および混合ダブルス準決勝までが行われた。

日本男子、2回戦で姿を消す

男子シングルスでは、張本智和(木下グループ)が2018年ユース五輪王者の王楚欽(ワンチューチン・中国)に1ゲームも奪えずに敗れ、2019年に入って3連敗となった。

また水谷隼(木下グループ)は世界ランク2位の樊振東(ファンジェンドン・中国)と対戦。激しいラリー戦になるも樊振東にラリーの主導権を握られ続け、ストレートで敗れてしまう。

丹羽孝希(スヴェンソン)はシモン・ゴジ(フランス)と対戦。同じ24歳で、ジュニア時代から何度も対戦してきた両者の対決は、競り合いながらもゲームカウント4-2でシモン・ゴジに軍配が上がり、日本男子は全員がトーナメントから姿を消すこととなった。

女子は”みうみま”対決を制した伊藤美誠が8強入り

女子シングルスでは伊藤美誠(スターツ)と平野美宇(日本生命)の”みうみま”対決が行われた。試合は互いの長所を出し合いながらフルゲームまでもつれたが、勝利の女神は伊藤に微笑んだ。大激戦を制した伊藤は日本勢唯一のベスト8入りを果たした。

また3日に世界ランク3位の朱雨玲(ジュユリン・中国)を破った長﨑美柚(同50位・JOCエリートアカデミー/大原学園)は再び中国選手と対決。未だ一度も勝利したことのない銭天一(チェンティエンイ―・中国)相手にストレートでの完敗に終わった。

大会も残すところ2日となった、10月5日は男女シングルス準々決勝と、男女ダブルス・混合ダブルスの決勝が行われる。

男子試合 組み合わせと見どころ




写真:シモン・ゴジ(フランス)/提供:ittfworld

男子シングルス 準々決勝

許昕(中国) - 梁靖崑(中国)
趙子豪(中国) - 王楚欽(中国)
林高遠(中国) - ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)
シモン・ゴジ(フランス) - 樊振東(中国)

男子ダブルス 決勝

樊振東/許昕(中国) - 梁靖崑/林高遠(中国)

男子シングルスのベスト8のうち6名が中国選手となり、準々決勝では同士討ちが多くみられる。

9月のアジア選手権でシングルス優勝の許昕(シュシン・中国)は、世界選手権ベスト4の梁靖崑(リャンジンクン・中国)と対戦。両者ともに破壊力抜群のドライブでの打撃戦を好む選手だ。国際大会では3戦2勝で許昕が一歩上回っているが、どの試合もどちらが勝ってもおかしくない程の接戦となっている。実力が拮抗した両者による迫力満点のラリー戦は決して見逃せない。

また丹羽孝希を破って勝ち上がったシモン・ゴジは、水谷隼に勝利した樊振東と対決。2016年のジャパンオープンで対戦した際には、樊振東がネットインされたボールをネットの外から0バウンドで台に返したプレーが有名となった。トリッキーなレシーブが持ち味のゴジと、安定感が持ち味の樊の対決は、どんなスーパープレーが生まれるか期待だ。

男子ダブルスの決勝はアジア選手権決勝の再戦となった。ビッグタイトルを手にし、自信をつけた梁靖崑/林高遠が連勝するのか、はたまたリベンジに燃える樊振東/許昕が意地を見せるのか注目だ。

女子試合 組み合わせと見どころ




写真:石川佳純(全農・写真左)と平野美宇(日本生命・写真右)は優勝まであと1勝/提供:ittfworld

女子シングルス 準々決勝

陳夢(中国) - 劉詩雯(中国)
劉斐(中国) - 銭天一(中国)
伊藤美誠 - 王曼昱(中国)
孫穎莎(中国) - 丁寧(中国)

女子ダブルス 決勝

平野美宇/石川佳純 - 陳夢/丁寧(中国)

女子シングルスでは、伊藤美誠が王曼昱(ワンマンユ・中国)と対戦。2019年に入って中国オープン、韓国オープンで伊藤が2連敗を喫している相手だ。前回の韓国オープンでの対戦では試合後に「自分がよくなかった。自分の持っているものを出し切れず終わってしまった。1試合でなく1ゲームの中でもっと早く展開を切り替えていかないといけないと思った」と話した伊藤。今回はその悔しさをバネに自身の力を出し切ることはできるか必見だ。

また陳夢(チェンムン)VS劉詩雯(リュウスーウェン)と孫穎莎(スンインシャ)VS丁寧(ディンニン)の対戦カードは、アジア選手権女子シングルス準決勝の再戦となった。通算成績では勝ち越している陳夢は、劉詩雯に連敗中で、ここで連敗を止めたいところ。一方で孫穎莎は丁寧に完勝しており、世代交代かとささやかれる中、丁寧はリオ五輪女王の意地を見せられるか期待だ。

女子ダブルスでは平野美宇/石川佳純ペアが、陳夢/丁寧に挑む。平野/石川ペアは、準決勝で中国香港のエースダブルス杜凱琹(ドーホイケム)/李皓晴(リホチン)を鮮やかにストレートで破っており、エンジンは全開。中国ペアを破ってワールドツアー制覇なるか期待が高まる。

混合ダブルス決勝 組み合わせと見どころ




写真:水谷隼(木下グループ・写真左)と伊藤美誠(スターツ・写真右)/提供:ittfworld

水谷隼/伊藤美誠 - 許昕/劉詩雯(中国)

水谷隼/伊藤美誠は、世界選手権チャンピオンの許昕/劉詩雯(中国)と対戦。7月の韓国オープンでは敗れはしたものの、初ペアリングながら世界王者ペアから1ゲームを奪っている。

敗戦後、水谷は「思ったよりお互い良いプレーができたし、コンビネーションとしても悪くないと思うので、次回はさらに自分たちも息が合ってよくなってくると思う」と話していた。その後ワールドツアーで経験を積みながらも8月のブルガリアオープンでは初優勝を果たし、確実に成長してきている。水谷/伊藤ペアのリベンジに期待がかかる。

文:ラリーズ編集部