TEAM123456789計早 大0000000000明 大40000000x4(早)●早川、西垣、柴田―小藤 開幕週の法大戦で連敗を喫し、早くも優勝に黄信号がともった早大。これ以上勝ち点を落とせない中、全日本大学選手権王者・明大との対決を…

TEAM
早 大
明 大
(早)●早川、西垣、柴田―小藤

 開幕週の法大戦で連敗を喫し、早くも優勝に黄信号がともった早大。これ以上勝ち点を落とせない中、全日本大学選手権王者・明大との対決を迎えた。その初回、先発の.000がいきなり満塁本塁打を浴び、出ばなをくじかれる。一方の打線は明大エースで今秋のドラフト1位候補・森下暢仁主将(4年)を捉えられない。2回以降は早川が立ち直り、救援陣も好投したが、最後まで打線の援護はなし。1989(平元)年の東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)以来となる、実に61季ぶりの開幕3連敗を喫した。


試合終了後、うつむいて引き上げる早大ナイン

 法大戦で1点も奪えなかった早大打線。この状況を打開するため、.000は勝負に出る。監督就任以来、固定だった3番・.000、4番・.000、5番・.000のクリーンアップを崩し、1番に福岡、そして3番にはこれがリーグ戦初スタメンとなる.000を起用した。その打線は初回、2死から田口が出塁したが得点にはつながらない。するとその裏、早川が先頭に安打を許す。続く打者の犠打を三塁手・福岡が一塁に悪送球。さらに3番・添田真海(4年)には四球を与えてしまう。「フォアボールが全ての流れを変えてしまった」(早川)。無死満塁となり、明大スタンドの盛り上がりは早くも最高潮に。嫌な雰囲気が漂う中、打席に4番の喜多真吾副将(4年)を迎えた。フルカウントからの7球目、捕手の.000が「配球ミス」と振り返る外角直球を完璧に捉えられると、高々と上がった打球は右中間スタンドに吸い込まれる。打った瞬間にそれと分かる特大の満塁本塁打で、初回から大量のビハインドを背負うこととなった。


初回に痛恨の満塁弾を浴びた早川

 2回以降は早川が復調。味方の失策などで走者を背負う場面もあったが、後続をしっかり抑えて追加点を許さなかった。5回からは今季初登板の.000が粘り強い投球を披露。味方の3失策にも動じず、3イニングを無失点に抑えた。8回に登板した.000も無失点と納得の投球。役割を果たし、味方の反撃を待ち続けた。しかしその打線が振るわない。3回には四球と暴投でこの日唯一の得点機を迎えたが、ここで森下がギアを上げる。2番・.000は152キロの直球をカットしたものの、最後は内角への変化球で見逃し三振に仕留められた。6回には途中出場の.000が無死から安打を放ったが、1死後に中川卓が併殺打に倒れる。その後7、9回にも先頭打者を出したが後続が凡退。新打線は最後まで機能することなく、0―4のまま試合終了となった。


新3番・田口が2安打を放ったが、得点には結び付かず

 今季いまだに勝ち星をつかめていない早大。3戦連続の完封負けで、昨季から続く連続無得点記録は37イニングに伸びてしまった。チーム打率はリーグワーストの.136、同得点圏打率に至っては.000と打線の状態は絶望的。特に4番の加藤はここまで12打数無安打と、生みの苦しみを味わっている。「点数を取れなければ、いくらピッチャーが抑えていても試合には勝てない」(小藤)。あす29日の2回戦、負ければ優勝は絶望的になる。投手陣が好投を続けているだけに、一刻も早い打線の奮起が待たれる。

(記事 池田有輝、写真 宅森咲子、金澤麻由、柴田侑佳)

黄字は打点付き

早大打者成績
打順守備名前
1(三)福岡高輝310.125二ゴ 四球  右飛  右安
2(一)中川卓也400.111中飛 見三  二併  空三
3(左)田口喜将420.500右安  空三  中安 中飛
(右)加藤雅樹400.000一ゴ  三邪  三飛 空三
(遊)檜村篤史300.100 空三 見三  投飛  
6(捕)小藤翼300.100 空三  中飛 空三  
7(二)吉澤一翔300.167 二直  三ゴ  遊飛 
(中)鈴木萌斗200.000  二ゴ 中飛    
 西垣雅矢000.—         
 瀧澤虎太朗100.000       一ゴ 
 柴田迅000.—         
9(投)早川隆久100.000  空三      
 山田淳平210.167     右安 空三 
早大投手成績
名前
早川隆久2024313343.27
西垣雅矢1003102000.00
柴田迅2001101000.00
東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位 法 大明 大慶 大早 大立 大東 大勝ち点勝率
法 大  ○1-0
○2-0
○2-1
○5-3
 1.00
明 大  ○4-0 ○4-2
○8-0
1.00
慶 大   ○4-3〇13-4
〇10-0
1.00
早 大●0-1
●0-2
●0-4   .000
立 大●1-2
●3-5
 ●3-4  .000
東 大 ●2-4
●0-8
●4-13
●0-10
  .000

コメント

小藤翼副将(スポ4=東京・日大三)

――初回に被弾した球は早川隆久投手(スポ3=千葉・木更津総合)の失投でしたか

いえ、失投というよりは配球ミスです。相手バッターが結構踏み込んできていたので、そこは少し選択ミスだったと思います。

――夏季オープン戦では打撃好調でしたが、シーズンに入ってからは苦しい状況が続いています

自分の思うようにバッティングができていなくて。今さら何を変えるということもないと思うので、とりあえず切り替えてあしたからやっていきたいと思います。

――思うようになっていない部分というのは、以前お話されていた手首の使い方のことでしょうか

そうですね、手首もそうです。振れていない、三振を怖がって当てにいってしまっている感じもあるので、そこをなくすことができればと思います。

――チームは開幕からいまだ得点できていない状況ですが、副将としていかがですか

やはり点数を取れなければ、いくらピッチャーが抑えていても試合には勝てません。(開幕からというよりも)春の早慶戦の3戦目から(リーグ戦では)得点できていないので。見に来てくださっている方々や、補助をしてくれているメンバー外の人たちに、すごく申し訳ないと思っています。

――点が取れない中、チームに焦りなどはありますか

点数が取れていないので、意識しないようにはしていますが、どこかで少し一人一人が感じてしまっているのかなと思います。

――得点できない中、バッテリーとしては1点もあげられない状況にあります。あすに向けてお願いします

ピッチャー陣はよく投げていると思います。ですので、ピッチャー陣はピッチャー陣でやることをやるということが大事だと思います。バッター陣がどうあれ、ピッチャー陣は今まで通りしっかりと抑えて、我慢して。とりあえず1勝できればと思います。

田口喜将(商4=東京・早実)

――試合を終えた今の気持ちをお願いします

初めてスタメンだったのですが、結論から言うと負けてしまったので、悔しいです。

――スタメン入りの経緯を教えてください

ここ2試合無得点で自分がずっと代打で打っていたので、バッティングを期待して監督が出してくれました。いつも通りやろうという気持ちでやりました。

――スタメン入りはいつ告げられましたか

火曜日の朝に言われたので、そこから準備していました。

――大学ナンバーワンとうたわれる森下暢仁投手(4年)から2安打を記録しました。それぞれ振り返っていただけますか

1打席目に打てたのがすごく良くて、どんどん振っていこうという気持ちでやったのが良かったかなと思います。ですが最後はフライを上げてしまったので、次から強いボールを意識してまた練習したいなと思います。

――初回に打った球は何でしたか

多分カット(ボール)だと思ったのですが、自分では良く分からないです。来た球を打とうという感じだったので、そこはあまり意識していません。

――今のチームの状況についてはどうお考えですか

ずっと無得点できつい状況が続いていますが、自分としては、今まで四年間試合を見てきて、一本出ればどんどん出てくると思うので今は我慢の時です。まだ優勝がなくなったわけではありません。きょう福岡(高輝、スポ4=埼玉・川越東)が一本出て、きっとあしたはすごくいいと思うので、あまり悪くないかなと思います。

――あすに向けてお願いします

自分は何が何でも打つというのと、冷静になって状況を判断しようと思います。代打ではないので、試合の流れをしっかり意識してそのときに一番良い結果を出せるように準備したいと思います。

早川隆久(スポ3=千葉・木更津総合)

――初回の投球を振り返って

慎重に入り過ぎたというのがあって。添田さん(真海、4年)にフォアボール出してしまって、そのフォアボールが全ての流れを変えてしまいました。もっと大胆にいっても良かったのかなと思います。

――変化球でストライクを取れていなかった印象ですが、これも慎重に攻めた結果でしょうか

そうですね、本当にもう慎重になり過ぎてボールボールになってしまった分、真っすぐを捉えられてしまったので、反省点かなと思います。

――満塁本塁打を打たれたのは外角への真っすぐでした。捕手の要求通りの球だったように見えます

サイン通りなんですけど、やっぱりフォアボールを怖がってしまったので。あそこで一度間を置いたり、(捕手のサインに)何回か首振ったりしてバッターに考えさせることができていなかったなと思います。

――2回以降は立ち直りましたが、切り替えとしては

もう初回から球数が多かったので、そこからアバウトに投げることができればいいかな、という考え方に変わって。(2回以降は)アバウトに強いボールを投げられたのが良かったのかなと思います。

西垣雅矢(スポ2=兵庫・報徳学園)

――けがからの復帰登板となった本日の試合を振り返っていかがですか

今季は任されたところで投げるのが自分の役割なので、その役目は果たせたかなと思います。

――今季のご自身の役割をどのように考えていらっしゃいますか

厳しい場面で投げることも多いと思うので、流れを変えられるようなテンポの良いピッチングをしたいと思っています。

――春と比べて、今の体の状態はどの程度まで戻ってきているのでしょうか

急ピッチで準備をしていて、最初は慣れないところもあったんですけれど、(東京六大学秋季)リーグ戦には間に合いました。今は全力で投げられる状態です。

――本日はほぼ完璧な投球でした。良かった球種は何でしたか

カットボールとスライダーで空振りを取れていたので、それがきょうは良かったと思います。

――夏季オープン戦では、回の途中から登板するような起用法はあったのでしょうか

1、2回ありましたけれど、リリーフとしての練習をたくさんしていたとはいえないですね。

――これからの戦いに向けて、一言お願いします

勝つしかないので、しっかり準備していきます。