強い日差しが降り注ぐ中、明治は関東大学対抗戦(対抗戦)の2戦目に臨んだ。相手は昨年の対抗戦で110-0と完勝している成蹊。試合は序盤から明治が圧倒する展開となった。前半だけで3選手がハットトリックを達成するなど、FWとBKが一体となった攻…

 強い日差しが降り注ぐ中、明治は関東大学対抗戦(対抗戦)の2戦目に臨んだ。相手は昨年の対抗戦で110-0と完勝している成蹊。試合は序盤から明治が圧倒する展開となった。前半だけで3選手がハットトリックを達成するなど、FWとBKが一体となった攻撃で得点を重ねる。結局計13トライを挙げ、87-0で前半を折り返した。後半に入ると、明治は多くのフレッシュな選手を投入。連携の難しさもあったのか、後半37分にはディフェンスの隙をつかれ成蹊にトライを許す。それでも自陣深くまで攻め込まれる場面はほとんど見られず。終始安定した試合運びを見せ、チームとして後半は計8トライ52得点を挙げた。最終的なスコアは139-5。完封勝利こそならなかったが、大勝といえる結果となった。

 明治は試合開始直後からその力を見せつけた。前半2分、マイボールラインアウトから逆サイドへとボールをつないでいくと、最後はラックからSH竹ノ内駿太が切り返したパスにプロップ山本耕生が反応。インゴールをこじ開けた。チームに先制点をもたらすなど、攻守に渡り活躍を見せた山本は、この試合のMOMにも選出された。この得点で流れを作った明治は、前半10分までに4トライを挙げる猛攻。点差が開いても集中力を切らすことはなかった。序盤は不安定だったキックオフボールの処理を修正すると、明治の攻撃はさらに勢いを増していく。フィールドを広く使った巧みなパス回しで相手ディフェンスのギャップを突き、得点を重ねていった。18分にはCTB森勇登からのロングパスを受け取ったWTB山﨑洋之がステップでディフェンス2人をかわし、敵陣深くに切り込む。そのままインゴールを駆け抜けた山﨑は、このトライでハットトリックを達成。個の能力の高さを見せた。30分台に入っても、32、34分にFB雲山弘貴、37、39分にWTB石川貴大がそれぞれ連続トライを挙げるなど、攻撃の手は一切緩めず。終わってみれば前半だけで計13トライ87得点。ディフェンス面においても強固な守りが印象的だった。フィジカルで勝るFW陣が素早い対応を見せ、成蹊の攻撃を完全にシャットアウト。攻撃の時間をほとんど作らせず、つかんだ流れを離さなかった。


先制トライを決める山本。この試合のMOMに選ばれた

 後半に入ると、明治は多くの選手を交代。リザーブの選手にも活躍の機会が巡ってくる。その中で、注目の1年生であるWTB石田吉平も対抗戦デビューを果たした。石田は高校卒業を待たずしてシニアのセブンズ日本代表に選出され、15人制でも高校日本代表に選出されるなど、実績は十分の選手。春先のけがから復帰し、2戦目にして満を持しての出場となった。試合はハーフタイムをはさんでも、依然として明治のペースで進む。後半開始早々から、2、4、10分と立て続けに得点すると、13分にはFB松本純弥がハンドオフを駆使してディフェンス網を突破。そのままハーフウェイライン付近から独走トライを決めた。続く18分、明治はマイボールラインアウトからモールを選択。敵陣10メートルラインで形成されたモールは、ゴールラインまで突き進み、最後はロック片倉康瑛がインゴールに飛び込んだ。さらには20分に石田が対抗戦初トライを挙げるなど、得点を重ねていった。このまま完封で終わるかに思えた試合だったが、最後に成蹊が意地を見せる。明治は37分、ハンドリングミスからターンオーバーを許し、そのままトライを献上。成蹊は対抗戦の明治戦で、昨年まで3年連続の完封負けを喫していた。そのため、成蹊にとっては大きな5点となっただろう。しかし、同時に明治にとっては絶対に防ぎたい失点でもあった。その後42分にフランカー繁松哲大のトライで5点を追加し、試合は139-5でノーサイドを迎えた。

対抗戦初出場にして初トライを挙げた石田

 3桁得点の快勝で対抗戦の戦績を2勝0敗とした明治。個の強さとチーム力の高さをともに示す結果となった。しかし後半は連携ミスが散見されたため、少しの課題も残ったであろう。次戦である日体戦での修正に期待したい。明治が今期掲げているチームスローガンは『真価-Hungry Detail Action-』だ。このスローガンには、「進化」の意味も込められている。優勝を目指して進化を続ける紫紺の戦士たち。全ての課題を克服し、真価を見せる日もそう遠くないはずだ。今後の戦いからも目が離せない。

(記事 横澤輝 写真 鬼頭遥南、菅沼恒輝)

       

   


   

関東大学対抗戦
明大スコア成蹊大
前半後半得点前半後半
13
11
8752
139合計
【得点】▽トライ 雲山5、山﨑3、石川3、片倉3、森2、武井、山本、松本、石田、繁松  ▽ゴール 山沢(11G)、二浦(6G)
※得点者は明大のみ記載
関東大学対抗戦Aグループ順位表(9月11日現在)
順位チーム試合得点失点得失トライ
明大22001983816030
早大22001601015024
帝京大22001373710021
筑波大21015073‐238
慶大21014920297
日体大200240127‐875
関東大学対抗戦Aグループ星取表
 帝京大早大慶大明大筑波大青学大日体大成蹊大
帝京大11/10 14:00秩父宮11/30 11:30秩父宮11/24 14:00秩父宮11/4 14:00駒沢9/14 15:00大和 ◯59‐30◯78‐7
早大11/10 14:00秩父宮11/23 14:00秩父宮12/1 14:00秩父宮9/15 16:00ケーズデンキ◯92‐0◯68‐1011/4 11:30駒沢
慶大11/30 11:30秩父宮11/23 14:00秩父宮11/10 11:30秩父宮 ●14‐17◯35‐311/4 14:00上柚木9/14 11:30秋葉台
明大11/24 14:00秩父宮12/1 14:00秩父宮11/10 11:30秩父宮◯59‐3311/4 11:30上柚木9/15 15:00足利 ◯139‐5
筑波大11/4 14:00駒沢9/15 16:00ケーズデンキ◯17‐14●33‐5911/30 14:00江戸川11/24 14:00敷島11/10 14:00熊谷B
青学大9/14 15:00大和●0-92●3‐3511/4 11:30上柚木11/30 14:00江戸川11/10 11:30熊谷B11/24 11:30敷島
日体大 ●30‐59●10‐6811/4 14:00上柚木9/15 15:00足利11/24 14:00敷島11/10 11:30熊谷B11/30 11:30江戸川
成蹊大●7‐7811/4 11:30駒沢9/14 15:00秋葉台 ●5‐13911/10 14:00熊谷B11/24 11:30敷島11/30 11:30江戸川

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、菅平は菅平サニアパークM/C、筑波大Gは筑波大つくばグラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、上柚木は上柚木公園陸上競技場、たつのこFは茨城たつのこフィールド、ケーズデンキはケーズデンキスタジアム水戸、大和は神奈川大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場。