好機生かせず、引き分けに終わる／立正大戦

　沖縄、関西、愛知と約３週間にわたる春季遠征を終えて中１日。本拠地・安部球場での連戦がスタートした。きょうは、昨年の明治神宮大会を制した東都大学連盟の強豪・立正大を迎えての対戦。早大は３回に中川卓也（スポーツ科学部入学予定＝大阪桐蔭）の犠飛で先制に成功したが、５回の先頭打者に浴びた二塁打から失点を許し、すぐに同点にされる。その後は投手陣が好投を見せたものの得点を奪えず、帰京後初めてのオープン戦は引き分けに終わった。

　早大の先発は西垣雅矢（スポ２＝兵庫・報徳学園）。立正大打線を３回まで無安打に抑え、安定した立ち上がりを見せる。すると３回裏、先頭の福岡高輝（スポ４＝埼玉・川越東）が三塁線を破る二塁打で好機をつくった。福岡は次打者の内野ゴロの間に三進し、４番・加藤雅樹主将（社４＝東京・早実）は四球を選択。続く瀧澤虎太朗（スポ３＝山梨学院）が放った打球は一塁手前へのゴロに。相手一塁手は三塁から飛び出した福岡の補殺を試みたが、福岡はなんとか帰塁。野選に助けられ、満塁の好機が訪れた。ここで打席に立ったのは期待のルーキー中川。捉えた初球は高く上がり、中堅手のグラブに吸い込まれたものの、その間に福岡が本塁へ生還し先制点を奪った。さらに、続く小藤翼副将（スポ４＝東京・日大三）は初球を左前にはじき返し、再び満塁に。追加点が欲しい早大だったが、代打・岩本久重（スポ２＝大阪桐蔭）が外角の変化球で空振り三振に封じられ、この回の攻撃は１得点にとどまった。再び試合が動いたのは５回。ここまで好投を続けていた西垣が先頭打者に二塁打を浴び、この日初めて二塁を踏ませると、続く打者の犠打と犠飛で同点に追い付かれた。

３回に先制の犠飛を放つ中川

　その後はスコアボードに０が並んだ。５回は２死から瀧澤と中川が右前に連続で安打し、一、三塁の好機を演出。続くは２打席連続で安打を放っている小藤だったが、相手三塁手の好守に阻まれ好機を生かしきれない。するとピンチが訪れる。８回、３番手の松本皓（教４＝東京・早実）が先頭打者に四球を与えると、そこからつながれ１死一、三塁に。あわや勝ち越しを許すという場面だったが、松本とその後を継いだ藤井寛之（法４＝福岡・東筑）が後続を打ち取り、なんとかピンチをしのいだ。しかし肝心の攻撃陣は、その裏に２死一、三塁としながらも無得点。最終回も大型右腕・赤川諒（４年）の前に抑えられ、１−１のまま試合が終了した。

８回、好機で投ゴロに倒れる金子銀佑（教３＝東京・早実）。終盤に追加点を奪えなかった

　この日の早大は９安打を放ったものの、奪えた得点はわずかに１。再三の好機を演出したが、あと一本が出なかった。また、けん制死などの防げるミスがあったことも拙攻になった要因だろう。１カ月後に迫る東京六大学春季リーグ戦に向け課題が露呈した早大。それでも、７回途中まで投げた西垣は１失点、救援登板した４投手は無失点と投手陣の収穫が多かった。あす対戦するのは、昨年の全日本大学選手権で優勝した名門・東北福祉大。日本一のチーム相手に、得点を重ねる姿が見たい。

（記事　宅森咲子、写真　池田有輝、村上萌々子）

※記事中の学年は新年度のものです。

春季オープン戦の日程はから