9月14日、東京六大学野球の秋季リーグが開幕。開幕戦は延長12回までもつれる接戦となったが、明大が4対2で東大を振り切り先勝した。5番・投手として先発した森下。打っても6回に同点打を放つなど活躍した 開幕戦のマウンドに上がったのは今秋のド…

 9月14日、東京六大学野球の秋季リーグが開幕。開幕戦は延長12回までもつれる接戦となったが、明大が4対2で東大を振り切り先勝した。

5番・投手として先発した森下。打っても6回に同点打を放つなど活躍した

 開幕戦のマウンドに上がったのは今秋のドラフト1位候補に挙がる明大・森下暢仁(4年・大分商)。春は全日本大学野球選手権と日米大学野球でそれぞれエースとして優勝に貢献し名実ともに大学ナンバーワン投手となったが、秋の始まりは苦戦を強いられた。

 4回に東大・石元悠一(3年・桐朋)に甘く入ったカットボールをライトスタンドに運ばれる先制本塁打を浴びた。6回に自らのバットで同点打を放ち、続く和田慎吾(4年・常総学院)のレフト前安打で二塁から本塁へ生還し勝ち越しに成功。だが、8回には151キロのストレートを東大4番の青山海(4年・広島学院)に右中間に運ばれ同点を許した。
明大打線も終始、東大・小林大雅(4年・横浜翠嵐)の球に狙いを絞りきれず試合は延長11回まで均衡を保った。

 明大は厳しい展開だったが、得点を奪えなければ勝利が無くなる最終12回に途中出場組が躍動する。1死から代打の岡本伊織(1年・創志学園)がレフト前への安打で出塁すると、続く代打・蓑尾海斗(1年・日南学園)がセンター前に運んで一、三塁とチャンスが拡大。ここで10回裏の守備から出場していた公家響(3年・横浜)が犠牲フライを放って勝ち越し。さらに7回裏の守備から途中出場の陶山勇軌(2年・常総学院)が絶妙なプッシュバントを決めてダメ押しの4点目を奪った。

 最後は森下が連続三振と内野フライに抑えて試合終了。明大が底力を見せて粘る東大に辛くも先勝した。

「春に経験をさせてもらったので秋は落ち着いて打席に入れている」と言う1年生・岡本のチャンスメイクが勝ち越しに繋がった

■明治大vs東京大1回戦

明大 000002000002=4

東大 000100010000=2
(延長12回)

【明】○森下-西野、蓑尾

【東】●小林大-松岡

本塁打:東大・石元(4回ソロ)

◎明大・善波達也監督
「森下は延長になってからの方が(無安打で)丁寧に投げていましたね。ホームランも2点目も打たれちゃいけない場面。放って欲しくはなかったボールで打たれていたので、バッテリーに意図を聞こうと思います。1つ勝てたのは良かったですが、明日に向けて大いに反省しないといけない試合でした」

◎明大・森下暢仁(4年・大分商)
「勝てたのは良かったですが先制もされてしまいましたし反省しています。ストレートは良かったですが変化球は全然良くありませんでした。(5番打者しての起用は)今朝聞いて驚きましたが打てて良かったです」

9回まで7安打を打たれる苦しい試合だったが、延長3イニングでは1人の出塁も許さずエースの貫禄を見せた森下

文・写真=高木遊