最下位で迎えた入替戦は2部1位の筑波大と激突。「1部というステージを後輩に残したい」(合戸廉太朗主将・法4=大分舞鶴)という覚悟が実を結び、4年生が輝きを見せた。最後はシングルス・5の市川雄大(営4=松商学園)が試合を決め、1部残留を果たした。

【D3合戸・安増組VS中村・弘光組】

 最後の1球まで、2人らしさを追求した。合戸・安増篤史(商4=折尾愛真)組が大学最後の試合でテーマにしたのは〝慎重かつ大胆に〟。絶対に落とせない試合だからこそ「どのポイントも丁寧に」(合戸)。それでも弱気なプレーが続くと「もっと思い切りいこうよ」(安増)の声かけ。長年の信頼関係に裏打ちされた絶えない言葉の往来が、〝2人にしかできないテニス〟を生み出した。

「今日合戸と勝てたことが4年間で1番うれしかった」(安増)。

「安増とのダブルスが自分の引退試合で良かった」(合戸)。

最高のパートナーと、最高の勝利をつかみ取った。

2人のダブルスはこれで解散。今試合はどんな時も笑顔でプレーした 

【S5市川VS加藤】

 最後の1球まで、駆け抜けた。市川は第1セットを3―6で落とし、第2セットも0―2と追いつめられる。それでも「最後なので走り切るしかない」と相手のショットを粘り強く返し続け、ピンチを打開した。迎えた第3セット、マッチポイントの場面。左右に大きく振られたショットに何とか追いつくと、ボールは相手の頭上を遥か越え、ベースライン上に落ちた。まさに全力疾走で取り切った勝利だった。

 「自分らしいテニスができて良かった」。市川が4年間磨き上げてきた〝粘りのテニス〟が自身の引退試合を勝利で飾ってくれた。

ボールに食らいつく市川。粘りの一心で勝利をつかんだ

 市川が試合を決めた瞬間、合戸主将は涙を止められなかった。「入替戦までの1週間は眠れなかった。やっと終わった、と思うと力が抜けた」。王座を目指してスタートしたチームがまさかの1部最下位。強い覚悟で戦ってきたからこそ、結果が伴わないことによる重圧は大きかった。

 

 4年生は今試合でコートを去る。

「こんなにテニスに打ち込めるのは大学が最後。後悔しないように」(市川)。

「したつもり、ではなくもっと上の努力を」(安増)。

「この1年間やってきたことに、3年生が新たにカラーを付けていってほしい」(合戸)。

 王座の夢は次の世代へ。先輩の熱き思いは、後輩へ託された。

[山根太輝]

※男女リーグ戦の総括記事を後日掲載します。

試合後のコメント

合戸主将

――後輩への思いをお願いします。

 「今年から新たに始めた取り組みやトレーニングメニューの改革などは、ここでやめてほしくないです。チームが変わっていくのは1年では足りないと思うし、それこそ5年や10年続けて、チームの伝統になると思います。この1年間頑張って、結果が出なかったからやめるのではなく、来年以降も僕らがやってきたことに3年生の新たなカラーを付け足していってほしいです。それで来年王座にいってくれたら、そんなに最高なことはないと思います」

安増

――今試合は4年生が活躍しました。

 「僕らが勝ったのは、4年生の力だけではなくて、応援の力、サポートの力や他のコートで頑張っている選手の姿を見てっていうのはあるので。僕らの勝ちも全学年の勝ちだと思います」

――合戸さんとはコンビ解消です。

 「5歳ぐらいから一緒の県でずっとテニスやっていたので、さみしい感じはしますね。『もう終わりかあ』とか『もっといろいろなプレーを一緒にやりたかったな』と思います。それでも社会人になっても2人ともテニスは続けるので、敵として当たるとしても一緒にテニスをできるのはうれしいことだなと思います」

市川

――大学最後の試合はいかがでしたか。

 「勝っても負けても最後の試合だったので絶対に勝ちたかったです。第1セット3―0から取られて、第2セットも0―2までいって、やばいと思っていました。それでも最後なので走り切るしかない、と思って気持ちで何とか勝ちました。僕の試合をみんなで応援してくれて嬉しかったし、(セットを)取り返せて良かったです。テニスは個人競技ですが、応援で一丸となって勝てました」