9月14日、東京六大学野球の秋季リーグが開幕。第2試合は法大が5投手による3安打完封リレーで早大に1対0で先勝した。春は打率.250で苦しんだが「後ろに繋ぐ意識で」と原点に返り、殊勲の一打を放った相馬。8回にも二塁打を放ち、通算100安打…

 9月14日、東京六大学野球の秋季リーグが開幕。第2試合は法大が5投手による3安打完封リレーで早大に1対0で先勝した。

春は打率.250で苦しんだが「後ろに繋ぐ意識で」と原点に返り、殊勲の一打を放った相馬。8回にも二塁打を放ち、通算100安打まで残り20本とした

 法大の先発マウンドに上がったのは、初の開幕投手を任された高田孝一(3年・平塚学園)。「ストレートが走っていたので、押すことができました」と、序盤3イニングを32球と、早大打線をテンポ良く抑えて打線に流れをもたらす。

 すると4回、先発に抜擢された佐藤勇基(3年・中京大中京)の安打からチャンスを作ると、副将を務める相馬優人(4年・健大高崎)が低めのスライダーを上手く合わせて右中間に運び、先制に成功した。

 高田は5回を終え58球、被安打2本に抑えていたが、青木久典監督は6回表に代打を出し、思いきった継投策を選択する。

 6回にマウンドに上がった石川達也(3年・横浜)は連続四球でピンチを招くも早大4番・加藤雅樹(4年・早実)を併殺打に抑えて、ホッと胸を撫で下ろした。終盤3イニングは柏野智也(3年・広陵)、新井悠太朗(4年・折尾愛真)、三浦銀二(2年・福大大濠)と1イニングずつ繋いで、この虎の子の1点を守り抜いた。

 部員への暴力による4ヶ月の謹慎処分を経て8月に復帰した青木久典監督は初戦を白星で飾った。青木監督は「いろんな方にご心配とご迷惑をかけたので、この1勝は・・・」と言葉に詰まり、目に涙を浮かべながら「もう1度チャンスをいただいたので、生まれ変わった気持ちでやりたいと思っています」と声を震わせた。またこの日は4年生の活躍も目立ち「彼らが法政に来て良かったと思ってもらえるよう最大の努力をするだけだと思っています」と抱負を語った。

サイドハンドからキレの良いボールを投じ、連続三振を奪うなど8回を3人で完璧に抑えた新井

■法政大vs早稲田大1回戦

法大 000100000=1

早大 000000000=0

【法】○高田孝、石川、柏野、新井、三浦-伊藤

【早】●早川、今西-小藤

◎法大・青木久典監督
「投手陣がよく踏ん張ってくれました。継投は考えていたのですが勇気は要りました。ただ高田が雑談の中で“へばってきた”というようなことも言っていましたし打順も回ってきたので代えました。三浦はまだ状態が上がっていないので、まずはこの役割からと思っています」

◎法大・相馬優人(4年・健大高崎)
「なんとか気持ちで食らいついていこうという思いで打席に立ちました。春は通算100安打と長打を意識して空回りしたので、もう一度繋ぎ役を意識して夏場に取り組んできました」

自ら招いたピンチを併殺でしのぎ安堵する石川

文・写真=高木遊