サーカー壽梨(東京大学)は、異色の経歴を持つ選手だ。小学校から高校卒業までインドで過ごし、大学入学を機にア式蹴球部女子に入部した。さらに実際にプレーするだけではなく、サッカー応援番組のリポーターを務めるなど、その魅力を発信している。このような大学アスリートは決して数多くない。

番組リポーターの活動を通じて「大学サッカーは、高校とプロのちょうど中間だということを広めていきたい。プロに行けず大学を選ぶ選手、プロに行かず大学を選ぶ選手、色々なパターンが存在する。彼らが大学の過酷な環境で敢えてプレーする理由を知りたいと思ったし、プレーする以外にも多くの関わり方があることを知ってほしい」というサーカー。アクセスが悪いスタジアムでも、車を走らせて観戦しに行くほどの大学サッカー好きだ。大学スポーツは学生主体の運営が大きな特徴だが、サッカーも例外ではない。「大学サッカー連盟に選手が所属し、大人との交渉や会場の手配をはじめとした業務があって、それでしか学べないこともある。高校までは大人が与えてくれるけれど、大学では自主的に動かないと学べない。そこで何を得られるか、サッカー部の選手たちが模索する姿勢が格好良い」。

※キャンパス内のグラウンドでトレーニングするサーカー(写真右)。平日の練習は授業終了後に行うため、19時頃から始まる

選手たちの魅力を伝える上で大事にしているのは、彼らの背景を知ることだ。「大学から先は“辞める”か“プロで続ける”しか選択肢はない。でも、一口に“辞める”といっても違う関わり方をする人もいれば、きっぱり辞める人もいる。大学でもサッカーを続けることで、新たな道を切り開いていくアスリートの姿を多くの人に知ってもらいたい」。

もちろんプレーヤーでもある以上、「このチームで勝ちたい」という気持ちは常に抱いている。引退を迎えるため、今季に対する思い入れは特に強い。チームは初心者も多いが、皆で話し合って練習メニューを決め、個性を尊重しながらも一丸となって試合を戦い抜く。「後悔しないように、今この瞬間努力を続ける。一分一秒の行動が将来の結果に繋がると思ってやらないといけない。最後のリーグ戦、覚悟を決めてプレーしていきたい」。チームが同じメンバーでプレーできるのは1年だけ。そして、どんなに優秀な大学アスリートであっても、活躍できるのはたった4年間だ。大学生の刹那の青春を視聴者に届け、そして彼女自身が駆け抜けていくことで、サーカーにしか伝えられない言葉がある。

※大学アスリート1日密着動画「THE STARS」にて、サーカー選手を特集中です。
 サーカー選手の「THE STARS」はこちら
 また、サーカー選手に答えていただいた「COLLEGE MONSTERS」はこちら

サーカー壽梨(さーかー・じゅり)
インド出身。1998年10月13日生まれ。152センチ。RN Podar Schoolを経て、現在は東京大学教養学部PEAK4年。インドと日本のハーフであり、日本語、英語、ヒンディー語を操るマルチリンガル。インドで過ごした小学校から高校までは陸上競技を続け、17歳の時に飛び級で東大に入学、昔から好きだったサッカーを始めた。自身がプレーするだけではなく、大学サッカーの魅力を広める活動にも注力している。