今季26本塁打、23盗塁、打率.336で残り11試合

 ペナントレースも終盤を迎え、個人成績も見えつつある。広島の鈴木誠也は打率.336で初のタイトルである首位打者へ向けて快調に走っているが、ここまで26本塁打23盗塁と、トリプルスリーの可能性も僅かながら残っている。

 鈴木は二松学舎大付属高から、2012年のドラフト2位で広島に入団。16年には初めて規定打席に到達し、打率.335でいきなりリーグの打率2位となり、以後3年連続3割をマークした。今季は9月8日の時点で打率.336、2位の中日ビシエドに1分3厘の差をつけている。初の首位打者獲得へ走っているが、本塁打は26本、盗塁も23個をマーク。打率3割、30本塁打、30盗塁のトリプルスリーの可能性が残されている。

 広島は12球団で最も試合消化が早く、すでに132試合を消化。残り11試合で4本塁打は十分に可能性はあるが、7盗塁はやや厳しいところだ。しかし、不可能な数字でもない。

 鈴木のネックとなるのは「盗塁成功率が低い」ことだ。今季の鈴木は38回盗塁を企図して、23盗塁、15盗塁死。盗塁成功率は.605だ。今季はヤクルトの山田哲人が無傷の33盗塁で、史上初の「盗塁成功率100%での盗塁王」の可能性があるが、企図数だけなら鈴木の方が上なのだ(リーグの盗塁企図数1位は42盗塁/29盗塁13盗塁死の阪神、近本光司)。鈴木がトリプルスリーを達成するためのポイントは、盗塁成功率を上げることにありそうだ。

今季の鈴木誠也の月間での本塁打、盗塁、打率
3、4月 24試 7本塁打2盗塁2盗塁死 打率.311
5月 25試 8本塁打7盗塁1盗塁死 打率.383
6月 23試 3本塁打4盗塁2盗塁死 打率.220
7月 23試 4本塁打2盗塁3盗塁死 打率.360
8月 27試 3本塁打4盗塁4盗塁死 打率.361
9月 7試 1本塁打4盗塁2盗塁死 打率.435

 9月は打率.435と絶好調。打率では中日ビシエドを突き放しつつある。本塁打は1本だが、今後も期待できるだろう。そして盗塁は9月に入って7試合で4盗塁2盗塁死、6回も企図している。

 盗塁はチームの指示がなければできない。鈴木は1、2番ではなく、3番で20試合、4番で108試合に出場している中軸打者だが、ゴーサインが出ているのだ。チームは2位DeNAと1差の3位、4位阪神とは3.5差。ポストシーズン進出へ向けて厳しい戦いが続いている。

 ドーピング検査で禁止薬物の陽性反応を示し、6か月の出場停止処分を科されたバティスタが戦線離脱し、中軸打者として鈴木にかかる責任がさらに重くなっている中ではあるが、トリプルスリーはこれまで両リーグを通じて10人、計12回しか達成していない大記録。達成すれば、広島では1995年の野村謙二郎(打率.315、31本塁打、30盗塁)、2000年の金本知憲(打率.315、30本塁打、30盗塁)に続く3人目となる。(広尾晃 / Koh Hiroo)