最後の秋季リーグに向けて部の垣根を超えて対談が実現春の激闘を終えた野球部とスタンドから支え続けた応援団。それぞれの組織のトップが秋季リーグ初陣を目前に一堂に会した。ともに春季リーグを戦った男たちが思いを語り合う。笑顔で肩を組みあう藤野(営4…

最後の秋季リーグに向けて部の垣根を超えて対談が実現

春の激闘を終えた野球部とスタンドから支え続けた応援団。それぞれの組織のトップが秋季リーグ初陣を目前に一堂に会した。ともに春季リーグを戦った男たちが思いを語り合う。


笑顔で肩を組みあう藤野(営4=川越東・写真左)と太田(理4=鎌倉学園)

―主将として大切にしていることは何ですか。
藤野 野球部は、上下関係がさほどないことからこそののコミュニケーションを意識しています。上から下へのコミュニケーションや指示だったり、下から上への意見が聞き出せるので、そういう意味でのコミュニケーションは取ろうかなと思ってやっています。
太田 応援団はやっぱり伝統のある団体だと思います。残さなきゃいけない部分は変えないで、でも時代に沿わせなきゃいけないから変えるべきところは変えてっていう部分を自分なりに、自分の価値観で判断して、それを悪く言えば頑固に、良い意味では芯をもって活動しています。

―お互いに聞いてみたいことはありますか。
太田 主将兼捕手として大変なことは何ですか。
藤野 今は主将っていう役職をもらったので、自分がダメでもチームの先頭に立ってプレーしなければならないところですね。責任感があると感じています。重圧やプレッシャーは試合に出ている以上、役職に関係なく付いてくるものなのでチームの先頭に立つうえでの責任感っていう面での精神的なものはあります。野球部は下からもコミュニケーション取れますが、逆に応援団は上からのコミュニケーションだけだと思うので、応援団はどのように組織を回しているかが気になります。
太田 野球部とは違う形で、今の形だからこそ成り立っているんじゃないのかなと思います。意味がわからないこともたまにありますが、下から意見を言える環境だったらそういうのも一切なくなって、どんどん変わっていってしまうのかなと思います。正直応援団に染まっていない普通の人が思うことの方が常識なのかもしれないですが、多分それをやっていくと応援団じゃなくなってしまうと思います。そういう厳しいこと、例えば我々がよく言う「限界を超えて応援しろ」ということも「熱中症になる」と言われたらなくなっていってしまいます。そういう大切なところが変わってしまうと思うので、組織として応援団を成り立たせるためには、今のままでないと成り立たないと思います。

―好きな応援歌は何ですか。
太田 僕は、第二応援歌のSt Paul‘s will shine が好きです。 僕、出身校が鎌倉学園なのですが、鎌学の中学野球とか高校野球の応援でもこの曲が替え歌で使われていたんです。中学で野球部に所属していたので馴染み深くてすごく好きです。
藤野 「かっせ笠松」で野球部がたくさん呼ばれる曲が好きです。
太田 チャンスパターンメドレーですね。
藤野 そうです。プレー中はボードが見えないので、全部耳には入ってるんですがどの曲かわからないんです。(ーどういった部分が好きなのですか。)チャンスのために作られた曲なので当然盛り上がるようにもなってるし、野球部としてもどんどん盛り上がっていくところでそういう音楽かけてもらえると、こっちもしっかり入っていって得点につなげることができると思うので好きです。


対談中、笑いあい盛り上がる2人

―ルーティンはありますか。
藤野
前日の夜の23時ぐらいから風呂に入って、道具の手入れをして寝るっていうのは絶対に行っているルーティンです。試合前は、絶対に1本、コンビニで売っているコーヒーをバスの中で飲み干して行きます。(ーどのブランドが好きなのですか。)なんでも飲みます(笑)。 去年は金の微糖だったのですが、今年は寮近くの自販機に入ってた金の微糖がなくなっちゃったので…。何でもいいからコーヒーを飲んで、ぐらいですね(笑)。
太田 試合前の校歌の前に「あ〜〜」って声出しをする、それだけです(笑)。4年生なので、あんまり下級生の前で準備体操とか声出しをしてるのを見られたくないというのがあるので、試合前の校歌のときに、リーダー台の前で「あ〜〜」って低い声を出したりとかして整えます(笑。) (ーそれで大きい声が出せるのですか。)それで調子を見ていますね。あまり声は枯れないので、逆に声が枯れているときは「今日ちょっとやばいな」って時は発生の方法を変えたりします。

ーご自身にとって応援とは、野球とは何ですか。
太田 個人的にですけど、辛いとか苦しいとか試合に負けそうとか、そういう邪念を抜きにして全力でがむしゃらに、ただ選手の勝利を目指すこと、ですかね。
藤野 自分は趣味じゃないですけど、そういう感じかなと。やらなきゃいけないものとか、プロを目指すためにそれ一本でやっている道というよりは、好きだからやってるだけで、趣味の一環のものかなと思います。

―秋の優勝にかける思いをお願いします。
藤野 秋は優勝ができればそれに越したことはないと思っています。公式戦は結果が全てなので、いい過程も悪い過程も関係なく最後で勝てればいいと思います。2年生の時一応自分たち優勝しているのですが、2年の時にやる優勝パレードと4年の時にやる優勝パレードって、正直自分の主役感とか気持ちの優越感的にも全然違うと思うので、4年生として自分の代として優勝出来たらいいですね。最後は結果だけにこだわってやりたいなという思いが強いです。
太田 自分も、さっき藤野が言ったみたいに2年生の時と4年生の時だとリーグ戦に対する思いが違います。下級生の時は1勝をめざしていたのですが、今は「“優勝するための1勝”を目指したい」と思っています。なので、一試合一試合での勝敗が心にくる部分はありますね。そういうことの積み重ねで優勝があると思っていて、実際は野球部にかかっている部分はありますけど、それを後押し出来たりとか、自己満足になってでも「自分たちの演舞があったから野球部が勝てた」と言えるような応援ができたら一番いいと思っています。

(取材 大上文、桒原由佳・編集 川田怜旺)


対談を終え、握手を交わす藤野(写真左)と太田