東京オリンピック会場でもある大井ホッケー場での初戦となった秋の気配を感じる少し肌寒い天気の中、ついに令和最初の秋季リーグが開幕した。迎える初戦の相手は、50季連続で関東学生リーグを制している“絶対的王者“の山梨学院大。最小限の失点に抑えたい…


東京オリンピック会場でもある大井ホッケー場での初戦となった

秋の気配を感じる少し肌寒い天気の中、ついに令和最初の秋季リーグが開幕した。迎える初戦の相手は、50季連続で関東学生リーグを制している“絶対的王者“の山梨学院大。最小限の失点に抑えたい慶大だったが、相手の巧みなテクニックに翻弄され、結果は11-0という大敗に。しかし、数字としては大差が開いたものの、慶大の守備が光る場面も多くあり、春からの成長がしっかりと感じられる試合となった。

令和元年 関東学生ホッケー秋季リーグ Aプール

9/14(土)13:00試合開始 @大井ホッケー競技場ノースピッチ

 第1Q第2Q第3Q第4Q合計
慶大
山梨学院大11

スタメン

GK 山田寛子(経4・慶應女子)

DF 安達理紗(法3・慶應湘南藤沢)、津田美友佳(理1・立命館)、西本明日美(政4・慶應湘南藤沢)、斎藤可奈子(経3・慶應女子) 

MF 森田真衣(経3・慶應女子)、上口華(経3・慶應湘南藤沢)、花田ともみ(政3・慶應湘南藤沢)

FW 野村茉以(経3・慶應女子)、内藤梓(政4・立川)、小泉理央(政4・慶應湘南藤沢)

この秋からリーグ戦会場として使われることになった大井ホッケー場は、来年の東京オリンピックでも使われる会場。今までとは全くスケールの違うフィールドでもいつも通りのプレーをすることがまず第一の課題であった。

迎えた第1Q、開始早々相手から繰り出されたシュートを2本立て続けにGK山田寛子(経4・慶應女子)がセーブし、慶大ベンチが沸く。しかし直後にPCを取られ、あっという間に1点を先制されてしまう。慶大は積極的なプレスで相手の攻撃の起点を潰していくも、相手の勢いを止められず、6分、9分にもPCで得点され、11分にもフィールドゴールを決められてしまい、第1Qの時点で4失点。この試合を5失点に抑えるという目標を立てていただけに、痛い失点となった。


苦戦を強いられたゴール際

続く第2Q、苦しい展開が続き、ずっと自陣プレーに追いやられてきた慶大だったがついに見せ場がやってくる。西本明日美(政4・慶應湘南藤沢)からポイントゲッターの野村茉以(経3・慶應女子)につなぐとすかさずパスをつなぎ小泉理央(政4・慶應湘南藤沢)がサークルイン。しかしシュートは打たせてもらえず、得点には結びつかなかった。その後は再び自陣プレーに戻るも、ゴール際で守備陣が守り切るなど、慶大側も負けていなかった。


見事サークルインした小泉

後半戦に入っても慶大の走りとプレスは衰えず、DFの斎藤可奈子(経3・慶應女子) や祖山彩夏(政4・慶應女子)のナイスセーブもあり第3Qは1失点に抑え、最後まで集中力を切らさず徹底した守りを貫いた。しかし第4Qに入っても攻撃の起点を作ることができず、山梨学院大に圧倒的な地力の差を見せつけられ、結果は11-0の惨敗となってしまった。


ゴール際のセーブが光った齋藤

大敗は認めざるを得ないが、開幕前から練習してきたというプレスがしっかりと形になって身についていることが分かり、これからの慶大の強みになることが確信できた試合であった。しかしやはり、パスがうまくつながらないところやチャンスを生かしきれない部分も多く、そこは次戦までの課題となるだろう。慶大のリーグ上位進出の明暗が分かれる試合となる次の東農大戦。プレスという新たな強みと今まで以上の結束力を武器に必ず勝ち進みたいところだ。

(記事:澤田夏美/写真:津田侑奈・林亮佑)

次戦 9/21(土) VS東農大

14:00 試合開始 @大井ホッケー競技場サウスピッチ

◎関東学生ホッケー春季リーグ Aプール 星取表

 慶大山梨学院大東農大武蔵大勝ち点得失点差
慶大×●0−119/2110/5−11
山梨学院大◯11−0×10/59/2811
東農大9/2110/5×◯6−0
武蔵大10/59/28●0−6×−6

以下、コメント

手嶋聖奈監督

ーー今日の試合を振り返って

初戦に向けてしっかり準備をしてきて、自分たちがやらなきゃいけないことは出来たかな、と思います。ただ、山梨学院大の精度がとても高く、難しいシュートも多かったので地力の差というところが出てしまったと思います。

ーー今日はどういったゲームプランでしたか

うちは人数も多く交代も多いので、人数をかけて前からプレッシャーをかけてしっかり守るという練習をずっとしてきました。

ーーその練習の成果はいかがでしたか

今日はFWが良く走っていて、1Qから4Qまでしっかりと集中して前からプレスをかけて守るというのはできたんじゃないかと思います。

ーー今日の試合は前向きな内容でしたか

そうですね、ただ次の東農大戦が一番肝になる試合だと思うんですけど、それに向けてまた課題だなと思うところももちろんあったので、それまで短い間ですけどしっかり詰めていければと思います。

ーー秋を通しての意気込みをお願いします

去年からガラッとスターティングのメンバーも変わったチームなのですが、この春と夏の合宿を越えてすごくチームとしてのまとまりが出てきたと思って、このチームでしっかりと自分達が目標にしてきたリーグ戦上位進出というところを掴みたいと思っています。

祖山彩夏主将(政4・慶應女子)

ーー今日の試合を振り返って

今日は目標として5失点で抑えるということを掲げていたので、それが達成できずに悔しい気持ちもあります。しかしそれよりも守備をこの山梨学院大戦に向けて強化してきたのですが、その今までやってきたことができた部分が多くあったので収穫はあったのかなと思います。

ーー11対0という結果をどう受け止めていますか

失点が2桁にいってしまったことは大きいと思うのですが、私たちはプール2位を目標にしていて次の東農大に勝てばプール2位になれるので、目標を絶対に達成できないという状況ではないので、この11失点というのは重く受け止めて次につなげたいと思います。

ーー今日はどのようなゲームプランで臨まれましたか

もちろん点を取らなければいけないという部分もあるのですが、今日は守るシーンが多くなるということはもともとわかっていてそれを練習してきました。特に全員で守るプレスのところをしっかり固めて相手がボールを持っていても怖くない状況を作ろうとみんなでこころがけていました。

ーーそのゲームプラン通りに試合を運べましたか

崩されたシーンは自分たちが想像していたよりもそんなに多くありませんでした。日頃男子ホッケー部の人やOB、OGの人に入っていただいてスピード感や上手いところを再現していただいたので、そういうところはできたのかなと思います。

ーー次の試合への意気込みをお願いします

次は東農大戦で勝たないと上位に上がり私たちの目標を達成することができないのでしっかり勝ちたいです。そのためにこれまでは守りを主にやってきたのですが次は点を取らないと勝てないので攻めるところまで力を入れて絶対に勝ちたいと思います。