自らが書き下ろした今年度スローガン「志」の入った額を手に、ほほ笑む主将・滝島(文4)

ー全日本選手権大会終了後、チームの雰囲気に変化はありましたか
今年は全クルー入賞というスローガンを掲げています。全日本では例年に比べて成績も良かったので、インカレに向けてまたこれなら全クルーいけるぜと、より上を目指せる雰囲気になったと思います。

―今大会の舵手なしフォアクルーの持ち味を教えてください
まとまりは結構あります。例えば、前回は多少バランスが崩れても力で押していけて、力が3ぐらいに落ちても12ぐらいの力でグイっと巻き返せるクルーでしたが、今回はずっと7から8の力で行くみたいな。もちろんそういう漕ぎ方が理想だからそうしているっていう面もあって、だから前回よりは乱れない、漕いでいるときにバチャンってバランスが崩れる場面が今の4人は少ないです。4年生3人に3年生1人で技術もまあある方だと思うので、今回の方が安定感はあると思います。もともと(中村)鑑彦とか橋本太一は技術面で長けていて、鑑彦はバウに乗ることも多くて、結構鑑彦が乗ると場が安定するみたいなところがあるので、そこで割と技術に長けた人が集まったから結果として安定感も増したということになったと思います。

―クルー内における滝島さんの役割を教えてください
一昨日くらいから俺が一番後ろのポジションになって、鑑彦が前から2番目に変わったんです。このポジションで出場するかはまだ分からないですが、もしバウ(船首に最も近い漕手)だとしたらクルーリーダーだから、今日はここから意識して、この前の練習でダメだったところ意識してみたいな。練習中にここの意識が薄れてきているからみたいな声掛けを。もちろん試合中にも指示を出して、全員の意識をぱっと切り替えられるようなことが俺の役割です。どっちかっていうとクルーを引っ張る役割は吉田に任せているから、ずっとストローク(船尾に最も近い漕手)だし。だから、どのポジションにせよ自分の役割はクルーを下から支えることかなと思います。

―主将としての1年間を振り返っていただいて
部のために自分の時間を使うことが多い1年でした。年末にしか実家に帰らなかったし、ずっと艇庫にいて部の仕事をしていて、もちろん主将だからっていうのもあるんだけど、皆が練習しやすいようにっていうのを考えて、まあそれが苦しかったかって言うとそうでもないんですけどね。1番はやっぱり、監督コーチからいろいろ言われて、でも学生たちからの意見も俺は吸い上げなきゃいけなくて、それで板挟みになってっていうのはありました。監督コーチとの連携を取りつつ、選手のためにやっていくっていうのは、苦じゃなかったけど大変でした。良かったことは頼られることが多くなったことです。例えば故障しちゃって、今後コックスだったりトレーナーだったりに転向するっていう相談を俺にしてくれることもあったり、部を辞めたいって言って俺が引き留めて、結局残った人も3人いるんだけど、その度に、何というか俺もずっと「ボート部最高!」みたいな感じでやってきたわけじゃないし、少なからず挫折したこともあるし、逃げ出したくなったこともあるから、そういう話をして、先輩から聞いた話もして、乗り越えていこう、踏みとどまろう、頑張ってみようって言ってもらえたのが1番嬉しかったかな。自分が1、2、3年でやってきたことを下の後輩に伝えられて、それが活きたなってことを感じられた事が良かったです。主将として、最高学年として、今までやってきたことを後輩に伝えられたこと。それを聞いて後輩たちが考えを変えてくれたり、やる気を出してくれた事が嬉しかったな。

ー最後にインカレの目標をお願いします
それ聞きますか(笑)。俺が入るより前だから4年前に立教がインカレで優勝して、そこから準優勝、3位、去年の準優勝ときて今年、1,2,3、2ときて今年……優勝しかないでしょ。敵はもちろん手強いです。全日本で負けた仙台大学と、NTTは大学選手権だから出てこないけど、今年どういうメンバーか分からないけど去年負けた明治大学とか、他にも中央大学とか、同志社も今年は早いらしいからライバルは多いし、その中で全日本時とメンバーが変わって不安なところはあるけれど、今の4人で、優勝します。


ピースする副将の吉田(営4)

ー1人のクルーとして吉田さんが心がけていることを教えてください
ボートは自信が全てだと思っています。自分は決勝に行けるという自信が揺らいだ時に負けちゃうと思うので、日頃からタイムとかが出なくても焦らずに自信を崩さないというのを意識しています。

ー吉田さんから見て現在クルーの雰囲気はどうでしょうか
組み始めはなしフォアで実力差というか経験の差みたいなものがあったので、遠慮のし合いというか、俺や滝島の言うことが全てという感じがあったんですけど、後輩の橋本に指摘していただいて、もっとぶつかっていいものを作り上げていきたいという風に言ってくれて。いいものを作り上げていくという意識でやっています。

ークルーの具体的な目標を教えてください
優勝ですね。

ー4年間を振り返って
振り返って思うのは2年生までは自分のことしか考えていなくて、マネジャーさんとかへの感謝の気持ちもそんなになくて、他のプレーヤーへの尊敬もなく、自分が純粋にどうするかとかばっかり考えていて。その頃に比べたら2年のインカレで初めて表彰台に立って変わったこともあって、3年から周りを見るようになって。3年で周りを見るようになったのは良いんですけど、逆に周りのことを考えすぎてあまり勝ちに向かって貪欲にガツガツいく感じが薄れちゃってて。今が1番周りも見つつ勝つ意識も持ちつつみたいな感じで、良いバランスが取れたのは4年間で成長できたことかなと思います。1年の頃は副キャプテンなんかなると思ってませんでしたし。人が役職に選ばれるのではなくて役職が人を成長させるみたいになりますけど、3年の終わり時点では自分は本当にそれで、副将に似合わない人間だったんですけど副将に選んでいただいて、そこで成長したところがあったかなと思うので。3年まではボートの実力面で成長できたけど人としては成長できてなくて。でも自分で言うのもアレですけど、この1年で人として成長できた感じはあるので良かったと思ってます。滝島がよく周りを見れる人で、自分は就任当初は監督に今まで10割自分のことしか考えていなかったのがバレてて「9割お前のことやっていいから1割だけ周り見てくれ」と言われてて。自分が今副将としてやれているのはその言葉があったからだし、そのことに向こうが気づいてたのもビックリしましたし、その通りだなと思っていましたし。だからこそ1割周りのことを見るというのをしっかりやっていこうと思ったので、副将はしっかり人として成長できる部分が多かったかなと。主将だと逆に恐れられるというのもあると思うので、いきなり主将に言うと事が大きいから副将に言おうみたいなのもあるので良いクッション材として使ってもらって。人の悩みというのを聞けるようになって、人の気持ちになって考えるという力がついたのかなと思います。

ー最後の大会で後輩達に遺したいものはありますか
見せびらかすような努力が嫌いで、結構自分が練習してる感じは外に出していないんですけど、自分でいうのもアレですが裏では結構やってます。何を遺したいかというと、希望を持って欲しいです。この先輩でも勝てるんだと思ってほしくて。立教は初心者で体格も優れてない選手とかもいて、そういう子がすごい頑張ってほしいし、自分もあまり身長は高くないですけど、こういう先輩でも勝てるんだなと思ってほしくて。スカルとかスウィープ種目とかいろいろあって、自分はトップ種目、舵手なしフォアしか乗った事がないので試合に出られない人の気持ちはあまり分からないんですけど、そういう人でもやっぱり向上心持って頑張ってほしいなというのがあるので、自分が勝ってこの先輩でも勝てるんだなと、希望や勇気を持って練習に取り組んでほしいので、そのためにも勝ちたいと思います。

ー最後にインカレに向けて意気込みをお願いします
去年の全日本で先輩たちの作り上げた舵手なしフォアの決勝進出の記録を止めてしまったのがボートをやってる上での心残りになっています。自分の今年のサブテーマが先輩から受け継いだものを引き継ぐというもので。周りの幹部はどちらかというと新しいことをやっていこうという感じでやってきたと思うんですけど、自分としては今まで先輩が引き継いできた70年間をしっかり守っていきたいなというところで副将を引き受けたり、なしフォアに乗ったりするので、今年全日本の決勝に再び立てて、また後輩に伝統としてやっていけることをパスできたことはすごく良かったと思います。インカレもしっかりまずは決勝にいって、5年連続決勝進出というのがあるので6年目にして、7年目をしっかり後輩にパスしていきたいなというのがあるので、来年も後輩が向上心を持って取り組めるように、何もかも新しいままだと目標とするものが明確になり辛いと思うので、そこをしっかり自分たちが結果を出して来年の後輩たちに去年の先輩の代を越えるという意識を持って取り組んでもらえるように最後の試合、取り組んでいきたいと思っています。


男子舵手なしフォアとしての出場は初めてとなる中村(現4=写真左)と橋本(コ4)

ーインカレまで残りわずかですが、今どんな心境ですか
橋本)2週間もないので、合わせられてない部分もあるので緊張するんですけど、思い切ってやっていこうと思います。
中村)時間はないんですけど、やらなきゃいけないことは分かってるし、結果を求められていることも分かっているので、1日1日頑張るしかないですね。

ー舵手なしフォアでの出場が決まった時の心境はどうでしたか
橋本)対校の船なので言われたときはプレッシャーがあったんですけど、選ばれたので嬉しい気持ちとプレッシャーを感じていました。本格的に乗るのは初めてなので、他の船よりも正直難しくて大変なところがあります。だけど、4年生も乗ってるのでやらなきゃいけないのは分かっているので、頑張って行こうと思っています。
中村) 「俺でいいの?」みたいな感じはありました。乗るとは思っていなかったし。だけど選ばれたからにはやらなきゃいけないし、素直に頑張ろうと思いました。難しいというのは自分も感じているんですけど、最後だししっかりやりたいという気持ちはありますね。
ー4年間を振り返って頂いてどうでしょうか
中村)楽しかったですよ。きついこともたくさんあったし、楽しかったなと思うし。あと、4年間長かったなと。その分色々あったし、充実してました。人って変わるんだなと思いますね。自分や同期を1年生の時と比べると内面的にも成長したと思うし。1年生の時は「お前そんなので怒るの?」って感じだったんですけど、今では寛容的になったり、行動面でも成長している部分もあったし、人って成長したり変わることができるんだなというのが4年間で印象的でしたね。目に見えて行動とかも変わるし。

ー橋本さんから見て中村さんはどんな人でしょうか
橋本)私生活は正直ダラダラしている。けど、今季一緒に乗ることが多かったので、一緒に乗ってると僕も後ろで漕いでることが多いので色々アドバイスとかも受けたり、あんなにダラダラしてる人が真面目に漕いでるんだな、やる時はやってるんだなという印象ですね。

ー中村さんから見た橋本さんはどうでしょうか
中村)うるさいから口閉じればって感じです(笑)。

ークルー内における自らの役割を教えてください
橋本)僕は後ろで漕いでいるので前の吉田さんにしっかり合わせて、僕の役割はエンジンとしてしっかり出力を出して前の人たちを支えてあげることです。
中村)繋ぎ役と言ったらアレですけど、前と後ろの漕ぎを繋いで自分が伝えて、クルーをまとめるまではいかないんですけど、クルーをまとめる接着剤みたいな感じですね。

ー最後の大会で後輩に遺したいものはありますか
中村)最後くらいは綺麗に散りたいので、俺の散りざまを見とけという感じです。

―アピールポイントを教えてください
橋本)スパートは頑張れるのでラスト500くらいは出してやるぞと思ってるので見てほしいです。

ー求めるもの
橋本)対校船に乗るのが初めてなので、結果を求めたいです。
中村)いつもだったら楽しさとかなんですけど、対校なので結果を最重視でいかなきゃいけないかなと思ってます。

(取材・濱渡晏月、渡邊大樹/編集・合田拓斗)