日本列島中でラグビーワールドカップ熱が高まるなか、大会7日目にして九州でようやく初の試合が開催された。日本代表のWTB福岡堅樹、SH流大を輩出したラグビーどころ、福岡の東平尾公園博多の森球技場には16,984人のラグビーファンが駆けつけ、プールBのイタリア(9月25日現在の世界ランキング14位)とカナダ(同22位)の対戦を見守った。

イタリアは22日にナミビアと初戦を行い、47-22で白星スタート。7トライを挙げ、勝ち点5を獲得してニュージーランドや南アフリカといった強豪を抑え首位に立った。中3日の日程を考慮し、この日はHOルカ・ビージ、SOトンマーゾ・アランらは連続出場となったが先発メンバーを10人入れ替えて臨んだ。

一方で、これが初戦となるカナダは、キャプテンのNo.8タイラー・アードロンを中心に、ポイントゲッターWTBのDTH・ファンデルメルヴァ、SOピーター・ネルソンが先発した。

試合序盤は硬さが見えるカナダに対し、イタリアが優勢に試合を運ぶ。敵陣22メートル内で最初のスクラムから反則を誘い、3分にSOトンマーゾ・アランがPGを決め、3−0とイタリアが先制する。

ポゼッションで圧倒するイタリアは7分、またもスクラムからチャンスを作る。No.8ブラーム・ステインが密集から抜け出し、相手のタックルを跳ね除ける力強い突破で最初のトライ。SOトンマーゾ・アランのゴールも決まって10-0と点差を広げる。

イタリアの勢いは止まらない。12分、連係が取れていないカナダのディフェンスの隙をつき、LOディーン・バッドが抜け出しトライ。ゴールも決まり17-0となる。

ここからカナダが反撃に出る。硬さがほぐれ、イタリア陣内でプレーする時間が続く。ただ、大事なところでハンドリングエラーが多発し、チャンスを逃した。

一方、イタリアは劣勢な状況でもペナルティを犯さず、我慢強いディフェンスで粘り、傾いた流れを引き戻す。そのまま17点リードで試合を折り返す。

後半、先にトライを取ったのはやはりイタリアだった。推進力のあるFW陣が前進し、4分にFLセバスティアン・ネグリがトライ。SOトンマーゾ・アランが確実にゴールを決めて24-0とする。

一矢報いたいカナダは左右に揺さぶりアタックを敢行。WTBのDTH・ファンデルメルヴァがボールに絡みチャンスを作り出す。流れを変えるランナーの奮闘に会場から大きな声援が起きる。

しかし次の点を奪ったのはまたもイタリアだった。得点の動かない時間帯が続いたが18分、ラインアウトから一気にモールで押し込み、相手の反則がなければトライになっていたという判定によりペナルティトライ。ボーナスポイント獲得となる4トライ目を挙げ、31-0とする。

後半21分にはFLジェーク・ポレドリの突破から左に展開し、大外で待っていたWTBマティア・ベリーニがトライ。SOトンマーゾ・アランのコンバージョンキックはこの日初めて失敗となるが、36-0とさらにリードを広げた。

イタリアに大量得点を許したカナダだが、誰もが試合を諦めていなかった。この試合はことごとくノックオンでチャンスが消えたが、後半28分にSOピーター・ネルソン、WTBアンドルー・コーとつなぎ今大会初めてのトライ。SOピーター・ネルソンのキックも決まり36-7となる。ただ、体力の消耗は激しく、イタリアのアタックに足がついて行かず、失点を重ねた。

終わってみればイタリアがカナダを48-7と圧倒。後半もトライを重ね、初戦のナミビア戦を超える48点を獲得し連勝を果たした。

試合後の会見でコナー・オシェイHCは、

「ハッピーだ。入りからよくしたいと思っていたのでその通りになりました。中3日しかなかったので、メンタル的にも肉体的にもきつかったと思う。だから、この後少し選手に休みを与えてリフレッシュしてもらいたいと思う。選手たちは男子校の修学旅行みたいになるんじゃないかな」

と冗談を交えつつ、

「2試合で10ポイント取れたのはうれしいが、ニュージーランドと南アフリカと戦うし、昨日のウルグアイを見ていたらとても余裕はない」

と、勝って兜の緒を締めた。

総勝ち点を10に伸ばし、プールBの首位をキープ。今大会最大の山場となる8日後の南アフリカ戦(10月4日)に臨む。

チャンスは作るがミスを重ねたカナダは、早急な立て直しが必要。キングスリー・ジョーンズHCは、

「選手はよく対応したと思う。チャンスもたくさん作って、それは良かった点だが、決めることができなかった。イタリアに多くのペナルティとエリアを与えてしまった。プレッシャーをかけられた。選手たちは最大限の力を発揮したと思うし、準備もしてきたが相手の方が強かった」

と完敗を認めた。

ただ。今シーズンはケガで出場が限られたWTBのDTH・ファンデルメルヴァが完全に復調した。今後はいい形でBKにボールを供給できるかが課題となる。次は10月2日(水)に大分で優勝候補筆頭のニュージーランドと対戦する

◆九州にラグビーワールドカップがやってきた!

熱戦が続くラグビーワールドカップも7日目。九州で先陣を切って福岡県福岡市の東平尾公園博多の森球技場で開催された。「4年に一度じゃない。一生に一度だ」の秀逸な大会公式キャッチコピーを信じ、多くのラグビーファンが待ちに待った熱戦を楽しんだ。

試合はイタリアがカナダに大勝したが、劣勢のカナダへの大きな声援がエキサイトした試合を作った。後半13分にはバックスタンドからウェーブが起き、一周半スタジアムは波打った。そしてこの日、最大の歓声は後半28分のカナダのトライだった。

九州では今後も福岡はもちろん、大分(大分スポーツ公園総合競技場)、熊本(熊本県民総合運動公園陸上競技場)で試合が開催される。本州以北に負けないラグビー熱で盛り上がることは必至だろう。